寝台列車で春のベネツィアへ

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ちょうどカーニバルの時期にベネツィアを訪れたので、その時の様子を綴ります。
今年のカーニバル期間は2016年1月23日~2月9日でした。
約2週間ほど街中が幻想的で華やかな空間となる大きなお祭りです。

悪名高いthelloとは

(thelloとは最高時速約180kmでフランスとイタリアを結ぶ夜行列車のこと)

私達はベネツィア行きに寝台列車 [thello] を利用しました。
到着までおよそ12時間。21時にフランスDijon駅を出発し、
翌朝9時頃イタリアVenezia S. Lucia駅に到着予定でした。
6人部屋でひとり往復160€くらい。

私は初めての寝台列車に不安でした。なにせネット上では悪名高いthello、
寒い、トイレが汚い、しかも安さで選んだのは6人部屋。
アイマスクと耳栓とトイレットペーパーを準備していきました。

貸切だった寝台列車

当日、指定された部屋に入ろうとすると扉にロックがかかっています。
中におじいさんがいて、話しかけても反応がありません。
どうしよう、と思っていると駅員さんが「ちょっと問題があって部屋をかわってほしい」
と別の部屋に案内され、利用客は他におらず貸切でした。ツイてる!
と思ったんですが割とどこも空いていました。冬はシーズンオフだからかな?
駅員さんにパスポートを渡し(国境越えるので)、明朝返すという説明がありました。

寒すぎる暖房の効かない室内

装備品は枕とふとんと500mlペットボトルの水、それぞれひとりひとつずつです。
めちゃくちゃ寒かったので枕を2個、布団を3枚使いました。
ベッドは狭くて固く、快適とはいえませんがこんなものかなという感じです。
ただし6人フルで入っていたらイビキなど色々キツかったかもしれません。
kindleに入れた漫画を読みながら眠ろうとしましたが、寒すぎて安眠できません!
暖房がほとんど効いておらずマフラーを巻いて寒さに耐えていました。
仕方無いのかなあ、これが悪名高いということなのかなあ、と思っていると
なぜか深夜3時頃からとても暖かくなり、暖房が効いてるのを実感。
暑過ぎるくらいでした。布団3枚もいらない。
もしかしたら部屋移動が想定外だったため駅員が暖房のスイッチを
オフにしていたのかもしれません。

日が昇り、窓の外を確認してみると、雪山が見えました。スイス辺りの山でしょう。
列車には食堂車もあり、クロワッサンなどのメニューもあるそうですが
こういった場所のサービスはとにかく高いので、私達は持ってきたビスケットや
シリアルバーなど食べて朝ごはんとしました。

そうこうしているうちに海を渡りベネツィアに到着!午前10時ごろでした。

悪名高いといわれているthelloでしたが、普通でした。
暖房の問題はたまたま運が悪かったといえますが、ベッド、装備品も値段なりでしたし
トイレも普通に電車のトイレで、清潔とはいえませんが汚いという程でもなかったです。
なにより貸切で他のお客さんに気遣いなく過ごせたのが一番良かったです。
(ちなみに帰りは、はじめから暖房が効いており快適でした)

やっぱり観光地のベネツィア

駅を出るとものすごい人!ああやっぱり冬のシーズンオフとはいえすごい人だなあ
と思っていたんですが、あっ、そうかカーニバルだからか、そうでした。
日本人、韓国人などのアジア系もいましたが断然多かったのがフランス人でした。
私達は4日程滞在するので、移動手段で必須な水上バス、
ヴァポレットのチケットを1週間分買いました。ひとり60€、うーんちょっと高いよねえ。

さっそく乗り場を探しているとなにやら5、6人の学生(高校生くらい)に囲まれました。
イタリア語を話してるけどぜんぜんわからないという顔をしてたら
英語で話してくれました。観光客にアンケートをとる授業をしているらしい。
まず国籍をきかれ、好きな色とか好きなイタリア料理とか普通のことを聞かれました。
アンケートが終わり女の子に「個人的に話したいのだけど」と言われ
「私は日本のアニメが大好きなの!『進撃の巨人』と『ラブライブ』!最高よね!」
ということ、「うん私も好き、面白いよねえ!(・・でも『ラブライブ』ってなに?)」
みたいなことを話しました。「日本のアニメは世界に通ずる」をまた実感・・
(私はラブライブを本当に知らなくて聞き間違いかと思っていました。)

そんなこんなで水上バスのヴァポレットにのり、まず宿泊先のアパートへ向かいます。
宿泊先はairbnbで見つけた貸切アパートで、ホストと会う約束をしていたのですが
電話もネットも使えず、列車が1時間遅れたことも伝えられず待たせてあります。
公衆電話も見当たらないしとにかく急ぎます!

つづく

(写真・文・絵 yamamoto)

フランス在住の風来坊

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