空を見ろ! 飛行機だ! スーパーマンだ! ドローンだ! いえ、普通に鳥でした、スミマセン。葦原の上で、美しくも不気味にも見える渦巻きを形成するムクドリの群れをとらえた動画です。日本の都市部でも、駅前広場などにある大きな木を寝床にするムクドリの群れを見ることができますが、ここまで巨大な群れは自然の葦原ならではです。
【動画】:Starling Murmuration at RSPB Minsmere – 17 Feb 2018(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=fd6ioB26a-s
夕方、寝床にしている葦原の上空に帰ってきたムクドリたちは、小集団が集合し続けることで4万羽とも推計される巨大な群れとなります。その姿はまるで黒い布切れがはためき、ねじれ、渦を巻いて漂っているかのよう。1つの巨大な生き物のようにも見えます。ひとしきり“ダンス”を披露すると、最後には全体が一斉に葦原へと降り立ち、4万羽の姿があっという間に見えなくなりました。
驚くべきことに、彼らにはリーダーのように全体を統率する単一個体がいるわけではありません。彼らは群れ全体で“伝言ゲーム”をしているかのごとく近くにいる仲間と同じように振る舞う(ある研究によると最も身近な7羽とリンクする)ことで、これだけ密集しているのにも関わらず互いに衝突することなく飛び続けることができます。
このような鳥や魚の群れの研究から得られたアルゴリズムは、映画やゲームに登場する人や動物の群れをCGで再現したり、建物の中で火災が発生した時に、パニックに陥った群衆がどのように振る舞うかの行動予測再現など、様々な分野に応用されています。
画像とソース引用:『YouTube』より