宮城県水産技術総合センター気仙沼水産試験場が、宮城県南三陸町の牡蠣(カキ)生産者と共に、1年未満の未産卵牡蠣『あまころ牡蠣』の量産化に成功。
株式会社ゼネラル・オイスターが運営するオイスターバー33店舗限定で6月17日から提供を開始するにあたり、報道関係者向けに試食発表会が行われたので取材した。
まず冒頭に、農林水産省研究総務官の菱沼義久氏より、今後への期待とお祝いが述べられた。
続いて、気仙沼水産試験場の山内洋幸氏から、開発の経緯や普及の現状、また量産体制について説明がなされた。
生産者を代表して、南三陸町の佐々木昇記氏が生産現場の現状や苦労について語った。
最後にゼネラル・オイスター代表取締役CEOの吉田秀則氏から、店舗での提供展開についての説明があった。
(写真はあまころ牡蠣)
説明によると、『あまころ牡蠣』は通常は2年程度かけて養殖するものを、約10ヶ月と短い期間で出荷、当然小振りとなるが、さわやかで強い甘みが特徴だそうだ。
(写真は通常サイズのもの)
もっとも特徴的なのが未産卵牡蠣(バージンオイスター)ということであろう。
大きく養殖すれば年数もかかるため当然産卵する。したがって未産卵のものは1年経過してない必要があり、今までは地元でしか食べられてこなかったという。
(写真向かって左二つがあまころ牡蠣・右が通常のもの)
レモンが添えられていたが記者は何もつけずにそのまま食べてみた。その方が本来の味をより記憶できると思ったからだ。
食べてみると、採れたての磯の香りと塩味が最初に口に広がり、その後に濃厚なあの牡蠣の味が染みわたってくる。
ここまで濃縮できるのか?と思うほど濃厚だ。
海のミルクとは牛乳と栄養素が似ていることから呼ばれている別称。しかし栄養素ばかりではなくその味も濃厚な牛乳やチーズを味わっているようで言い得て妙である。
復興のシンボルとしての位置づけにもなっているが、東北の牡蠣を消費することで現地の収入が増加し、そのお金がまた現地での消費に回る。
このような循環が連続して起こることにより、復興支援はもちろんのことデフレ脱却にも一役買うことだろう。
小振りなあまころ牡蠣は女性にも食べやすく値段も手ごろなので、おススメだ。
※写真はすべて記者撮影