圧倒的“食卓映え”!発売前に飲んだ新・琥珀エビス2017が予想より苦ウマだった

  by 矢野 竜広  Tags :  

秋の到来とともにリリースされる季節限定ビールのなかで、『琥珀ヱビス』の贅沢さは群を抜いたものがあります。樽では通年販売しているものの、缶では今年も限定販売(9/12~)。なんと今年で12年目を迎えるのだそう(意外と長いんですね)。「さらに進化した!」と聞いたら極度のビール好きライター、矢野(@beeressayist)は飲まないわけにはいきません。
 
というわけで、発売前に入手して飲ませていただきました!
 

鮮烈レッドの背景に炎が揺らぐ理由とは。

今年のパッケージはご覧の通り。毎度赤い!もし僕がX JAPANのToshIだったら、「紅だ~!」と叫んでいたことだろう。

写真ではあまりわからないかもしれないけど、パッケージの背景にうっすらと炎が描かれている。これは一体何か?というと、クリスタル麦芽を焙煎する炎ということらしい。では、クリスタル麦芽とは何か?というと、カラメル麦芽の一種で琥珀色とコクをもたらすもの。
 
ざっくり言うとビールの色は使用する麦芽の色で決まるのだけど、この『琥珀ヱビス』はこの写真のように少し茶色がかった麦芽を使用している(ベースとなる麦芽はもっと色が薄い)。

さらに、公式サイトをチェックすると「麦芽のうまみを高める仕込方法を採用し、クリスタル麦芽の魅了を一層引き出すことで、さらに深いコクとまろやかな味わいを実現しました」とのこと。これは期待が高まる(揚げ足取りで恐縮ですがサッポロさん、魅了は魅力の誤字では!)。
 

アンバーな色と泡のベルベット感が魅了。

早速テイスティング用のグラスに注いでみるとこんな感じ。

赤みがかったいい色。ラベルも液色も赤なので実に秋っぽい。これが琥珀色ということなのだろうけど、正直なところ琥珀色ってピンと来ない。女性ならパッとわかるのだろうか。簡単に例えるならアイスティーの色である。
 
泡立ちはよく、泡持ちもかなりいい。何より泡のきめが細かい。このアンバーな色と泡のベルベット感が贅沢ビールらしさを醸成している(贅沢風ワードを駆使)。香りはモルト香がしっかり感じられる。
 
魅惑の色彩に誘われると同時にモルト香に鼻腔をくすぐられながら…実飲!

ヱビスならではのしっかりした苦みに感心。

まず何より口当たりがよい!唇への接触がソフトである。そして、思ったよりも喉ごしがすっきりしている。味わいはホップの苦みとモルトの甘みの調和が取れていて、バランスの良さを感じる。アルコール度数は5.5%ながら、ミディアムボディのような飲み応えがある。
 
一口、二口、三口と飲み進めていくうちに感じたのは、あれ?麦芽のうまみが高まると聞いたのでモルトの甘みが強いのかと思いきや、かなり苦みが勝ってくるなあということ。また、面白いのがこの苦みがノーマルヱビスの苦みと同じところ。きちんと「ヱビスの苦み」なのである。

最近、本家のスピンオフを銘打ちながら本家と全く別物のビールが数多くリリースされているなか、このヱビスらしさを大事にして踏襲するところはとても好感が持てる。妙なところで感心してしまった。

松茸&フォアグラパーティーのお供にぜひ。

今回はビールだけでいただいたけど、この商品は確実に料理と合わせるのが正解だと思う(ビールだけで飲んでいるとやや飽きがきて何か食べたくなるタイプ)。
そういうときに参考になるのが公式サイト。そこには「どんな料理と合わせると良いのか」「どんなグラスに入れて飲むと良いのか」のメーカーなりの答えが出ている。

『琥珀ヱビス』の公式サイトを見ると、何やら肉入りの豆腐サラダの写真が。なるほど確かにこんな料理とは合いそう。僕が直感したのは、「これ、カニと合うのではないかに、間違えた、かな?」というもの。兵庫県の城崎ビールが『カニビール』というカニに合うビールを造っているのだけど、それに近いニュアンスを感じた。甘みと苦みの両面があるので、料理と合わせやすいに違いない。

あと、缶を含めてその色合いでインスタ映えならぬ食卓映えするので、気心知れた友達数人で食卓を囲んでパーティーをするときなんかにおすすめ。友達がカニパーティーやピザパーティー、松茸&フォアグラパーティーを開催するときなんかに数本持参したらきっと喜ばれるだろう。
さて、僕は松茸&フォアグラパーティーが開けるように仕事を頑張ろうかに、間違えた、かな。

琥珀エビス
http://www.sapporobeer.jp/yebisu/kohaku/

矢野 竜広

会社員コピーライター→放送作家を経て2013年、東京出身ながら妻の故郷である鳥取に移住してフリーランスに。好きが高じて自宅にビールサーバー&ビアバー設置、ビアエッセイストを名乗り、講師活動も行う。一人旅とノンフィクションの本と燻製を偏愛する2男児の父。空想ノンフィクションの書き手。

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