人類滅亡を今か今かと何十年も待っている皆様、お待たせ致しました。
すでにお気付きかとは存じますが、滅亡するするするする言うもののちっとも滅亡なんかしやしない現状にシビレを切らすこと17年目を迎えましたね。
思えば1999年7の月、ノストラダムスの大予言からスタートした人類滅亡カウントダウン。世界各国でわりとウェルカムオープンでしたが恐怖の大王はお越しになりませんでした。仕切り直しを何度もしながら予言らしき噂を小耳に挟めばここぞとばかりに人類滅亡カウントダウンを更新してまいりましたが、これまでの滅亡予言はめっきり戯言になってしまいました。滅亡を心待ちにしている皆様におかれましては、案の定といったご心情かとお察し申し上げます。
【次なる滅亡予定日は2017年5月15日です】
さて、今回の新たなる滅亡日が2017年5月15日であることの解説をするのに、この日を滅亡日の根拠とする旧約聖書のダニエル書なるものがあるわけですが、これをいちいち引用してそもそもから解説していたら日常が滅亡を迎えてしまうので、電車通勤しながらスマホで立ったまま読み切れる程度でダニエル書の滅亡解説をしていきたいと思います。ながらスマホは自分を見失う第一歩!さぁはりきってスワイプスワイプピンチアウトピンチイン!
まずこのダニエル書は、紀元前6世紀に不思議な霊力を持っていたために宮殿で王の助言者として仕えていたとされる頭脳明晰な美少年ダニエルについて書かれているそうな、ということを頭に置いてください。
とんでもなく昔のイケメンについての書ということです。
内容はどう解釈しても不正解ではないということでよいでしょう。
『イケメン』はいつの世もあらゆる困った事態を収拾する免罪符のようですね。
【ダニエルの書はイケメンの書】
戦争に敗れ捕虜となったイケメンダニエルは宮殿で王ネブカドネザルの助言者として仕えていました。(ネブカドネザルという名前はシャンソンショーと同等に言い難く、またとくにネブカドネザルの名を口に出して言う必要もございませんので、便宜上ここではザル王と表記します)
ザル王はなにかと気になさる性格だったのでしょうね、悪夢にうなされて不眠症になりました。睡眠不足がたたって思考能力の低下が顕著になったのか、なかなか眠れないものだからこの悪夢の意味を解き明かせと言い始めます。
誰に?
そう、それこそがこの書のはじまり・はじまり。
【悪夢の意味を解き明かす人々】
ザル王、国中の「占い師」「魔術師」「祈祷師」「賢者」を招集。
まともなのは「賢者」くらいでしょうか。しかし「賢者」もピンからキリまでいらっしゃいますでしょうね、スキル的に。 賢者になろうと修行中のレベルでまだ凡人という『賢者予備軍』も含まれていたとなると話はややこしくなってきますが、とにもかくにも術師・賢者が集められました。
この夢解きチームの中に、ひときわイケメンのダニエルも居たわけです。
ドコのポジションだったかは不明ですがイケメン占い師ダニエルだとかなりアヤシいですね。
イケメン賢者ダニエルてのは頭悪そうですし。
しかしこのチーム、いずれの人物もザル王の夢を明らかにすることはできなかったようで、怒ったザル王は国中の術師・賢者を抹殺するよう命じます。昔々の王というのは、横暴ですね。 自分の気に入らないことが起こればすぐにひとを殺すのでしょうか。だったら、昔のほうが今よりもよっぽど人類滅亡の危機に晒されていたことになります。ワガママの度が越しているイカレた王が、反抗期の子供みたいに毎日気に入らないという理由でバッカバカとひとを抹殺してたら、賢い民はそのうち気付きます王様をひとりぼっちにして差し上げようと。そこまでしないと事の重大さに気付けなかった王はたったひとりで、人類滅亡という偉業を成し遂げられるわけですね。
【そこでダニエルは考えました】
イケメンダニエルも暴君ザル王が命じた処刑の対象に入っていましたが、謁見を乞い王の前に出たそうな。 どうでしょうか、計算か苦し紛れかの二つに一つだろうことが察せらるるイケメンダニエルのこの謁見は。これが計算ならダニエルは頭脳明晰だったに違いありません。
ザル王が不眠症で寝付けずにそれが悪夢にうなされているからだということで、その悪夢の呪縛を解明しろと、その意味を読み解けと言った時に明確な夢の謎を解けなかったからこそ、国中の術師・賢者は抹殺される羽目になっているのです。
いざ殺される段になってうやうやしく謁見を申し出るイケメンダニエル。
そうでしょうね、ダニエル。
不眠症に悩まされ、不眠の原因が悪夢だと言っている暴君に夢解きをしたところで聞きゃぁしなかったことでしょう、ザル王は。聞く耳を持っているのなら不眠症に陥る前になんからの手立てを打っただろう側近たちの言うことを聞いたはずです。おそらくザル王は日中の活動量が足りていなかった、不眠の原因はソコにあります。
「日がな一日それはもう激しく馬術をエンジョイなさいませ」なんてなことを含めあれやこれやの解決法を側近は具申差し上げましたでしょうね。不眠症にまでなってしまったら緊張と緩和にほどよく安心出来るリラックスと、本人が気付かないストレス発散を加えた日常の自分にはない刺激というのが必要です。けれども側近のアドバイスは聞かなかったでしょう、ザル王は。なんたって夢のせいにしているくらいですからね。
これは負のスパイラルです。世に言うかまってスパイラル。
眠れないんでイライラする→気持ちが高ぶるからリラックス出来ずに眠れない→疲れきって眠れば悪い夢を見る→すぐに起きる→ナルコレプシー状態になる→不安や恐怖から悪夢を見る→やっぱ怖い→眠りが浅くなる→入眠時幻覚+睡眠麻痺→悪夢が原因じゃ~!国中の術師・賢者を呼べ~ぃ!
