お互いに戦闘機が撃墜されるなど緊張感が高まっているインド・パキスタン紛争。パキスタンは3月1日までの民間機の領空内飛行禁止を発令し、すべての民間空港を閉鎖。インドもパキスタンに近い8つの空港を閉鎖したようだ。その結果、パキスタンの空には飛行機が1機も飛んでおらず、まるでバリアでも張られたかのように不気味な空白地帯が出現している。
飛行中の民間機をリアルタイムで追跡表示する『Flightradar24』を見てみよう。
パキスタン上空とインドのパキスタン国境付近にかけての上空にぽっかり不自然な空間ができている。通常ならこの辺りの空はアジアとトルコ・欧州方面を結ぶ便が列をなして行き交っているはずなのだが……。ちなみにヒマラヤ山脈からチベットにかけての空は普段からあまり飛んでいない。
ウズベキスタンのタシュケント国際空港からインドのアムリトサル国際空港へ向かう便は、わざわざ西廻りで一旦オマーン湾まで出てから再びインド上空へ進入して着陸した。普段なら平均2時間13分で到着しているところ、6時間以上の超迂回フライト! その1つ前の便はパキスタン領空にさしかかったところで引き返している。ちょうど印パ間で戦闘機同士の戦闘があった直後と思われる。航空機の発達で世界はとても狭くなったけれど、ひとたび争いが生じると隣国ですらこれほど遠く感じられるようになってしまうものなのだね。
パキスタンのカーン首相は「お互いが核戦力を持った状態で戦えばどうなるか? 状況がさらに悪化すれば私にもモディ首相にも制御できなくなるだろう。席について話し合いで解決しよう」とインド側に呼びかけた。ネット上では印パ両国民の一部が勇ましく愛国心を掲げ醜い罵り合いを繰り広げているが、彼らにも自制を求めたい。
画像とソース引用:『flightradar24.com』より
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