イチローがヤンキースに移籍した。そして、ヤンキースで活躍した後いくつかの球団に属しレイズから戦力外宣告を受けたのは松井秀喜。アメリカで活躍する野球選手がこのタイミングにして明暗を分ける記事がメディアで取り上げられている。
ヤンキースに長年属した松井選手は、エンゼルス、アスレチックス、レイズと渡り歩いたが、ヤンキースで活躍したイメージが強いので注目度が高いのだと思う。ヤンキースブランドは本当に強い。
そこでふとヤンキースで通訳として働いている日本人を思い出し検索にかけてみると、ネットワークのLinked Inでその日本人通訳が今ヤンキースにいないことを知る。なんと電通本社に転職していたのである。
電通って凄い!これは誉め言葉でもあるし、そうでもない意味も含んでいる、微妙な誉め言葉なのである。
岩波書店の採用は縁故が多いそうで、その縁故入社の社員が素晴らしいと聞く。そういう縁故入社は歓迎である。電通の社員は銀のスプーンをくわえて生まれたような人たちが採用のポイントだと私は思っているのだが、それが岩波書店のようにうまく働く場合もあるだろうし、またどうしようもないケースもあるだろう。電通の場合は過去、優良企業の社長や官公庁のトップの息子達社員が大麻所持で逮捕されたこともあった。
日本人の元ヤンキースの通訳はLinked Inを見るとSports Marketerとある。お父さんが元スポーツ選手であるし、銀のスプーンの条件も備え、本人はかのヤンキースで日本人として働いた経験から電通は適職であると思う。
私は縁故入社を全面的に反対しているわけでないし、縁故であっても素晴らしい人材はいるものだと思う。また、有名人である特権をあえて使わない、逆に隠しておくその奥ゆかしさにも惹かれる。
桂ざこばは人間国宝の”米朝アンドロイド”もお目見えした桂米朝の弟子であり、上方落語の重鎮である。その桂ざこばの甥の歌手JAY’EDに関して、JAY’EDの知名度が上がるまでは「間柄を利用してると思う人もいる」と思われるのが嫌で、甥であることをあえて公表していなかった。実力もない有名人の身内が芸能界や、有名企業に押し付けられていると思うときもあるし、その図式は権力社会の汚さを見せつけられて、一般人は指をくわえて別世界を見ているように思えた。
世の中は公平ではない、世の中は平等ではない。だからこそ恵まれた環境に生まれた人たちが特別待遇を受けるときに、他の一般待遇の人たちの気持ちを理解しなくてはいけない。ここをきちんと肝に銘じないと、特別待遇の人種は後にややこしいことになる。
電通本社に透明人間になれるなら歩き回ってみたい。銀のスプーンをくわえて生まれてきた坊ちゃん、嬢ちゃんの成人して働く姿を見てみたい。きっと元ヤンキース通訳のスポーツ選手を父親に持つ青年はいい働きをしていると思う。
※【電通】採用/募集情報 より
http://www.dentsu.co.jp/recruit/index.html
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