相変わらず我が道をゆくオタポップグループ・天誅。
彼らの新曲が先日発表されました。タイトルは「8ビット少年」
少年時代に大人気だったファミコンのBGMのようなピコピコ音とノスタルジックな歌詞。ファミコン世代にはたまらない曲に仕上がっています。
なんといっても驚くのはよゐこの有野晋哉さんが曲に参加していること! なぜこんな不思議な組み合わせができたかというと……。
ボーカルの魔王源は小説投稿サイト『エブリスタ』にて小説投稿をしている小説家の一面も持っていました。
そして2017年1月に『エブリスタ』で特別審査員に有野晋哉氏として参加した『レトロゲーム小説大賞』が開催され、魔王源が見事大賞を受賞したのです!
『レトロゲーム小説大賞』とは『エブリスタ』が開催したイベントで、バンダイナムコゲームスが過去に発売したゲームソフトから「パックマン」「ギャラクシアン」「マッピー」「源平討魔伝」といった懐かしのゲーム、いわゆるレトロゲームを題材に短編小説を募集するという企画。ゲームを元にしたユニークな短編小説が多く投稿されました。
(ちなみに筆者は源平討魔伝を元に挑戦したが落選しました……)
同賞には、受賞作を「なぞとも cafe」にて謎ときゲーム化する「なぞとも賞」と、有野さんが選ぶ「有野賞」があり、「有野賞」受賞者には「有野賞」(よゐこ 有野晋哉さんにお願い事を一つ叶えてもらえる)という特典が。ここで魔王源は「天誅の新曲に有野さんも参加してほしい」というお願い事をした結果誕生したのが「8ビット少年」だったというわけです。
魔王源の文才と、有野さんが彼と同じくファミコン好きという点がこの面白い曲誕生のきっかけとなったのです。奇跡といっても過言ではないでしょう!
『レトロゲーム小説大賞』受賞作「塊オンザ文」はこちらから読めます。
http://estar.jp/_novel_view?w=24516956[リンク]
レトロゲーム小説大賞、受賞者でありオタポップユニット「天誅」ボーカルの魔王源氏にこれまでのいきさつを伺ってみました。
題材のゲームに「塊魂」を選んだ理由
魔王源(以下、源)この小説を書いた当時、息子が「かたまりだましい! かたまりだましい!」と連呼していました。どうもYoutubeで塊魂の動画を観たようです。
その言葉を聞いて、そうだ塊魂の小説を書こうと思ったのがきっかけですね。
――ファミコン世代の1人としての想い
源 正直なところ僕はゲームがあまり得意でなくて同世代の中ではゲー弱といっていい人間なんです。なので、ドルアーガや源平討魔伝で書いたら、勝負にならないなという計算はありました。僕たちの世代はゲームに関して、特別な感情を抱いています。生半可なものでは納得してくれない。
だから、あえて自分たちの世代に向けた小説にはしないようにしよう。ゲームにそれほど詳しくない人達にも分かる小説にしよう、とは考えてましたね。うっすら。
今回の賞に応募した理由
源 賞に関しては「厳しいところからは逃げちゃえ」という方針で選んでますね(笑)。
今、本当に自由になる時間が少なくて、本格的な長編小説を書けるような状況ではないのですよね。
「時間をふんだんに使える人達と戦っていくにはどうしたらいいんだろう」というのが小説、というか創作全般のテーマです。
――受賞したときの気分は?
源 「なんで俺!?」の一言に尽きます。流石にこの賞に関しては驚きました。
他にもしっかりとした小説が沢山ありましたから。閲覧数も星の数も、僕より遥かに多い人たちがわんさかいましたし。納得いってない人多いんじゃないかな(笑)
*エブリスタ上では、読者がいいと思った作品にスターを投げることができます。
8ビット少年、誕生の経緯
――有野さんに曲に参加してほしいといったときの反応はどんなものでしたか?
源 「そうきたか!」という感じかしら。でも、有野さんは喜んで協力してくれましたね。授賞式の場で声を録音したんですがこちらがお願いした以上に、色々と声ネタを発してくれて、とても助かりました。特に「コンテニュー」を猛烈に有効活用しましたね。どぶ大根(天誅のメンバー、作曲担当)が気に入ったみたい。
やはり芸人の方なので声の出し方がとても上手で、録音がすごく楽でした。
実は、僕のラップは録音トラブルによるリテイクを繰り返してるんですが、有野さんは一発OKですからね。
――有野さんの声は「8ビット少年」のどの部分で使われてますか?
イントロの「ゲームは1日1時間だ」「やりすぎると目が悪くなるぞ」「その前に老眼きてるよ」
途中の「コンテニューする?」
ラストの「天誅で8ビット少年でした」「もう帰れよ」
気になる方、それでは実際に聴いてみましょう!
「8ビット少年」はこちらから聴けます!
https://soundcloud.com/ten_chu/8bitboy
[リンク]
――芸能人とのコラボは天誅初めての経験ですが曲が完成した感想はいかがですか
源 そうですね。芸能人というか、やっぱり芸人さんはすごいな、という印象は受けました。
やり直しが効かない状況に慣れている。テキトーにやってると見せかけて、真剣ですね。テキトーさに命をかけているというか。
――プロの芸人魂ですね!
これからどんなイベントが、サプライズが待っているのか!?
以上、魔王源氏に裏話を色々と訊かせていただきました。才能に秀でた者同士が惹かれ合った結果できた奇跡の楽曲、といってもいいのではないでしょうか?なんにせよ、こういった出来事はめったに起こることがないでしょう。
エブリスタでは毎月何かしらのイベントが開催されています。「3行で書く恋愛小説」「1行で怖い怪談句」など初心者でも参加できて、いずれもユニークなものばかり。
興味をもたれた方、面白い発想と文章力を持つオンライン作家たちが集まるエブリスタへ一度訪れてみてはいかがでしょうか?
よゐこの有野さんが「また受賞者と曲コラボかいな」なんてことになるかも?
『エブリスタ』
http://estar.jp/ [リンク]
(画像提供 エブリスタ 文責 マツダ草介)