アメリカの音楽雑誌『ビルボード』の『ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016』に選ばれたのはマドンナ。長年エンターテイメントの世界に君臨しているが、振り返ればその起点はニューヨークからだった。生まれ育ったミシガン州を後にして初めてニューヨークに移り住んだのは1977年。その時のポケットの所持金$35を携えダンキンドーナツで仕事を得ようとしていた。
ニューヨークは全米から、そして世界から人がやってくる。かつてのマドンナもそうだったように、その中の一人に来年の春からピースの綾部祐二が加わることになる。今の年収が4000万円と言われる。レギュラー番組9本を降板してすべてを捨ててニューヨークにやってくる。しかも若く見えても40手前、なかなか出来ることではない。
『ワイドナショー』ではこの俳優志望でニューヨーク移住しようとしている綾部祐二に高嶋政宏が意見を述べていた。
「映画ですよね、映画だったらニューヨークよりハリウッドでしょう」
「日本食屋と日本人が一杯集まるところには行っちゃあダメなんですよ、断ち切らないと」
…..と瞬間、聞いた限りでは良いアドバイスに思えそうなのだが、う~ん、どうだろ、真っ当なアドバイスのように思えて、ちょっと違うかな?とも思った。
英語も出来なくて俳優を目指すのも無謀だとも思うが、もし、役を射止めたとしても英語のセリフを言えばいいのだから、セリフを覚えさえすればいいだけなのである。アジア人の役に特化すれば俳優になりレッドカーペットを歩く可能性は十分ある。
高嶋政宏の言う俳優を目指すならハリウッドは確かにその通りなのだが、英語がまだ話せない状態ではいきなりのオーデションは無理だろう。だから先ず英語を学ばなければいけないけれど、ニューヨークのマンハッタンは世田谷区程の実は島で、広大なアメリカでの移動手段に普通なら車は不可欠だけど、この街には車は必要ないので、移住してすぐに行動できるのである。
それに日本人と接触を持たないというけれど、英語がままならぬうちは日本人とのつながりは実に大事で、綾部祐二程の有名人ならニューヨーク在住の日本人はいくらでも協力者が出てくると思う。日本人でありながら日本人との繋がりをもたないのは、お高くとまっているようだし、期間限定で夢に賭けるのであれば使える要素はしっかり栄養分として摂取した方がいい。
高い目標を持ち、今ある生活を捨ててまでニューヨーク移住に賭ける綾部祐二は勇気がある。外野は、特に俳優は厳しい意見を出しがちだが、実際リスクを負い行動するのは綾部自身でしかない。
きっと移住してニューヨークの魅力と言うか魔力に興奮した日々を過ごした後、言葉の問題や不安だらけの将来に悩む日が間近にくるだろう。
でも、それらを経験できるのは日本の暮らしを畳んでの、太平洋とアメリカ大陸を超えたから手にするもので、苦労も込みの体験は本人でなければ得られない。
楽じゃない海外、しかもタフなニューヨークを目指す綾部祐二にかける言葉は前向きの言葉が似合う。苦労が目に見えることもわかる大人の選択には応援するしかない。
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