食べ物の記事ばかり書いているので、それなりに外食する機会の多い筆者ですが、あえて言おう!
「2016年は肉がキテいる!!」
いや、厳密には去年から“ローストビーフ丼”みたいなのも増えていたし、肉なんか毎年来てんだろって話ですが、今年は特に“生肉”的な何かが来る予感で御座います。
というわけで、町田市(やや東京都)に2016年4月20日に新しくオープンした『肉寿司』は注目せざるを得ない案件でして、鼻息も荒く訪れてみた次第です。
『肉寿司』
その名の通り“肉の寿司”をメインに、各種の肉を取り揃えた感じの『肉寿司』は、オープン直後ということもあり非常に賑やかな感じの店構えで御座います。
花輪というか風船的な何かが周囲から浮いていますが、都内で展開するチェーン店らしいので、まだ町田という街が良く分かってらっしゃらないのかも知れません。
隣に貼ってある『トミーとマツ』さんのポスターを見習って欲しいですね。このセンスを21世紀に持ってくるのが町田であるということを理解すべきかと存じます。
なお、トミー違いである可能性を指摘するのは野暮なので、華麗にスルーして下さい。
目立つということではレセプションにレースクイーン達を招いたり、周囲の街並みを無視して赤色で埋め尽くすのも正解かもですが、やはり都会のセンスは馴染めないと思った筆者で御座います。
まずは生ビールで乾杯!
まあ、お一人様なので乾杯する相手は居ないのですが、とりあえず生ビールの大ジョッキで乾杯です。
「メニュー、デカっ!!」
と言うのがファーストインプレッションですが、どうやらメニューは最初の数ページだけで、残りは馬肉に関する本でした。
恐らく、普通の人は読まないような専門書なのですが、写真が豊富なので眺めているだけで時間が潰せるのは良いですね。
さらに箸袋が“おみくじ”になっているのは凄く面白いと思います。ちなみに筆者は“凶”でした……。
となりに座った人は“大吉”だったのですが、特に生ビールサービスなどの特典もなく、純粋にクジを楽しむ嗜好のようですね。
『福来る盛り合わせ』を所望する!
とりあえずオープニングサービスで“赤身2貫サービス”みたいなのもあるので、10貫くらいのセットをチョイスします。
肉の寿司以外にも馬刺しなどの生肉、生ハムなどがありどれも美味しそうなのですが、すでにラーメンを食べた後なのでボリュームを見てからサイドメニューを試すことにします。
生ハムも台に乗っていて美味しそうですね。
しかし、自分が居る時はこの台上の生ハムは動かなかったので、厨房には別の生ハムが用意されている模様。
確かに生ハムのオーダーも少なくないと思われるので、この位置では使いにくいと思われ、厨房に用意しておくのも正解かと存じます。
生ビールが美味しい件
とりあえず“お通し”的な何かはないので、生ビールを飲んで適当に写真を押さえて寿司が来るのを待ちます。
3階立ての建物なので、上にどんだけ人が入っているのか分からないのですが、めちゃめちゃ混んでいるらしく筆者の握り寿司がなかなか来ません。
しかし!
このマニアックな本を読めば大丈夫です。例え話し相手が居なくてもなんら問題ありません。
まずは開店サービスの赤身2貫(馬刺し)と生ビールでどうにかなります。超薄くスライスされた馬刺しは柔らかいですね。これがサービスなのですから嬉しい限りです。
あと醤油差しが優れもので、やや密閉式なので醤油の鮮度が落ちにくいのは高評価です。
とにかく上が忙しいのかマネージャーみたいな人がインカムでしきりに指示を出しています。
実に的確な指示で全体の流れを統括しつつ、新しい店舗の従業員を教育しています。すると、どうでしょう?
「カウンターさんの握り、急ぎでやって!」
みたいな指示が聞こえて来ました。
「今から握り始めるんかいっ!!」
いや、厨房と同じ一階なんだからインカム必要ねぇんじゃねえのかみたいな、むしろ「一階に居る全員聞こえてるわ!」みたいな突っ込みも必須ですが、そろそろ筆者のターンが来るようですね。
嘘です。
そこから更に10数分待ってから筆者のオーダーがやってまいりました。なるほど、この長い待ち時間を潰させる為の分厚いメニューなのですね……。
『福来る盛り合わせ』(2200円)を食す!
先週の日曜日にオープンする事を知った筆者は、町田で肉の寿司が食べられる喜びに胸を膨らませていました。
そして!
