中国のことわざに『打落水狗』がある。漢字をしっかり読み取ると『水に落ちた犬(狗)を打つ』であるのがわかる。中国語辞書で意味を調べると既に打ち負かされたがまだ降参していない悪人を更に追い打ちをかけてやっつけるとある。
なんとも恐ろしいことわざではないか。しかし、このことわざを身をもって体験しているのが先ごろ突然引退発表した成宮寛貴ではないだうか。
物事は両面から見た方がバランスのとれた見方ができる。それに突き詰めれば両方とも正しいと思えることが多い。例えばことわざを引用して『急がば回れ』と『思い立ったが吉日』は相反する意味だが、両方のことわざを知ることにより”状況により使い分け”できる正しさがわかる。
成宮寛貴がマスコミに向けて送信したファクスの文章から見るに、かなり追い詰められた感情をくみ取れるし、またきちんとした字を書くことから真面目な印象を受けた。心の叫びを描写した文章は人の心に訴えるものがあった。
しかし、趣旨がしっかりしていない。薬物疑惑に関してもうやむやだし、セクシャリティーのことまで持ち出してきた。
そうこうするうちにザ・グレート・サスケの息子が10年ほど前にこの俳優からハラスメントを受けたとブログで発表をする。『何をいまさら…』と言う気分ではあるが、そういう記事を目で追ってしまうのも人間心理。プロレスラーは男らしい職業に思っていたが、意外にこんな女々しいことをするのだなと思ってしまう。
要するに世間から叩かれる状況があると、それに乗っかってしまう人間の弱さと言うか…
覆面レスラーはなぜ過去の話を蒸し返したのか?その割に詳細は言えないとあるが、ブログに書いた時点でこのネット社会で何が起こったのか暴かれるのは時間の問題であることは、元県議の頭脳をもってしてわかること。結果的に、息子が成宮寛貴からセクハラを受けたということで出回っている。
でも、それをブログに書くことにより自分の息子も更に傷つけることになるのでは?と疑問に思っていたら、息子は妻の連れ子であることを知る。実子だったらそんな告発をしただろうか。なんだか連れ子まで引き出して騒ぎに便乗していると思ってしまう私は意地悪なのか?
セクハラが事実であったとしたらそれはそれで問題だが、それとは別に本人のセクシャリティーのことはそれほど驚くことでもない。ただ薬物疑惑は疑惑のままで引退をすれば疑われても仕方ない。ましてや本人の当時のコメントによると『薬物使用をしたことは一切ない』とあり、法的措置も取ると息まいたようだ。
しかし、まぁ写真週刊誌は警察なのか?それに成宮寛貴の自筆のファクスの『心から信頼していた友人に裏切られ』とあるが、コカインを調達してもらっていた人が友人であったとしたら、とんだ友人であり、その程度の友人を”心から信頼していた”とすれば本末転倒過ぎる。
また、覆面レスラーは叩かれている成宮寛貴を更に貶めるようなブログを公表するし、なんだか人間の嫌な面をこれでもかと見せつけられるような記事を目にし続けている。
順調な人生が、思いもよらぬ出来事で、急転直下激変することがあるのを目の当たりに見た事件だった。事件と呼ぶにはしのびないが人間の嫌な面をしっかり認識させられた。人間はいい面もあれば悪い面もある。両方が真実であるのが確実にわかる。
災いに巻き込まれないように、正しいことを選択して生きるのが、人間の順当な道なのであろう。でもねぇ、そうしていても人生間違うことがあるから、人生のハンドルさばきの難しさを感じる今日この頃です。
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