随分前の話ですが、シカゴに住む日本人の友人の家に遊びに行き、そこに日本から妹さんが遊びにきていました。妹さんは初めてのアメリカ旅行、アメリカの印象を聞きたくていろんな質問をぶつけてみました。質問をしたのは覚えているのですが、具体的に何を聞いたかは覚えていないのです。但し強烈に覚えていたのは妹さんの言う「アメリカのインスタントラーメンはまずい!」と言うことでした。
当時は80年代後半です。あれから随分と時が流れましたが、未だにアメリカのインスタントラーメンの味がよくなったかと言うと、残念ながらそうじゃないんですね。
アメリカではどんなスーパーマーケットでもインスタントラーメンが売られています。二大勢力が売り場を占め拮抗しています。その二大勢力は日清とマルちゃんです。日本では売られていない不思議なフレーバーが揃っていて、マッシュルームフレーバー、シュリンプフレーバー、ビーフフレーバー等があります。醤油味はオリエンタルフレーバーとして売られています。
マンハッタンのミッドタウンのスーパーマーケットでもひとつ40セント位で売っています。日本円で40円もしない値段ですから激安です。激安ゆえ収入の多くない人々に好まれることもあります。
日本人がインスタントラーメンを食べたい場合は、日本食料品店に足を運び日本からの輸入品を買うでしょう。どうせ買うなら中華三昧が美味しいですね。私がよくいくお店では値段は$1.99でした、170円くらいでしょうか。日本食料品店にはアメリカで生産されたサッポロ一番が売られています。こちらは99セントです。サッポロ一番味噌ラーメンだってあります。味は日本のものとそう変わらないと思います。
それでは私はどのようなインスタントラーメンを買っているかというと、アメリカ生産の日清やマルちゃんやサッポロ一番でなく、チャイナタウンまで出向き香港から輸入された出前一丁を買うのです。こちらはわずか59セント。輸入品でもって59セントというのは中国の流通経路がわかりませんが、それでもきちんと日清の製品で、写真の醤油ラーメンなどはかなり美味しいのです。流石、香港だけあって味に工夫がされていて、この緑の袋の中にラーメンと粉末スープと秘密の秘の字が書かれた調味油と、なんと切り海苔まで入っているのです。
同じ日清のインスタントラーメンでもアメリカ生産のものと香港生産のものでは雲泥の差です。アメリカのものは包装プラスチックも薄いし、いかにも安物ですが、香港のものは日本のものと同じような質感のものを使っています。それに何より味の違いが格別です。
香港製の出前一丁醤油味を食べるときは♪あ~らよっ、出前一丁~…と浪花のモーツアルトことキダタローさん作曲のこのCMソングも思わず口ずさみたくなる程のお味なのです。
画像:frickr from YAHOO!
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