ラウド・ロック・バンド「BULL ZEICHEN 88」に学ぶ “背伸びしない”で長く続けるバンド活動!

  by リットーミュージックと立東舎の中の人  Tags :  

▲BULL ZEICHEN 88。左からIKUO栄二郎sebastian淳士

BULL ZEICHEN 88(ブルゼッケンハチハチ)は、淳士(d)とIKUO(b)が中心となって2006年に結成されたラウド・ロック・バンドだ。シングルCDを年に1〜2枚というペースで制作し続け、大小含めて全国のライブハウスを廻るなど、地道な活動を行なってきた。バンド結成12年にして2018年3月に『アルバム2』(徳間ジャパン)でメジャー・デビューしたあとも、全国ツアーを行ない、コンスタントな活動を続けている。

そんな彼らが、シングルのカップリング曲を集めたレア音源集+ブックレット『マチュピチュ2』を、12月19日にリットーミュージックからリリースする。ここではブックレットに収められた4人のインタビューから、メンバー変更もなく、12年に渡って活動を続けてきた秘訣を探る。

キャリアや年齢ではなく
「プレイで一目置かれる」という雰囲気を明確に作る

ーーーBULL ZEICHEN 88は、元SIAM SADEのドラマー淳士、T.M.Revolutionなどで活躍しているベーシストのIKUOという、いずれも楽器専門誌の表紙を飾っているスター・プレイヤーを中心に、インディーズシーンで活動していた栄二郎(vo)とsebastian(g)というふたりのミュージシャンを加えて結成された。それぞれのキャリアには違いがあるが、お互いに意見の言い合える雰囲気作りに工夫したようだ。

淳士 バンド結成のきっかけはね、僕なんですよ。2004年からT.M.Revolutionのサポート・ドラムをさせてもらっていて、2005年からIKUO君が新しいサポート・ベーシストとして加わったんですけど“すごい人が現われたな”と思っていたんですよね。で、こういうスーパーマンと一緒にバンドを組めたら、ドラマーとして、そしてミュージシャンとして、どれだけ自分の未来に明るい希望を持てるんだろうか、と。移動の新幹線の席が隣同士だったんですけど、意を決して“IKUOさん、僕とバンドやりませんか? 僕とバンドやると楽しいこといっぱいですよ!”って(笑)。そしたら、IKUO君もまさかのふたつ返事でOKしてくれて。

IKUO まさかですよね。“えっ!本当に!?”って。何と言っても“レジェンド” SIAM SHADEの淳士ですから。これまでずっと淳士君のことをメディアで見てきたし、バンド・シーンのなかで最高峰のテクニックを持っていて。何より、SIAM SHADE自体が大好きだったし、淳士君っていう存在は別格だったんですよ。

ーーーボーカリストとギタリストの選定は、顔が広く、インディーズシーンに詳しかったIKUOを中心に行なったという。

IKUO 当時、僕のなかではラウドやスクリーモをやりたいっていう考えがあって、メロディも絶叫もできるすごいヤツがいて、しかもバンドが解散したところで。それが栄二郎でした。

栄二郎 4〜5年は連絡を取ってなかったんですけど、いきなりIKUOさんから携帯に着信があって。地元の長崎にいた頃、SIAM SHADEのカバーバンドをやっていたし、僕にとってSIAM SHADEは神だったので、そのふたりに誘われたんだからもう、ふたつ返事ですよね。

淳士 ギタリストを探すにあたり、sebastianの名前が上がったんです。すごくカッコよくてイカついヤツがいる、と。

IKUO sebastianがやっていたBOOZEを観たことがあって、ミクスチャー・バンドのなかで、ひとりだけ様子がおかしかったんですよね。細身でタンクトップで、髪が赤くてドレッドっていうヴィジュアルが強烈に印象に残ってたんです。

sebastian IKUOさんとは実際に会ったことがなかったので、連絡があったときは“どういうことだろう?”っていう。何かのユニットなのかなっていう感覚だったんです。そしたら、“バンドなんだよ、明日からメンバーだから曲書いてきて”って、そんな感じでした。それが2006年の7月あたりだったかな。

