ありえる? ありえない美術館セキュリティーの異常な態度

  by あおぞら  Tags :  

モルガン・ライブラリーは英語では Morgan Library & Museum と表記され、美術館の前に図書館が先に来るほどの↑上記写真の図書館が特徴の美術館である。一般的な美術館と言うより、教養高き美術館で、訪れる人たちも格上に見えたりすることもある。しかし、しかし、昨日、確実に今までのその気持ちが覆された事件が起きた。

事件と言うといささか大げさだが、こんなこと起きる?という呆れた事実をお知らせしたい。

日曜の午後、3時過ぎ辺りの美術館は全般的に人が少ない。この美術館は我が家から一番近く徒歩15分以内圏内にある。新しい展示物も数日前に始まったので、数週間ぶりに行ってみるかと、赤いユニクロのロングTシャツに紺のスリムパンツで出かけた。美術館入り口には受付が2か所あり、ひとつは一般入場者で、もうひとつはメンバーシップの受付である。私はメンバーであるので会員証を見せると入館用のバッジをもらえる。入館者はその場でバッジをつけて美術館内を見物することになる。

いつものように明確にわかるよう襟元真ん中にバッジをつけた、昨日は緑色だった。赤い洋服に緑のバッジをまるでペンダントみたいに真ん中にクリップする。そのまま中に入っていくと、背後から声がかかった。振り向くと小豆色ジャケットを着た、小柄の黒人女性のセキュリティーがいる。

女性セキュリティーは「入館バッジを見せてください」と命令調で言うのだけど、私にしてみればつけた状態なのでまさに狐につままれた感じ。女性セキュリティーなんて丁寧に言わずに、もう『女』と呼んでしまうが、女は再度バッジを見せろとキツイ口調で言う、何様だ!

目に障害があるのかな?と一瞬思うが、もしそうであればセキュリティーの仕事は務まらないであろうと、秒速でも考えは思い巡るものだなと考えつつ、つけているバッジを外して女の目の前に提示して見せた。勿論、ある程度の距離はあるので失礼に当たらない距離である。

女は私に向かって『Rude!(無礼な)』と抗議口調で言ってきた。そこで狐さんに再び登場願おう、狐につままれた感じアゲイン!出川哲郎の口癖じゃないけど「ワケわかんない!」

女はセキュリティーがもつトランシーバーみたいなもので誰かに連絡をしている。私が一体何をしたと言うのだ?女は私にルードと言う前に、「バッジをの有無を確かめるのはのは私の仕事だ!」と何度も誇らしげに「私の仕事」を繰り返した。

お門違いもいいところだよ、通常セキュリティーは美術館正面の入館バッジを渡す二つの受付の間に立ちチェックするものなのだ。自分がその場所にいなかったために私を見落としたのだろう。それにしてももし、私がバッジなしで入館をしたとしたら、一般入館受付を担当する美術館職員が止めるに決まっているのだ。私はこの美術館に10年以上通っているのだから、こんなバカげたチェックをされたのは初めてであった、しかも、バッジはモロわかりやすい襟元真ん中ドンピシャリで、真っ赤な洋服の少し襟首の開いた真ん中に緑のバッジがボタンのようにつけてある、目立つように意識してそこにつけているのだ。

女は黒人の頼りなさそうなセキュリティーの男を呼び出して「この人は(私のこと)、バッジの有無を問いただしたら、バッジを外して私の目の前にかざした、なんて失礼な態度なんだ!」と力説している。

あのね、女よ、お前はバカか!私はバッジはつけているのだよ、長髪でない私は長い髪がそのバッジを隠すこともなく、襟首の少し開いた赤いロンT(商品名は成田空港で買ったユニクロ)につけた緑のバッジはよく目立つぞ!お前が2回もバッジをつけた状態の私に「バッジは?」と聞くから、そうせざるをえないだろう?

黒人女のセキュリティーと揉めている東洋女の私、それに間抜け風の黒人セキュリティーが突っ立った状態で、なんとその光景を白人4人の家族風が見ていた。私にはその白人野次馬一家が大変哀れに映った、他人のもめ事が楽しいか?珍しいか?嬉しいか? こういう状況は目に入らぬ感じで無視するのがマナーなんだよ、この田舎者の白人一家よ!と。

あえてそいつらの非常識を知らしめたくて、そいつらに向かって「アラアラ、皆さん、私を見ていらっしゃいますね」と笑顔で言ってみせた、白人一家の洗練されぬ行動に一撃を加えたつもりだ。

もうこういう状態で美術鑑賞なんてありえない!私は踵をかえして受付に向かった、当然、受付の女性に現状を訴えに言ったのだ。メンバーシップの受付女性、ついさっき緑のバッジを手渡してくれた女性にことの顛末を手短に話し「モニークというセキュリティーの女性の態度は異常ですし、あの顔を見てください、こんないい方は失礼ですけど、考えのない顔をしています、あの手の人物がセキュリティーであることはこの美術館の評判を落としますよ」とまで言っていた。

受付女性はモニークの名前を聞いたら反応があり、私の意見に賛同する感じがわかった。その時、その異常なセキュリティー、モニークがセキュリティーのスーパーバイザーの雲をつくような大男を連れて、メンバーシップの受付に連れだって現れ私を責め始めた、雲を付くような大男黒人スーパーバイザーはモニークの応援だ、どいつもこいつもバカばかりなり!もう埒があかない。私は「NY1(ニューヨークワンというニュース専門局)に電話したいくらい」と言ってやった。これはテレビ局でよく苦情受付をして解決するコーナーがあるように、こんな理不尽な態度をとられたケースを世間に知ってもらいたいという意味合いを込めてだ。

なんとも言えない、いや~な気分で美術館を後にして、歩きながら『どうにかしなきゃ、どうにかしなきゃ』ともしかしたら日本語が出ていたかもしれないが、とりあえず携帯電話で311というニューヨーク市のホットラインに電話してみた。残念なことにそのような苦情は受け付けられないので直接美術館に言ってくださいと言われてしまった。しかし、丁寧に美術館の電話番号も教えてくれたので、グランドセントラル駅近くのオフィスビルの前の空間が落ち着けそうなので、場所を選んで美術館に電話した。

結果的に良いクレーム処理の係の女性と話ができた。女性は私に同情してくれ、申し訳ないと平謝りをしてくれた。長年アメリカに生活すると知らない間に英語は上達していたのでしょうね、手前みそだが見事にクレームを言うことが出来た、たとえ話もしっかり引用した。「スーパーで万引きもしていないのに、呼び止められて、万引きしたと問い詰められ、それを数人の買い物客に見られたらどんな気分でしょう、万引きもしていない人は?...私の状況そんな感じでしたよ」や、女のセキュリティーの顔が間抜け面で、あんな野蛮者をセキュリティーにするなんて美術館の品位を落とす話や「私はいろんな美術館に行きますし、マナーは心得ています、一例を申しますと美術館では手を後ろに組んで美術品を鑑賞します、そうすることでセキュリティーは私に関しては警備の目を強めなくて済むので、そこまで配慮している常識人間です、あんな間抜けセキュリティーのバカげた行為は許し難し!」

電話応対してくれた女性は私の名前と連絡先を聞かれ、十分にこちらで反省をして、納得のいくようにさせて頂きますと。

「もうそれで十分ですよ、燃え滾る私の怒りの炎を完璧に沈めてくれたあなたは優秀な消防士のようです」と伝えクレーム受付女性は喜んでくれたようでしたが、しかし、私はいきなりの追突事故で、被害者の私を責めたてたその黒人女のセキュリティーのことは忘れないぞ!忘れてなるものか、こんな理不尽なこと。

アメリカってね、こんな異常事態が起こるのですよ。日本じゃありえない、ありえない、ありえない。

見てくださいよ、このモルガン・ライブラリーの圧巻の書庫、こんなアカデミックな図書館のある美術館に、あの大バカ者の黒人女のセキュリティーが働いていることが自体が大失敗ですよ。

アメリカ、特に雑多でかつ世界中から人が集まるニューヨークでは嫌なできごとって、結構あるんですよ。その都度、我慢することが多いのですね。しかし、昨日の事件は別件。まさに降りかかった火の粉は払いのけなければと思いましたよ。電話クレームの女性に「私は日本人でニューヨークに住んでおり、大なり小なり理不尽な出来事ってあるんですよ、でも、耐えてきましたが、あのセキュリティーの異常さは黙っていてはいけないと思いました。正義を振りかざすわけじゃないけど、日本のサムライ魂がこの電話をさせた感じがします」と。

大和なでしこ、怒りましたよ!でもサムライスピリットで乗り切りましたよ!今でも、怒りの炎がメラメラと….

あるんだなぁ、こんな異常事態ってアメリカには。またもや怒りの炎メラメラと………

画像: from flickr YAHOO!
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