監獄メシで食中毒が多発!その理由は、〇〇〇の〇〇調理にあった!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行でっす!

最近ニュースを騒がせているのが、刑務所内での食中毒の話題。意外にこれが多い!
多発している食中毒のニュース、なぜこんなことが頻発するのかを今回は解説していきたいと思う。

監獄メシは誰が作っているのか?

今年に入って、何度も刑務所内での食中毒は起こっている。
以下のニュースをご覧いただきたい。

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≪京都刑務所 受刑者621人が給食で集団食中毒≫
■下痢や腹痛症状 京都市が3日間の給食施設の使用停止命令
京都市は4日、京都刑務所(同市山科区)で食事した受刑者ら1132人のうち、受刑者621人が下痢や腹痛の症状を訴えたと発表した。いずれも症状は軽く、すでに回復している。原因菌は特定できていないが、市は発症状況などから集団食中毒と断定。同刑務所に同日から3日間の給食施設の使用停止を命じた。

市によると、発症した受刑者は26~76歳の男性。刑務所内の給食施設で受刑者24人が調理したものを食べていた。6月28日午前に発症した患者が多く、同日から給食施設使用を自粛していたという。【飼手勇介】
※毎日新聞2018年7月4日掲載より引用

≪宮城刑務所 集団食中毒 249人が下痢や腹痛≫
■仙台拘置支所18人と東北少年院3人も
仙台市は28日、宮城刑務所(同市若林区)で調理した食事を食べた受刑者ら249人が集団食中毒を発症したと発表した。下痢や腹痛を訴えたが、症状は全員軽いといい、市は刑務所調理部門を28日から3日間の業務停止処分にした。同刑務所では、昨年10月にも217人が集団食中毒を発症している。

発症者は刑務所の228人のほか、近くにある仙台拘置支所18人と東北少年院3人。食事は刑務所の受刑者約25人で調理している。

市によると、26日午後5時ごろ、刑務所から「多数の入所者が腹痛や下痢を訴えている」と連絡があった。全員が刑務所で調理した料理を食べており、集団食中毒と判断した。【早川夏穂】
※毎日新聞2018年6月28日掲載より引用

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このように梅雨の季節には頻繁に食中毒は起こっているのだ。

あなたは、受刑者が毎日食べている“ムショメシ”を誰が作っているかご存じだろうか?
そう、調理担当の受刑者たち自身なのだ!

日々、木工や印刷、民芸品、パソコン、資格取得などで刑務作業をしている受刑者と同様に、日々の料理を作っている調理受刑者も、刑務作業にいそしんでいるということになる。

炊場で行われるムショメシ調理

受刑者たちが心待ちにしている刑務所の食事は、“炊場”(すいじょう)と呼ばれる調理施設工場内で、調理担当の受刑者たちが作る。彼らは、“炊夫”(すいふ)と呼ばれ、刑務所の食事のことは、“官炊”(かんすい)と言う。

この調理工場内では、刑務官たちがテーブルに座り、喫食し、炊夫が料理におかしなことをしないように常に目を光らせている。つまりは監視されているわけだ。

調理された官炊は、配食係によって、各房に配られる。それは雑居房であったり、独居房であったり様々。

朝食は非常に質素な構成である。ご飯の場合は漬物や缶詰、具が少ないみそ汁がついてくる。パン食に関してはジャムやマーガリンがつく程度だ。

受刑者が刑務作業を行う工場で摂る昼食も非常に質素。しかし昼は腹が減るため、麦飯の量に関しては多少だが増量になる。

それに対し、夕食はおかずが3品以上付くので、非常に豪華だと言えよう。とんかつやうどん、ハンバーグ、牛肉コロッケまで出る。

受刑者が素人調理をするから問題が起きる

いくら技官の栄養士の指示を受けながら、調理、配食するといっても、炊夫の彼らは素人がほとんど。調理師が居る事はまれである。そんな彼らが数百人にも及ぶ受刑者たちの食事を手がけるのだ。

ヒスタミン、ノロウイルス、サルモネラ・エンテリティディス、黄色ブドウ球菌、病原大腸菌O8、小型球形ウイルス(SRSV)、カンピロバクターなど、菌やウィルスに対する予備知識は薄く、しかも刑務所内での入浴は、冬場で週2日、夏場で週3日しかないなど、若干不潔な環境だ。

もちろん、刺身などの生ものなどは出てはいないが、数十年前までは、冬場に限って生ものを出す刑務所もあったという。

特に、今問題になっているのは、作り置きすればおいしくなると思われている料理の数々。カレーやシチュー、スープ、麺つゆなど、食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温で冷却されていた事例が多く見られる。“加熱が済んだ食品は安心”という甘い考えが、ウェルシュ菌による食中毒の発生を促すのだ。

さらに刑務所では、手湿疹水虫風邪などにかかったとしても、監房内を巡回する医師が行うのは薬の処方どころか、問診だけだという。

手袋をしているとはいえ、包丁などを使っていれば手を傷つけてしまうこともあるだろう。そこから、菌が繁殖してしまうこともあるようだ。

それよりなによりも、刑務所のトイレというのは数が決まっているし、使用するときの手順がいる。脱糞などをしてしまえば、そこからまた次の伝染病も起こりかねない。

素人が調理する危険性などを考慮して、民間の給食業者に委託する刑務所も出てきているようだ。
今後はこのような集団食中毒が起こらないことを祈る。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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