花粉症などのアレルギー症状に、体内時計が大きく関与していることを、山梨大学医学部の中尾教授らのグループが公表しました。
一般的に花粉症やそれに伴う鼻づまりなどの症状は、昼は症状が軽く、朝や夜に症状が重くなることが経験的に知られていました。また、免疫細胞内で体内時計を動かすタンパク質が減らしてしまう物質の一つカゼインキナーゼが症状を悪化させる原因ということが知られていました。
医師の間でも、同様の指摘がありましたが、このたび山梨大学医学部の中尾教授らがマウスを使ってカゼインキナーゼの働きを抑える物質をマウスに投与したところ、くしゃみや鼻をかく行動が減った事が確認されました。
カゼインキナーゼを押さえる物質については、現時点で好評はされていませんが、人間が口にしても問題のない物質のよう。
自ら被験者になった方に摂取していただいて、花粉症や鼻炎に関係のあるマスト細胞などの確認を行ったところ、花粉症が軽減されていることが確認されました。
中尾教授らのグループは、治療薬の開発に一歩近づいたとコメントされていますが、この調子で研究が進むと、対症療法ではなく、花粉症の原因を根本的にブロックする薬が発見されるのも夢ではなさそうですね。
※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2014/03/16-387092.php