『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』神谷明インタビュー「冴羽リョウがドローンを使うシーンに“お前、いつ勉強したんだ?”」

  by ときたたかし  Tags :  

大ヒットアニメ「シティーハンター」の20年ぶりの新作となる長編アニメーション映画『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』が現在大ヒット上映中。冴羽リョウ役の神谷明さん、槇村香役の伊倉一恵などオリジナルキャストが集結していることも話題を呼んでいます。

今回は声優界のレジェンド! 神谷明さんにインタビュー。色々とお話を聞いちゃいましたよ!

●99年のスペシャル版から20年、アニメ放送30周年記念作品になりますが、オリジナルキャストも再集結ということで、ご本人としていかがでしたしたか?

最初は不安でした。放送当時は40代で言わば脂が乗っていた頃ですが、今はもう70代。みなさんが思うような冴羽獠が演じられるかどうか……。でも、収録まで1年ほどあったので、リハビリじゃないけれど、おしゃべりの精度を上げていく発声練習をして、自分なりに万全の準備をしました。

●収録初日、マイクの前に立った瞬間はいかがでしたか?

20年前と同じように冴羽獠として喋れるかが一番不安でした。でもマイクの前でレギュラー出演者の声を聞いたとたんに、時計の針が20年巻き戻されたというか、一気にシティーハンターの世界に戻り冴羽獠として喋ることが出来ました。今思い返しても不思議な感覚でした。収録自体は脚本に書かれた舞台、新宿で遊んでいるうちに終わってしまいました。

●20年という時代の変化については、何を思いましたか?

それはみなさんと同じで「伝言板はどうなるんだろう?」など、すごく気にはなっていました。でも「現代ならこうだろうな」というアイデアで処理されていて、AIやドローンも登場する。冴羽獠がドローンを操縦するシーンが登場しますが、「お前、いつ勉強したんだ?」と。ただ、目的を考えた時に「だろうな」とも思いましたね(笑)。そうは言っても歌舞伎町やゴールデン街は、それほど変わってはいないんです。テレビのシリーズの時よりも今回は明確に新宿を描いていたので、楽しかったですね。

●今回、キャッツ・アイが登場する発表も話題になりましたね。

去年の2月にスタッフの初顔合わせがありました。北条司先生をはじめとするスタッフと、キャストでは僕と伊倉一恵さんが集まって。その時に「キャッツ・アイ」の三姉妹が登場するという話をおうかがいして、すごいなと。北条先生の作品なのでそういうこともあり得るだろうとは思っていましたが、まさか実現するとは思っていなかったので本当に驚きました。

●当時を知る世代としては、衝撃的でした!

その時に伊倉さんも坂本千夏(来生 愛役)さんとお友だちなものですから「言いたい!」と、でも「ダメ!」って言われて(笑)。夏前くらいにオファーがいくから、それまでは伝えないということで、だからずっとオフレコで心にしまっていました。

●先ほどの世の中は変わったけれど、新宿は変わってないという話ですが、新宿はもうひとりの主人公というか、行くと冴羽獠を思い出す街ですよね。

先日の取材の時、なぜ新宿を舞台にしたのかという質問に、北条司先生が、やはり新宿というものは清濁あわせ持った非常に魅力的な街だから、そこを選択したとお答えになっていて、なるほどと思ったんですね。実際にそういう街だし、いまでも当時とさほど変わらない。だから、舞台としてはシティーハンターにふさわしい。その変わらない部分と変わってしまった部分、その対比も面白いですよね。だから、最先端の息吹を感じられる部分と、戦後のままのような部分を持った場所というのは、日本を象徴するような街だと思いますので、舞台になっていて本当によかったと思います。大きな公園もありますし。今回は大変なことが起こりますがね(笑)

『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』
https://cityhunter-movie.com

(C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo