とあるメガネ屋にて、万引きを行ったと思われる人のモザイク動画が公開されています。
期日までに万引きしたモノまたは金額21万円を返さなければ、モザイクをとり顔を公開するという内容をHPに公開しました。
「公開いいじゃないか」
「もっとやれ!店舗が可哀想!!」
「警察でもないのに」
「名誉毀損にならない……?」
と論争が広がっています。
今日はぴよひな流に3ステップでこの争点に決着をつけますよ!
■何がいけないの??■
明らかに盗んでる防犯カメラ映像……
犯人は分かりきっている!!!
としても、個人でその犯人(容疑者)を決定して公開することは「司法に基づかない私刑」
警察が捜査して司法にのっとり犯人を決定して公開したり逮捕することと、
個人が捜査してこいつが犯人だと公開することは大きな隔たりがあります
日本は法治国家
個人の裁量で「こいつが容疑者」と発表される社会はおそろしいですね。
あなたも誰かに勝手に「こいつは犯罪者」と公開されるかもしれないのです。
今回のようにあきらかな防犯カメラ映像があっても、
例えばビデオが改ざんされていないか、実は映っていない角度に別の犯人がいたのではないか、この人は家族を人質に取られておどされているのではないか……そういった検証は個人では難しいのです。
だから警察が動いて、正確な答えを出すのを待たなければいけません
■そしてもっと怖いこと■
もしメガネが返ってきたら……
メガネ屋さんに万引きされたメガネが犯人から返ってきたら、このメガネ屋さんにとっては嬉しいことです。もちろんHPにその嬉しいお知らせを掲載するでしょう
しかし波及効果を考えてみましょう。
多くの人が「そうかネットで晒せば返ってくる!」「そうかこのやり方が正義なんだ!」と考え
”ちょっとこいつが容疑者か分かんないとこもあるけどたぶん犯人だな”程度の時にも、この”私刑晒し”が使われるでしょう。
そうなれば犯人でない人や無関係な人々の名誉が毀損されたり人権侵害となります。あなたも「万引き犯ぽい!犯人ぽいから公開しちゃう!」と晒される日が来るかも知れません。社会は大混乱です。
メガネ屋さんの気持ちはいたいほど分かります。
でも法治国家日本で、正義としてはあってはならないやり方だと思います。
■じゃぁどうすればよかったの■
メガネ屋さん可哀想
万引きくらいじゃ警察は動かない!
実際に公開に踏み切る経緯としては、
メガネ屋さんは、21万円の万引きについて警察の積極的な捜査を感じられなかったのかもしれません
21万円は大きな額だし、犯人名乗り出ろやー!という気持ちはよく分かります。どうすれば良かったのでしょう
①同じように被害にあってる近隣や同種店舗と署名活動をして、万引きに対する積極的な捜査を嘆願する。
1件であれば後回しにされがちな案件でも複数件あると早く捜査される可能性は高まりますよね
②地域で万引きに対するセキュリティを強める
商店街で”監視の目”があるぞ”万引き撲滅”!とキャンペーンをはる、地域全体で警備員を配置して警備費用を軽くする…など
一例ですが行政に頼むことや地域商店街全体で警備していくことは出来るはずです。
上記のような例で、必ず今回の被害のメガネが戻ってくる保障はありません。でもこれからの被害は防げる可能性が上がります。
お店にとって打撃のある大きな金額になる前にこういった取り組みから始めるのも良いかなーと思いました。
こんな遠回りなやり方しかないなんて、時として正義は腰が重いですね……
積み重ねて、がんばるしかないですね……
ま、万引きする人が、とにかくわるいんですが。。。