【40代男の就職】フリー歴17年! 裏社会ライターは世間に受け入れられるか?‐第4回‐

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

40代で厄年をやっと過ぎた私。根無し草の生活に嫌気が差し、考えたのは、しっかりとした会社への“転職”でした。
安心、安定を目指したミドル世代である私の就職記、ぜひ聞いてやってください。

日本は狭い、もう海外だ!

日本人気質でお正月は自宅で家族と過ごすことをモットーに一年を過ごしている私なのだが、この日本国内での就職というのは、やはりこの年齢では、東大に入るよりも難しすぎる。

AV制作会社情報商材の会社からは誘われることは多々あるのですが、家族と世間の目があるゆえに、そんなところに入るわけにもいかず、眠れない夜を送るわけだよね、9%ストロングをチビリと飲りながら……。

そこで、海外出張での就職を考えたわけだ。
ネット検索してみると、“英語力不問”の転職サイトも、ちゃんと存在している。
オレとしては、勃起力と英語力だけは不問で願いたいと考えていた。

その中には、“日本語教師”というものもあるし、“不動産コンサルタント”なんてのもあるし、“ラーメン職人(マニュアル通りに作るだけで大丈夫)”なんてのもある。中には、“エグゼクティブマネージャー”という何をするのかまったくわからないお仕事もある。とりあえず、何かをマネージメントするわけだよな、四十路男が!

お国も、フィリピン、ハノイ、クアラルンプール、マレーシア、シンガポールと選りどりみどり!
まぁクアラルンプールなんて、どんな国だかまったくわからないのだけれども……。

で、選んだのは、可愛がってもらっている映画プロデューサーさんが映画を作ったりしているインドネシア! そこでの“企画編集ディレクション”の仕事! これなら、なんとか自分でもできる仕事だ!

えっ? そのレートって何?

「よぉ~し!」と勇んでWeb応募してみますと、早速面接と相成った。おお、さすが海外! 対応のスピードがグローバルだよね!

会社は、大阪本町にあるバカでかいオフィスビルに入っていて、企業規模がそれだけでもわかる。

面接官は2名で、ひとりは取締役。なんでも、プロライターでいろんな活動をしているオレに興味を持ってくれていたそうだ。わかってくれる人はわかってくれる!

今までの仕事で何をやっていたのかをいろいろと聞かれ、自分のWebサイトを見せたり、動画を観せたり……。

「いやぁ、思っていたとおり、丸野さんは面白いことをやっている人ですね。非常に興味を持ちました」

おっ、好感触! いい男だね、わかってくれるとはありがたい!
取締役は、にこやかにその言葉で面接を締めくくり、最後にオレにこう投げかけてきた。

収入は〇〇〇〇ルピアでよろしいでしょうか?

ふあっ? 突然の謎レート‼ ルピアですか? なんですか、それは? えーと? んん?
あー、ググりたい! 今すぐググりたい!

「はぁ……ちょっと、待ってくださいね。う~ん」
「3200万ルピアは、日本円で25万円程度です。もちろん税込みになりますが……」

取締役が助け舟を出してくれたのはいいのだが、25万円で未知のインドネシアへ移住するというのは、意味が分からん……。
しかも家族を連れて行くなんてことはできない……。向こう行ったら、鏡餅も売ってないし、門松もないだろうし、ウォシュレットもないだろうし、親の墓参りにも行きにくいし……。オレのバカ! へたれ! 海外オンチ!

というわけで、いったん持ち帰りましたが、海外での就職は見事玉砕と相成った……。

就活がうまくいかないのは風水的が悪いのではないだろうか?

いろいろと就職するために工夫はしているし、何がいけないのか……。
そのような思いばかりが頭の中を駆け巡っている。この気持ち、40代の就活中のみなさんはわかると思う。

ビールを飲みながら、結論として出たのは、就職活動がうまくいかないのは、運が足りないのではないのかということだった。

そうだ、運だよ。お百度参りをするべきか、行水で悪運を払うべきか……。いや、そんなことではない。問題はこの家だ。この家が風水的に悪いわけだ。

妻が出かけているあいだに、オレは、Amazonで買ったDr.コパの本を読み、自宅の悪運を払い、幸運を呼び寄せることにした。まずは、玄関……。

玄関の方角に問題はない。でも、明るく、清潔に……と書かれている。とにかく掃除をする。さらには、観葉植物や花を置くといいので、ベランダにある名も知らぬ変な花を配置。

その上で、明るい雰囲気になるように、絵画を飾るのがいいらしいので、何が書かれているのかわからない子供の絵を飾ろう! もっと運気を上げたいのであれば、アロマなどの香りを漂わせるほうがいいのか……。

トイレに芳香剤があったから、キンモクセイのニオイがするサワデーを置いてみるか!

1時間後、妻が帰ってきたのだが、玄関で絶叫が聞こえた。

なんなんこれ! なんでこんなことになってるん?!

風水だよ……と伝えるヒマもなく、妻にこっぴどく怒られたオレは、静かにすべてものを片付けた……。

≫≫『超ブラック企業と出会ってしまう』へ続く

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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