平日であるにも関わらず食べに来て、ひたすら馬肉の本を読んで待ちまくった結果、この写真で御座います。
「……。」
言葉にならない熱い想いが込み上げて来るのは気のせいでしょうか?
いや、この絵面では記事として厳しい予感で御座います……。
しかし!
筆者も数多くの美味しい食べ物を撮って来た自称プロなので、ここはテクニックでカバーします。斜めのアングルで撮る事でグラフィックの密度を高める作戦です。
「ふぅ……いい仕事したぜ!グッジョブ俺!!」
確かに大きな器に盛るのはシャレオツですが、隙間が大きいのはビジュアル的にどうかと思うので、プロの技で補正しておきました。
5種類の肉寿司が堪能出来る『福来る盛り合わせ』
赤身(馬刺し)
牛タン
巻物
ローストビーフ
中トロ(馬刺し)
以上のラインナップに、ガリ的な何かと調味料っぽい味噌があります。内容は日によって変わるかもですが、とりあえず肉尽くし感はありますね。
中トロの色が悪く見えますが、中途半端に炙っているだけなので鮮度は抜群で御座います。
いや、厳密には肉は熟成させるので鮮度抜群ってのはないんですけど、ちょうど食べ頃という意味で捉えて下さい。
セロリの入ったガリが超絶に美味しい件の是非
そして!
注目すべきは”ガリ”の美味しさではないでしょうか? とにかくセロリの美味しさが半端ありません。
ガリ(生姜)単体の100倍は美味しく感じられますね。これは家で量産してみたくなるメニューでした。むしろ、この美味しいガリを日本中の寿司屋に啓蒙活動したい筆者で御座います。
『肉寿司』 総評
オープン初日と言う事で、色々なトラブルもあったと思われるので総合評価を出すには100年早いと思うので、今回は保留と言う形でお願いします。
オープン記念セール的な何かで、飲み放題980円とかも開催していたので、もしかしたら2階と3階は何百人か入っていたのかもしれません。
しかし!
確かに今時の飲食店ではインカム(無線機)は必須ですが、ずっとマネージャーの指示を1階に居る全員が聞かされるのは、ちょっと微妙ですね。それだけ上がテンパってるのでしょうか?
っていうか、ぶっちゃけインカムを通して店の状況を把握してしまっているので、料理が出て来るタイミングというかスピード的なモノには疑問を感じました。席数に対して厨房が小さ過ぎるのではないでしょうか?
あと肝心の肉寿司に関してですが、筆者が普段食べている『馬の握り寿司』(上の写真)は1480円で御座います。どうしてもコレと比べてしまうので持ち上げようにも持ち上げられません……。
あと肉の場合は魚よりも噛みごたえがあるので、薄く切るのは分かるのですが、薄く切りすぎて“牛タン”とか穴が開いちゃってるのはどうでしょう?
あと筆者は江戸前寿司こそ至高と思っているので、シャリが小さいのは良いのですが全体的に小さいような気がします。
それから握りが遅い。寿司と言うのはテンポ良く握るはずなのですが、どんだけ時間が掛かるのか小一時間問い詰めたい衝動に駆られます。
また、握りが固い。箸で食べやすいように改良しているのか知りませんが、シャリが固いです。食べ物をひっくり返すとか行儀が悪いと思うのですが、案の定シャリが詰まってます。
この状態を察するに“まな板”の上に寿司を置いて肉を押さえつけていませんかね? シャリの角が立っているのを筆者は初めて肉眼で見ました。
普通に握ってこうなったのなら、どんだけ指が四角いんだよって話でして通常こうはなりません。このような状態を寿司と呼ぶのは、そうです。もう分かっていると思うのですが言わずにはいられないので大きな声で言いましょう。
「女将を呼べぃっ!!!!!!」
本格的な肉寿司が食べられると言う事で、多くの町田人が期待している『肉寿司』なので、是非とも色々な面での熟成が期待されます。
肉の寿司と言う料理のポテンシャルは高いので、寿司のなんたるかが理解出来れば、もっともっと美味しくなる可能性は秘めていると思います。『肉寿司』(町田店)も伸びる可能性は未知数と言う事で御座います。
それでは、是非みなさんも『肉寿司』に訪れて自分で確かめてみて下さい。飲み放題コースも設定されているようなので、ちょっと肉を試したい時にグループで訪れると幸せになれるかもしれませんよ。
『肉寿司』
営業時間 17:00~24:00