沖縄奄美方面で特に親しまれている、弦が3本の楽器「三線(さんしん)」。THE BOOMやBEGINといったアーティストがよく演奏するので、その深い音色には馴染みのある人も多いでしょう。でも、三線業界で飛び交うワードには馴染みのないものも結構あるんです。
まるで謎解き!三線特有の呼び名が面白い
この会話、弦楽器の経験者の中には、もしかするとピンとくる人もいるかもしれません。これを(無理やり)ギターに置き換えてみると……。
どうです? 三線特有の呼び名も頭にすんなり入ってきて、なんだか弾けそうな気になってきませんか?
三線のココが気になる!
■ 三線は「フレットレス」楽器
ギターには音を半音ごとに区切るフレットが付いていますが、三線は「フレットレス」なんです。目的の音程が出るところをピンポイントで押さえられるようになるまで、練習が必要ですね。
■ ピックじゃくなて「バチ」
三線の弦をはじくための道具「バチ」は、ギターでいうところの「ピック」でしょうか。大きめの穴があいていて、そこに人差指をはめて弦をはじきます。
■ 「ウマ」を立てなきゃ始まんない
三線にとって必要不可欠な部品「ウマ」は、3カ所のくぼみの部分で3本の弦を支える、まさに縁の下の力持ち。このパーツを立てることによって弦が振動し、それがボディ(胴)に伝わって豊かな響きとなります。
■ ペグじゃなくて「カラクイ」
この棒状のものがギターでいうところの「ペグ」にあたるもので、1弦用、2弦用、3弦用と3本あります。これらをさしこんで、回しながらチューニング(音の高さを変化させ合わせること)していきます。
三線の楽譜「工工四」の読み方わかる?
正解:「工工四(クンクンシィ)」
初めて見る方もいらっしゃるでしょう。これ、三線の楽譜なんです。縦書き、漢字ですね。オーソドックスなチューニングの場合、「合」がド、「乙」がレ、「老」がミを表しています。
■ 工工四は基本「4分音符」
「工工四」は、1マスが4分音符を表しています。8分音符はマスとマスの間に表記します。超シンプルですね! でもスラスラと読めるようになるのはちょっと時間がかかりそうです。
大丈夫!付録の三線に貼る「音階シール」が使える!
これは「三線音階シール」といって、DVD付きBOOK『できる ゼロからはじめる 三線超入門』に付録するシール。本の付録といえど、三線のネックの側面に貼って使用すれば、初心者でも「工工四」に悩むことなく弦を押さえる場所がすぐわかるという優れものです。
そして、この本に掲載されているのは「シール対応のタブ譜面」なので、ドレミファソラシドや三線特有の漢字の音名を覚えなくても、「数字合わせ感覚」でラクラク弾けるようになってしまうんです!
あの「てぃんさぐぬ花」だって弾き語りできちゃう
動画に出ているのは『できる ゼロからはじめる 三線超入門』の著者である松本克樹さんです。ギタリストとして活動中に、三線の師匠に出会い、その魅力の虜に。今では三線教室でいろいろなレベルの老若男女にレッスンをしています。
楽器を何かはじめてみたい人、沖縄が大好きでたまらない人、松本さんのようにギターは弾けるけどもう1つ楽器を弾いてみたい人には、三線はとってもオススメ。森山良子さん、夏川りみさんの「涙そうそう」、浦島太郎役の桐谷健太さんがCMで披露した「海の声」だって、決して夢ではありませんよ!
DVD付きBOOK『できる ゼロからはじめる 三線超入門』(リットーミュージック)
著者:松本克樹
定価:(本体1,700円+税)PROFILE
松本克樹(まつもと・かつき)
弦楽奏者。ギタリストとして活動中に、とあるライブで師匠に出会ったことで三線の演奏者としてのスタートを切る。いわゆるウチナー・ポップを中心としたレパートリーを得意とし、海外のインストゥルメンタルを三線でカバーするといった演奏にも取り組む。ライブやレコーディング活動のほか、ギターから得た技術や知識を応用して三線のレッスンも行っている。さらにそのレッスンの解説動画を配信するなど、奏者としてのみならず、三線をより多くの方に楽しんで頂けるよう精力的に活動中。趣味は映画鑑賞や散策。夢はネットワークを通じて世界中の人と三線でコラボレーションすること。