新居に“幽霊”が出ないか気になる一人暮らしのあなたへ!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、不動産ポータルサイトの編集長を務めているライターの丸野裕行です。

先日、不動産業者さん、霊能力がある女友達を交えた3人で雑談をしていると、新居探しをしているお客さんの中に「この物件って幽霊とか出ませんよね?」と聞いてくる人が多くいる……という話になりました。

不動産業者の答えは、ズバリ「築年数の浅い物件には幽霊なんか出ない」というものでした。
さらに、住んでいるマンションの前の入居者が孤独死した物件だったとしても、幽霊なんかは出ないし、聞いたこともないという答えでした。

では、どのような場所に幽霊などが出現しやすいのでしょうか?
そこで口を開いたのが、霊能力がある女友達でした。

賃貸物件よりも“不特定多数の人が出入り”する寮やホテルの方が出る?!

彼女が言うには、一人暮らしをしている部屋で幽霊を見る確率よりも、不特定多数の人間たちが入れ代わり立ち代わり出入りするホテルや寮の方が出るらしいのです。実際に彼女が霊を見るときは、絶対に不特定多数の人間が出入りするところらしいのです。

やはり、マンションやアパート物件自体で、そうそう幽霊に出会ってしまうということはあまりなく、それよりも賃貸物件の周辺をうろつく不審者や犯罪者に出会う方が確率的には高いようです。実際に多くの一人暮らしの男女に話を聞くと9割方、そちらの話にシフトしてしまいます

ちなみに彼女が初めて霊を見た会社の独身寮というのは非常に古く、歴史があり、多くの人々が寝食を共にした場所でした。ここには、憎しみや怒り、喜び、楽しさ、哀しさなど、数多くの人の感情が溜まります。これらの感情が積もり積もって、幽霊として実体化するのではないかと、彼女は考えているようでした。

その土地自体に霊が居座るというのは、稀な例です。そんなことが起こるのであれば、戦国時代や戦争が繰り返された日本は心霊スポットだらけになってしまいます。

金縛りに遭うという人は非常に多いですが、そのあとに幽霊が出てきたという話はあまり聞きません。どうやら日々の疲れから、体が緊張状態になって金縛りになってしまったと考えるのが事実のようです。

彼女が話す幽霊寮

彼女自身が実際に霊を見た寮の話を語ってくれました。

彼女は現在32歳。結婚をして、子供をふたりもうける幸せな人生を送っているのですが、彼女がまだ19才くらいだったころ、とある建設会社に就職をしました。その独身寮に住んでいたときの話です。

その寮というのはかなり古い建物で、洗面所や大浴場、トイレが共同になってるところでした。洗面所の鏡の位置も昔の日本人の身長の高さに合わせて作られているので、今よりも少し低めの造りになっています。

そんな歴史ある寮、ここがちょっと不思議な寮でもありました。その寮は3階建て、1階~3階のすべてに部屋があるはずなのですが、1階の住居スペースにどうやっても辿りつくことができないんです。寮の裏手にある駐輪場や駐車場の方から寮を見れば、薄暗い1階の廊下が擦りガラス越しに見え、部屋のドアもちゃんと見えているのに、とにかく1階へ行くことができない。

住居スペースの通路が不自然な壁で塞がっている

とにかく寮の入り口を入って、1階の住居スペースに行こうとすると、通ることができない。よく調べてみると、住居スペースに行くべき通路部分が壁で塞がれている。

元々通路だった部分が、不自然な壁を作って塞がれているという状態でした。「どうも、変なところだな~」と彼女は思いつつ、とりあえず古い建物だから老朽化が原因でそうなっているんだろうと解釈していたそうなんです。

ある日のこと、事務作業が早く終わり「帰ってゆっくりしよう」なんてことを考えながら帰寮しました。そうすると、どうも変なんだそうです。その寮の雰囲気自体が……。いつもであれば、絶対に誰かが騒いで、やかましいほど活気ある寮のはずなのですが、人間がいる気配がまったくない。

「ひょっとして私が一番初めに帰ってきたのかな」と思いながら、彼女一人で共同の大浴場へと向かいました。

中年女性が湯船にいる

脱衣所で服を脱ぎ、大浴場の引き戸を真横にササっと開けると、そのお風呂に1人の中年女性が浸かっているそうなんです。

ああ、やっぱり自分よりも先に帰ってきている社員さんがいるんじゃないか、と思いながら、洗髪するためにシャワーを浴びはじめました。

何も話さずにいるのもなんなので、「今日早かったんですか?」と一言声をかけてもまったく返答がない。すると彼女は横目でチラチラとその中年女性の様子を見ていました。すると、やはりなんだかちょっと変なんだそうです。

大きな湯船に浸かったその中年女性はずっとお風呂の壁を見たまま、後ろ向きでまったく顔が見えない。

変な女の人だなぁ~と思い、一緒に湯船に浸かり「お先に……」と言って、大浴場を後にしました。すると、湯船の方から「ケタケタケタケタ…」と笑い声がしたそうなんです。

「なんだろう、気持ち悪い……」と思っていると、その声がどんどん大きくなってくる。そのうち、耳元で笑われているような感覚に陥って、急いで服を着ると、ふと妙なことに気がついたそうです。

その脱衣所には、その女性が履いていたはずの靴も、着ていたはずの洋服もなかったんです。大浴場に中年女性がいるのであれば、本来脱衣所に脱いだ靴や洋服があるはずですよね? しかしそれがない……。

部屋まで追ってくる女

彼女はそのことに気がついた瞬間に、背中に寒気が駆けあがって、逃げるように脱衣所から出たそうです。急いで出たのはいい。しかし、やはりさっきのシーンとした人の気配がまったくない廊下に出ました。

「とにかく怖い、とにかく何かがヤバい! ヤバい!」と泣きながら、誰もいない廊下を猛ダッシュして、自分の部屋に逃げ帰り、掛布団をかぶって、「許してください、許してください!」とガタガタ震えていたそうです。

すると、さっきの笑い声がして、部屋のドアをノックする音が聞こえる。それが執拗に「ドン、ドン!ドン!!」と大きくなる。「勘弁して!お願いもう消えて!」と思っていたときに、ふと気が遠くなったそうです。

気が付けば、もう夜の9時。どうやら彼女は気絶したまま寝てしまったようで、布団から這い出すと、先ほどとは違う、いつもの雰囲気。廊下からいつもの活気ある話し声や生活の音が聞こえ、安心したといいます。

それから、彼女は自分で物件を探して、会社近くのマンションで一人暮らしをはじめたそうです。もちろんその部屋では幽霊など見ていません。それ以来、彼女はホテルや旅館、会社の中などで幽霊を見るようになりました。

ちなみに、その寮というのは若い人専用の寮だったので中年女性がいるはずがないとのことでした。果たしてあの中年女性は誰だったのか? 彼女に何を伝えたかったのか……。

現役の不動産業者も「幽霊の話はあまり聞いたことがない」といいます。

これから一人暮らしをするというあなた、一人暮らしの部屋で幽霊と遭遇する確率は非常に低いようなので安心してください。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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