「怒り」、塾講師による感想文
「見るんじゃなかった」
これが、正直な気持ち。後で監督が、李相日という日本人ではない人らしいことを知った。あれは、どう見ても日本人好みの映画ではない。私はアメリカに住んでいたから言うのではないが、米兵がレイプするシーンは見てられなかった。
アメリカから抗議が来てもいいレベル。特に、今は中国や韓国と関係が良くない。軍事衝突が起こるかもしれないと心配する日本人は多い。日米安全保障条約がなければ日本を守れないかもと。
こんな時に、わざわざ米兵のレイプシーンを吹聴するのは日本憎しの監督なのだろうか。知りたくもないが。
たとえば、ちょっと前に東大生が強姦したというニュースがあった。だからといって、それを映画にして流されたら大多数の東大生は気分が良くないでしょう。ほとんどの東大生がまともなのは日本人なら知っている。
メッセージも最悪だけれど、取り上げ方もどうかと思う。ゲイの世界を知りたい人がどれほどいるのだろう。風俗で働く女性も同じこと。犯罪を犯して逃げ回る人間に興味がある人はどれほどいるのだろう。
こんな映画が、どうして日本中で見ることができるのだろう?極めて少数の人しか見たいと思わないように思うのは、私だけだろうか。ゲイや風俗嬢に共感できる人は少ないはずだ。
つまり、ヒットすると思えない。
「ガリレオ」の湯川先生の名言に以下のようなものがある。
「例えば君が、犬のうんちだとしよう。うんちだから臭くて堪らない。なのにそれを目の前にして何故臭いかを考え続ける奴がいるか。処理するか、その後から逃げ出すか。とにかく犬のうんちにまともに取り合うのは時間の無駄だ」
この映画は、私には犬のウンチのようなものだった。人間はウンチをするが、それを目の前に置いてじっくり見る人など、よほど変わった人だろう。
どうして、こんな映画に一流の俳優が多数出演しているのか理解に苦しむ。