淳士 渋谷の居酒屋で初めて顔を合わせたんですけど、年齢やキャリアはバラバラじゃないですか。栄二郎にしてもsebastianにしても、ある意味、ナメられちゃいけないって気持ちで来るだろうし、そういうのを取り払ったところで話ができればいいなって思っていましたね。僕はね、“良くも悪くもSIAM SHADE”なんですよ。自分から“俺、SIAM SHADEなんだけど”なんて一回も言ったことはないけど、周りがどうしてもそういう目で見てしまったり、見てくれたりもする……良いことも悪いこともいっぱいあって。そのなかで、僕らがやっていた頃のシーンって、まだガチガチの体育会系ではあったので、僕はプレイで一目置かれるように頑張ることで、世代の垣根を超えようって常に思っていたんです。だからこそ、このバンドではバンド・メンバーである以上、年齢もキャリアも関係ないよって言いたかったですね。

着実に埋められる会場を選び、
“フロアが埋まっている”感覚をオーディエンスと共有する

ーーー有名ミュージシャンが組んだ話題性のあるバンドだったこともあり、2006年11月19日の初ライヴではすでに多くの観客を集めたが、その後の活動では会場のキャパシティを着実に選んでいたようだ。ここにもバンドの戦略があった。

淳士 背伸びをして無理な攻めをすると、コケたときに大怪我するし、コンスタントに地に足をつけて活動を続けていることが大事なんです。結果、少しずつですけど、ライヴが良いっていう評判でここまで伸びてこれたっていう確信はあるんです。あと、例えば大きい会場で勝負して、半分ぐらいしかフロアが埋まっていないライヴを続けていると、僕らのメンタルがどうこうっていうよりも、お客さんが“フロアの空間”を感じてしまうと思うんですよね。それよりも、ギチギチのフロアでこそ、我を忘れてハジけられるっていう面もあるじゃないですか。

ーーー大きなピークを避けてきた彼らだったが、結成10周年を記念して2016年12月26日にZepp DiverCity TOKYOで行なった、入場料88円のライヴを成功させたことで、次の目標を見失ってしまったという。

淳士 案の定、心にぽっかり穴が空いちゃったんですよね。これが僕の最も恐れていたことだったんですよ。僕の経験上、大きなステージを終えたあとって穴が開くんです。しかも、いろんなネタを盛り込んで、ファンのみんなと協力して成し得た公演だったので、明日から日常に戻りますっていうときに、昨日までの高まりはなんだったんだろうっていう。そういう空気を超えて、通常運営に戻るためにはどういう感覚でやればいいんだろうっていうことをみんなで話して。

栄二郎 みんな同じ思いでしたよ。ここに向けてプロモーションを仕掛けたり、周りの人たちを巻き込んで上り詰めて。ここがひとつの頂上ではあったので、じゃあ、次の山はどうする?っていう。その次の山を選ぶ気力もなくなっていたと思います。

淳士 やっぱりこうなるか……と。僕としては、それを避け続けた10年だったんですけど。

ーーーバンドはどうやって再び次の目標をみつけ、メジャー・デビューに向かって動き出したのだろうか……? 続きはブックレットに掲載されたロング・インタビューにて!


初版のみの完全限定生産!!!『マチュピチュ2』

B5判 / 40ページ / 全17曲CD+豪華ハードカバーブックレット
定価:本体3,500円+税
発売:リットーミュージック
ISBN9784845633104

◆ブックレット内容(予定)
◎ソロページ[淳士/IKUO/sebastian/栄二郎]
◎フォトページ
◎インタビューで振り返るブルハチヒストリー
◎ディスコグラフィー
◎『マチュピチュ2』楽曲解説
◎淳士直筆ドラム譜面

◆CD収録曲
1. SKIN
2. No.1
3. S.o.S (sink or swim)
4. 虹
5. Re+Load
6. GARDEN
7. Bash!!
8. Gravity
9. Limited
10. Vengeance
11. NOW
12. Remember
13. Who am I
14. I.B.Z
15. Takin’ Back
16. AGAKI
17. Remember (AC ver.)

リットーミュージックと立東舎の中の人

( ̄▼ ̄)ニヤッ インプレスグループの一員の出版社「リットーミュージック」と「立東舎」の中の人が、自社の書籍の愛を叫びます。

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