駅員への暴力シーズン到来!酔客続々!JR駅員はホントにつらいよ!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です!

JR東日本がまとめたマナー違反に対する苦情や暴行事件の件数は、平成14年から増加し、駅員や乗務員に対する暴力行為は、平成29年度で、なんと656件。

加害者はかなり高い確率で飲酒後に暴力行為に及んでいたとのこと。同社は、師走からの忘年会・新年会シーズンに、私鉄、警察とタイアップして様々な車内暴力被害根絶のためのポスターを駅構内に貼りだすほどになった。

構内放送でも乗客のマナー向上を呼びかけ、駅員にはトラブルへの対応マニュアルや携帯防犯ブザーを配布までしている。しかし、このまとめは、関東圏でのお話。これが血の気の多い関西人が住む大阪ともなれば、さらに悪質になってくる。

今回お話をお聞きしたのは、源三郎さん(仮名、32歳)。鉄道職員に憧れ、鉄道会社に就職した彼は、関西の交通機関の中枢を担う駅の駅員として働いている。聞きしに勝る、駅での起こる暴力事件の数々を今回は語ってもらおう。

駅員の1日に休むヒマなし

告白者/源三郎(仮名) 32才 大阪市在住 JR駅員
※証言に基づき再構成しています

オレが勤めるJR某駅は、1日の乗客数5万人弱、西日本でも主要駅として多くの利用者を持つ。鉄道科がある専門学校を卒業し、オレがこの会社に入学したのは12年前。まぁぶっちゃけると給料はあまりいいとはいえない。

各鉄道会社によって異なるが、短大・専門卒で約17万円程度の給料しかない。今でも手取り30万ほどで可もなく不可もなくといったところだ。

駅務は、かなりハードだ。ほとんどが24時間体制で、出勤基準は午前9時から翌日午前9時まで。

シフトにもよるが、出勤と退社時間が1~3時間ずれることもままある。日勤もたまにあるが、なかなか回ってはこない。1ヶ月に4日も休めればいい方だ。

駅員の1日は、出勤して、前任者との金銭帳簿・忘れ物の引継ぎ、改札と自動券売機の管理、ホームの立硝などがある。大きな駅だと混乱しないように、立硝は1時間交替。休憩時間など、30分の食事休憩と終電から始発までの仮眠がもらえるだけ。

ややこしい客の対応

ほとんど、タバコを吸うヒマもないほど、清掃や雑務に追われているのだがそれだけではない。猫の手も借りたいような状況の中、そこにきて、ややこしい乗客の相手をしなきゃならない。

キップを無くした、忘れ物をした、気分が悪い、電車の遅れに対するクレーム、乗り継ぎがよくわからない、ケガをした、金貸してくれetc……。

さらには、人身事故の処理や停電トラブル、スリや痴漢、置き引き、キセル乗車など構内の鉄道警察と連携した対応まで待っている。中には、いわれのない言いがかりやイチャモンをつけてくる人種もいる。

「おい! キップ高すぎるやないか!! 責任者呼べ!!」
「路線図が分りにくい!! そのせいで乗り過ごした!!」
「終電時間が早い!! ダイヤを改正しろ!!」

などなど……。なんとかなだめるくらいしかオレたちにはできないのだが、職員にも収拾のつかない事態になると、主任か助役に助けを求めることになる。

夜の10時からは“魔の時間帯”

毎日、駅員が気を張り詰める時間帯がやってくる。
その時間帯は、午後10時から終電まで。暴力事件の多くは、午後10時以降に多く発生しているのだ。

オレも入社以来、1ヶ月に1度は必ず殴られている。駅務や乗務の仲間は、“暴力事件の4番バッター”などと揶揄しているほどだ。

加害者は50代がトップで、それから20代と続き、30代、40代、60代となっている。その80%が酒を飲んでいるわけだ。

ホームを巡回するときも、50代の泥酔客に声をかけるときは注意するほど。オレが声掛けをすれば、なぜかひと悶着起こってしまう。

「もしもし、お客さん。こんなところで寝ると風邪引きますよ」
「うるさぁぁい!!」
「あのう、寒くて死んでしまいますしぃ……」
「オマエのその顔はなんやぁぁ、こらぁ☆○#@∑■×!!」

よくわからない暴言を吐きながら、スグに拳の洗礼だ。

【ゴン!】

痛たたぁ~!!

泥酔客は、力づくで保護し、鉄道警察へ届ける。そのまま放置してホームで凍死でもされたらたまらないからだ。こんなことが、1日の疲れが最も溜まった終電前に頻発する。

小遣い代わりの示談金

その他、酔っ払って生意気な後輩と間違えられて殴られたり、顔つきが気に入らないとイチャモンをつけられて殴られたり、家族へのお土産を電車の中に置き忘れたと殴られたり……もうホームで立哨しているだけで、ターゲットにされてしまう。

「てめえコノ! 関西人ってのはホントに気にいらねぇんだよ!!
「ど、どないしたんですか! 藪から棒に!!」

その客も50代男性。名のある企業のお偉いさんで、東京からの出張らしい。

「オレは空手初段なんだぞ!! 今、江戸っ子の心意気見せてやる!!
「か、勘弁してくださいよ!!」
「うるさい、待てぇぇ~!!」

隣にいた同僚が声を掛けたにも関わらず、体躯のいいその乗客にホーム中追いかけ回され、なぜかオレはボコボコに……。背中や腹、顔に続けざまの正拳突きが手加減なしに浴びせられる。

さすがに警察官に取り押さえられたお客だが、全治2週間のケガを負わされたオレはたまったもんじゃない。しかし、後日にシラフに戻った客と和解金40万円で示談。被害届も取り下げた。

安月給のオレにはうれしいような哀しいような臨時収入がこうやってよく入ってくる。“役得”と言えるのかどうか?

子供の頃から憧れた、鉄道員(ぽっぽや)の仕事は苦労の連続だが、オレは好きでこの仕事に就いている。今日もオレは人の姿がなくなるまでホームに立つ。

※写真はイメージです
(c)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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