Facebook マーク・ザッカーバーグの普段着が仕事着についての是非

  by あおぞら  Tags :  

写真の記事はFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグが日本を訪問している3月29日に、野田首相を首相官邸に表敬訪問をし、Facebookを表示しているモニターの前で握手しているところです。ちゃんとスーツを着ているために、FacebookのCEOとはすぐに結びつかない人も多いかもしれません。

さて、全米一番の視聴率を誇る朝のニュース番組”Today”で、3人のプロフェッショナルが登場し、世間で話題の出来事について口角泡を飛ばしてやりとりする企画があります。登場する3人は男性1、女性2人の男女比率で、男性は広告業界の重鎮ドニー・ドイチェ、女性は医学博士のナンシー・サイダマン、最後は黒人タレントで弁護士でもあるスター・ジョーンズ。みんな強気の発言で主張する力がハンパじゃない面々。

”お題”は最近ニュースに頻繁に登場するFacebookのザッカーバーグが期間投資家向けの説明会、IPOにフード付きの普段どおりのパーカーで登場したことでした。大人の集まる会場でもそのスタイルでいいと肯定する広告業界白人男性。広告業界人は「今までその姿でビジネスをしてきたので、スーツなど着てしまえばザッカーマンらしくなく、Facebookのイメージではなくなる」と言うと、黒人女性弁護士はここで人種差別を持ち出して「”白人”でだらしないパーカーを着ていると、それがいいと言われるけれど、黒人が同じことをしていると、貧しい出身だ、非常識だと言われるんです!」と広告業界人の話に横槍を入れます。

ここらあたりで普段着をビジネスの場でも着ることの是非の論点から外れて、人種問題に発展していくところが複雑な人種構造のアメリカらしいです。

ところで、どうなんでしょ、このザッカーバーグのビジネスの場でもお馴染みの普段着?

私は広告業界人と同意見でビジネスの場でも普段着のままで、ザッカーバーグに関してはいいと思うのです。理由はオバマ大統領と公開トークをした時や、写真のように野田総理と面会する時にはキチンとスーツを着ているので、そこらへんの線引きはきちんと出来ているからです。

ホンダの創業者の本田宗一郎は常々「技術者の正装とは真っ白なツナギだ」と言っており、こともあろうか皇居での勲一等瑞宝章親授式へ出席の際もツナギで出席しようとしたそうです。周りが天皇陛下に失礼でこれまで燕尾服以外で臨んだ受賞者は一人もいませんと説得しても、自分は技術者としてのプライドで白の作業着を着たいと引かなかったそうです。結局、周囲に止められ社員が持参していた燕尾服を着用して式典に臨んだそうですが、この話は本田宗一郎の魅力を更に増します。

ザッカーバーグにはそれに通じる信念のようなものを感じます。

ただ、ちょっと気になることは若者のオピニオンリーダーとして、また成功者として憧れの対象になるFacebookのマーク・ザッカーバーグの真似をして、若い社会人の洋服がドレスダウンしすぎることです。

ザッカーバーグはザッカーバーグ、そこは超特別枠の人間だからこそ許され、またそれこそもトレードマークにしているからで、やはり洋服は時と場所に応じた使い分けができないと、社会人として一人前ではありません。

ビジネスの場でも普段着を許容されるFacebookのCEO.マーク・ザッカーバーグ、アメリカの若者にして霞を食って生きる仙人のような風貌、だからこそそれが許されるような気がします。これでもしアクが強かったら反発を買うのでしょうね。マーク・ザッカーバーグは風貌まで追い風にしてFacebookはどこまで旋風を巻き起こすのでしょうか……

画像:frickr from YAHOO!
http://www.flickr.com/photos/dtnnews/7028300589/sizes/m/in/photostream/#flickr_nav_button_explore

ニューヨークから発信しています