「闇金ウシジマくん」 塾講師による感想文
「1+1=2 」は誰もが同意する。誰にとっても、明らかだ。ところが、「やればできる」は全ての人が同意するわけではない。実行した人には真実でも、実行しない人には真実ではないから。
だから、私は実行しない生徒と議論はしない。平行線になるだけだからだ。やりもしないで、必死に否定してくる。そんな子の相手をしても時間とエネルギーのムダだ。一応、チャレンジすることの大切さは説明するが中学生では手遅れだ。
人生は、やってみないと分からないことが多い。ところが、人生は短すぎて体験には限界がある。私は英語はマスターしたがフランス語は途上だ。数学Ⅲはマスターしたが、物理と科学は途上で人生が終わるかもしれない。
だから、体験はムリでも本を読むとか映画を見るとかして、他人の人生を追体験しながら可能な限り経験値を高めようとする(しない人も多いが)。私はクリスチャンだから、聖書を30年以上読み続けているが、理解しがたい部分もある。
さて、「闇金ウシジマくん」である。私は塾講師だから、このような犯罪的な生き方をしている人たちと関りはない。しかし、彼らは欲望まる出しで生きている。
「あなたはトランプ氏のように本音まる出しで生きることができますか?」
ヒラリー氏のように虚飾とウソで固めた人生を送っている人の方が多いから、トランプ氏のように本音を口にすると、拍手喝采を浴びるのだ。
私の生きている受験業界も、本音の世界だ。助け合いなどありえない。足の引っ張り合いだ。ライバルが合格したら、自分が落ちるかもしれない。徹底した競争だ。
やるか、やられるかという戦いは受験も金融も同じことだが、金融に生きる人たちは「女」「金」が目的の場合が多い。私は女は懲り懲りだし、必要以上のお金も興味が持てない。
それより、受験における英語とか数学に興味がある。
ウシジマくんは、ブランド品で身をかためるでもなく、食事はいつも定食屋。女におぼれるでもない。金はいくらもありそうだが、自分の生活は何も変わらない。つまり、金に振り回されたりしない。
受験勉強にもありがちなのだ。四日市高校に合格したら舞い上がる。京大に合格したら舞い上がる。英検1級に合格したら舞い上がる。そんな子が多い。学歴に目がくらむらしい。
このタイプの子は使いものにならない。たかが資格、学歴で舞い上がるようでは話にならない。