勤務する従業員に過度の労働負担を強いている、いわゆるブラック企業。そのナンバーワンを決めるブラック企業大賞2012が28日決定し、大賞には「東京電力 株式会社」、一般投票で選出される市民賞には「(株)ワタミ」がそれぞれ選ばれた。
大賞の東京電力はもはや説明するまでもない。福島第一原発事故が与えた影響は甚大で、事故の最前線で働いている下請けの作業員は文字通り命がけの作業をしている。彼らの給料が複雑な下請け構造によって「ピンハネされているのではないか」という疑惑も考慮されたはずだ。こうした現状を生み出してしまった歴代の経営陣に対する賞という意味合いも強いだろう。
市民賞のワタミは一般投票で圧倒的な支持(不支持?)を集めた。女性社員過労死問題をめぐる、今年2月の渡邉美樹会長の対応には非難が集中した。「彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません」というツイートは2600回以上もリツイートされるほど大きな話題に。
ちなみに他のノミネート企業は「(株)ウェザーニュース」「すき家」「SHOP99」「株式会社 すかいらーく」「株式会社フォーカスシステムズ」「有限会社陸援隊 および 株式会社ハーヴェスト・ホールディングス」「株式会社 丸八真綿」「株式会社 富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ」となっている。関越自動車道での居眠り運転事故を起こした陸援隊は記憶に新しい名前だ。
書籍『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の影響もあって、クローズアップされているブラック企業。今回の不名誉な受賞やノミネートが、頑張っている社員の待遇改善へのきっかけになることを切に願うばかりだ。
※画像: 渡邉美樹・ワタミ会長のTwitterより(2012年7月18日投稿分)
https://twitter.com/watanabe_miki/status/225503101161971713