外側から見る日本

  by あおぞら  Tags :  

外国に住んでいるから日本を外側から見られるということはよく聞く。それに私の生活するニューヨークのマンハッタンは比較的世界が近いような気がしている。観光客と生活者は一目見てすぐわかる。特にロックフェラーセンター近くのマンハッタンの中心地には多くの観光客が集まり、記念写真を撮る人たちが歩く流れの生活者をよそに数秒制止の姿があちこちで見られる。

以前はアジアの観光客といえば日本人だった、それはいつ頃までだったのだろうか….. 今は中国人の観光客が圧倒的に多い。それにビジネスマンも以前は日本人が多かった、しかし今は中国人も増えている。中国人の身なりがよくなった….と言う書き方は中国人に失礼であろうか、同じビジネスマンでも日本人と中国人は見た目では明らかに違いがあった。しかし、最近驚いたことがあるのだが、てっきり日本のビジネスマンと思いきや数人のスーツ姿が通り過ぎた時、自分の眼は確かと思っていたその『日本人のビジネスマン』の小グループがなんと中国人だったのだ。改めて中国はGNP世界第2位の位置につき日本を追い抜き、見た目も洗練されてきて、その姿に驚異すら感じたほどだ。

Best Buyという全米チェーンの電化製品の大型量販店に行って見ると、かつては日本製品中心だったが今では韓国製品が強い。テレビ売り場はSamsungが幅を利かせている。12、3年くらい前だろうか、チェルシー地区というゲイの多い若者中心のビル郡の壁に大きなSamsungの洗練された広告が何種類もあった。ビルの壁を使う広告なので注目しなくても自然に目に入っている。当時はSONYが王者だったので、その大規模な広告が悪あがきのように見えた。しかし、今思えば既にあの頃からSamsungはSONYを追い越すことを考えていて、丁度種まきの時期であったのかもしれない。

アジアの中では日本が一番とずっと思っていた。しかし、ニューヨークのマンハッタン、世田谷区ほどの大きさの小さな島でアジアの勢力が、観光客により、中国人の身なりのよさにより、Samsungの勢いによりわかる。

日本を離れて外国で生活する人は大勢いる。先進国もあれば発展途上国もあるだろう。日本に近い韓国、中国もあれば、日本から遠い遠いアフリカ大陸に生活する人もいるだろう。インターネットの恩恵を受け、今、世界に暮らす日本人は日本のニュースを日本語で時差もあまり関係なく知ることが出来る。外国に住んでいる日本人達は今の日本を、そしてこれからの日本をどう思うのだろう?

日本のニュースサイトには、例えばGoogleではトップニュースに続いて国際、ビジネス、政治、エンタメ、スポーツ、テクノロジーと区分がわかれている。日本の現状とこれからのあり方について「エンタメ」から考えてみたい。

AKB48の存在は数年前まで知らなかったし興味もなかった。その他大勢で売り出す方法は姑息にも思えたが、今の時代はそれは仕方ないのかも知れない。ハリウッドでさえ主演女優級が複数出演の映画が作られているので、エンタメ業界も苦境に喘いでいるのであろう。

私はAKB48の売り出し方を好ましく思っていない。最初は秋葉原の小劇場で公演をして、今もそれは継続しているということで、それに関しては感心するが、当初、制服のような衣装を来て爽やかな歌詞のメロディーを清純路線で歌っていたアイドル達が、美容整形をして、豊胸手術をして、顔に体にメスを入れ、露出度を高め、人造美女に姿を変え、そのアイドル達に熱狂する若者達。

総選挙と銘打って投票権を数多く買取させるようなCDの売り方。若い人たちがアイドルに夢中になるのもわからなくはない。しかし、AKB48商法に踊らされてはいけない。若い時期にいくらAKB48にお金をつぎ込んでも、そのファンの人たちが人間的に成長しているとは思えないのだ。それに芸能に関してもあくまでも素人芸の枠を超えない集団をプロとして扱う日本の芸能界も底が浅いと思う。売れれば何でもいいという姿勢では本物が育たない。本物が育たないから、人造美女の歌手といえども口パクもするような集団に傾向してしまうのだ。本物のエンターテイナーがいないから、本物の客が育たない悪循環で、これは日本の今を象徴しているような気がする。

AKB48人気も理解するが、このような集団は一過性の人気であった方が良かったのだ。英語で一発屋をone hit wonderと言うが、その域で良かった集団だと思う。芸能に於いても本物を見極める力を日本人が養わなくてはいけないのだ。CD一枚買うのも楽じゃない。だけど買う価値のあるものなら人は買う。良いものの価値は廃れない。クラッシック音楽は時代が変わろうと廃れない。10年後も20年後も100年後も人は聴くだろう。AKB48とクラッシック音楽を同じ括りにするのは間違っている。しかし、AKB48に使うお金は無駄に日本に流れているような気がしている。一過性の人気ならそれが芸能界の流れとしてよいのだが、プロフェッショナルとは言いがたい集団に時間とお金をかけるファンの中には優秀な逸材が大勢いると思っている。

ファンもほどほどに、そしてCDは一枚買えば十分である。若いうちこそ意義あることに時間もお金も使うことが最優先だ。AKB48の熱狂的なファンが増えるにつき、CD売り上げが記録を更新する度に、この国の足元が揺らいでいる気がしてならない。

画像:frickr from YAHOO!
http://www.flickr.com/photos/chrisser/4112241571/sizes/m/in/photostream/

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