発狂する主婦!逃走する女子高生!万引きGメンが出会った懲りない面々

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です!

世の中には、私たちが知りえない職業の方がいます。今回ご紹介するのが、【万引きGメン】です。
カンヌ映画祭で最高賞であるパルムドールを受賞した『万引き家族』という映画がありますが、【万引きGメン】はそれを取り締まる側です。

もちろん、お店側も万引きばかりされていれば、経営は成り立ちませんし、死活問題になります。

でも、これってよくテレビなんかに登場しますよね?
しかし、そこは私丸野ですから、聞いてはいけないお話までを取材し尽くしておりますよ!

女性万引きGメンの1日とは

警察庁の発表によると、全国の警察が2017年に認知した刑法犯件数は、91万5111件で3年連続で戦後の最少記録を更新した(前年比8.1%減)。2002年がピークで、3分の1に減少したというのだが、これは認知件数であって、窃盗現場では逆に万引きなどは増え続けているというのは、樹芳江さん(仮名/46歳)である。

「警察は、官民を挙げた抑止対策の効果が出たし、一般家庭の防犯意識が高まっているので減少したと言っていますが、私たちが従事している量販店やスーパー、ブックストアなどではお金があるのに万引きする犯人や、貧困から生じる万引きなどはまったく減っていませんよ。毎日毎日、強烈な万引き犯と対峙しています」と彼女は語る。

彼女が警備会社『KGF保安株式会社(仮名)』に入社したのは、12年前。

「実際には、やっぱり万引き犯と対峙するとなると男性の方がいいのではないか、というイメージがあるのかもしれませんが、実は中年女性の方が向いています。警戒心がないですし、万引き犯は女性の方が絶対的に多いので、女性ならではの人間観察や女性心理を理解するのにいいんです」

まずは、どのように万引きGメンとしての1日は過ぎていくのであろうか。

「ディスカウントスーパーや一般的なスーパーマーケットに派遣。それから、交代制で店内巡回業務にあたるのが基本の流れになります。ひと現場で3〜4日通って、店内の雰囲気を覚えます。例えば、人がごった返している場所、人が少ない場所、接客はどのように行っているか、常連のお客様などを何も言わずに観察しますね。どこの死角で万引きが行われるのか、どの棚の商品がなくなりやすいのか、1日が終わると現場の従業員と情報交換です。だいたい、2〜3日で万引きの傾向が見えはじめます」

万引きGメンという仕事は、まず“開店狙い”と呼ばれる万引き犯に目星を付けることからはじまるというのだ。
朝一で万引きなどするわけがないというのは、大きな勘違いだと彼女はいう。

一時期増えたプロ万引き集団は減少

「昔は下見組で、万引き品をネットなどで転売する中国人集団とかが多かったんですけど、今では国が豊かになって少なくなってますね。それでも複数で万引きを行う集団はまだまだいます。本屋でも多いですね。これは万引きの現場を押さえるのが難しくて正直参ります」

彼女曰く、逆に今増えているのが、やはり個人的に万引きするごく普通の人々だそうだ。手口としては基本的なものでは、ショッピングカゴを使わないで、商品を手に持ったまんま。

「高く特売品が積み上げられた人気のない通路に差しかかったときに自分のカバンの中にしまう。大体これが多いんですけど、ずっと張りついている人なんていませんから」

そのために彼女たちの存在が必要になってくる。長年培った経験と勘で、怪しい人間に目をつけ、それを“マーク”して、万引きすると確信した人間に“着手”し、目視で窃盗の現場を“現認”するわけだ。

商品片手にウロウロとうろついていたり、ショッピングカゴに死角を作って商品をくすねようとしたりするところは、すべてお見通しだという。犯人はチョロいものと思い込んでいるだけ。昼過ぎには従業員と共に監視する万引きGメンも休憩をとっていると踏んでいるようだが、監視する側に昼時の休憩はないという。

逆ギレはまだいい、厄介なのは同情組

商品を持ったままディスカウント店やスーパー、本屋を出たところで、彼女自ら声をかけ、事務所へと連れて行く。しかし、ここでもうひとつのハードルが待ち構えるのだ。それは、警察と違い、法的執行力はない中で、どれだけ万引き犯に、「これは立派な犯罪なんですよ」と説き、自分が行った犯行を認めさせるかが万引きGメンとしてのもう一つの仕事になるわけだ。

「いきなり叫びだして逆ギレする主婦の方もいますし、認知症のフリをする老人だっていますよ。でも、常習者の常套手段はやっぱり泣き落とし。系列店ですでに8回も捕まっているのに、“初めてなんです、出来心なんです”とうそぶいている中年女性だっていますよ。これがかなりタチが悪い。夫も知っていて、呼び出したときにふたりで土下座なんてのもよくあります。これはまさしく常習者ですね。サインするのを渋ったり、まったく罪の意識がありません。それよりヒドイのは……

彼女が語ったとんでもない万引き犯がコレだ

ケース1:発狂してそのまま病院に連れていかれた主婦

お寿司のネタセットを万引きした奥さんは、どう考えてもちょっとおかしな雰囲気でしたので、事務所で保護していると、いきなり白目を剥き、泡を吹いて発狂。いきなり苦しみだしたので、私たち全員がパニックに……。どうも精神科の病院に入院されていたようで、旦那さんが深々と頭を下げて、病院に帰って行かれました。

ケース2:全力疾走して逃げようとするアスリートの女子高生

口紅を全種類根こそぎスポーツバックに入れている制服姿の女子高生を発見したのですが、彼女は「もうどうなってもいい」という感じでお店の外へと出ていきました。只ならぬものを感じ、私たち、万引きGメン全員で追いかけたのですが、足が速くて、速くて、誰も追いつけなかったんです。みんな息が上がってひっくり返ってしまって。後日、親御さんに連れられて謝罪に来られました。体育大付属の学校に通っていた生徒さんで、どうも厳しいコーチからの練習ストレスが溜まっていたようです。大事にはしなかったのですが、彼女は親御さんと相談して、もうスポーツは辞めたみたいですね。今も普通にお店にお買い物に来店されますよ、明るい顔になって。

ケース3:警察に通報されたことに逆恨みし、自宅に乗り込んできたおじいさん

何度か常習のおじいさんだったんですが、もう最後の手段で警察に連絡しました。それからしつこく私の自宅を突き止めようとするようになり、ついに自宅までやってきました。恐ろしかったですね、杖でドアをバンバンと叩いて、警察に来てもらったので大事には至らなかったですが、引っ越しはしました。

万引き被害は実は〇〇〇が多い

彼女が最後に話してくれたのは、どのテレビでも話題にされない真実でした。

実は、従業員が店の品物を万引きするケースが非常に多いんです。なんだか変にポケット膨らんでいたり、不自然にカバンがパンパンになっていたり……。哀しいですが、従業員さんを監視することに一役買っているのも私たちの存在なんですね」

あなたには、この万引きGメンの存在、どのように映っただろうか?

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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