と、まァザル王はこんなカンジのスパイラルに陥っていたと考えられます。つまりは、かまってほしいわけです。自分の症状を「わかるわかる」と言ってほしいし、自分が思うように納得したいのです。アナタの言う通りよ思う通りよあぁその通りでございますです、という同意が欲しいだけ。よく身の回りにもいますね、かまってほしいから自分に注目が集まるように仕向けますが、そうやって仕向けていることがバレてしまうひと。
当然イヤがられてひとは離れてゆく→それで淋しくなってどんどん仕向ける範囲を広くする→どんどんどんどん嫌われてひとりぼっちになる→だからますます手を広げる→広範囲にひとりぼっちになって気がつけば周りに誰もいない。
それが負のかまってスパイラルです。
【自分が変わることで周りは勝手に変わっていきます】
かまってほしいひとの多くは自分を変えません。
周りを変えようとすることに苦心して自分が見えなくなっていますから、方法が間違っていることには気が付かないのです。この負のスパイラルは決して好転しないのが特徴で、何かや誰かを変えようとしているから上手くいかず、すればするほどドツボにハマります。自分が変われば、何もしなくても好転するのは早いという事実を知らないと、負のスパイラルは終わらないのです。
そのことをイケメンダニエルは知っていて、招集がかかった時には王を納得させなかったわけですね、わざとに。どのような答えでも、きっと王は納得しなかったでしょう、その段階では。王はなだめてほしかっただけなのですから。
しかし王としてのプライドがありますから頭をなでて「よしよしザルちゃん。わかるっわかるよぉ~」なんてやってもらうわけにもいきませんでした。とすれば、ダニエルのほうが一枚うわてだったというわけですね。イライラが最高潮のザル王は何が何でも「皆殺しぢゃ~~~っ!!!」というボルテージでしたから、ダニエルはあえて抹殺されるひとりになったのです。
【イケメンはコミュニケーションをコントロールする術を知っています】
八つ当たりで腹ワタが煮えくり返っているザル王の怒りが、沈静化されるのを待って絶妙なタイミングでイケメンダニエルは謁見を乞いました。
「死の前に何ぞ言いたいことのひとつもあろう、申してみい」
「王様がごらんになった夢ですが、金の頭は諸国を支配するこの国バビロンのこと。その下にできた、銀、青銅、鉄はバビロンの後に代わって興る国のことを示しております」
「なぬ?」
夢解きに信憑性があるかとか、真実かどうかは関係ありません。要は王が納得するかどうかです。王が聞き耳を立てるような内容で、王が聞く耳を持つタイミングかどうかが全てでした。
ダニエルはザル王が聞く耳を持つように誘導しました。
不眠症にイラついていたあの時ではなく死を前にした者が命乞いとして何か言いたげたから言わせてやろうと、暴君の悪趣味が戯言に耳をそば立てそうなシチュエーションをあえて作ったのです。そこでダニエルは、暴君が期待したであろう涙ナミダの命乞いをやったのではなく、ザル王の悪夢の夢解きを行いました。
完璧ですね、ダニエル。
そんな魔法が使えたなんて。
イケメン魔法使いダニエルう~んファンタスティック!
これがもし殺される前の咄嗟の苦し紛れだったとしても、苦し紛れにこんなとんだ嘘八百の夢解きが出来るなんて、やっぱりダニエルは頭脳明晰なイケメンです。ダニエルを見たことは一度もないですが、世渡りの巧さがいかにも美少年っぽいではありませんか。どっちに転んでも、ダニエルは頭脳明晰なイケメンってことですね。
【それでもザル王のビョーキは再発しました】
ダニエルの見事な夢解きに感服したザル王は、ダニエルに高い位を授けました。それからザル王は安眠を貪るかと思いきやまたも不吉な夢を見てしまいます。
天に達するほどの1本の巨木が天使の命令で切り倒される夢だった
これのドコが不吉な夢なのか平和ボケしてしまった私にはサッパリですが、どうもザル王にとっては不吉だったようです。悪魔の命令で切り倒されたらなんか不吉ですが命令したのは天使ですからね、巨木が切り倒されて光でも射しそうなのに不吉だなんて、ザル王はネガティブ思考に支配されていたのでしょう。
【頭脳明晰イケメンダニエルの夢分析はこちら】
人生絶好調のダニエルはザル王の夢解きを行います。
長年の奢りの報いで王が権力を失いバビロンが滅びる
ザル王の夢のどのポイントにこんな解釈が隠れているのか治安の良い日本から一歩も出たことのない私にはサッパリですが、平安時代の和歌なみの解釈が裏に隠れているみたいですね。返歌をひねるのも大変になってまいりました。ザル王が早く次の悪夢を見ないと結末がわかりませんね。
この夢はとある説によると、人類がこのまま驕り高ぶっていると見張りの天使により生命の源である木を切り取られてしまうという警告で、つまりそれは人類滅亡を指す、という人類の行く末の暗示という解釈になるそうな。しかし重要なポイントは、その説の続きなのです。生命の源である巨木は切り倒されてしまい、人類は滅亡するのだけど根と切り株は残されるので、人類が悔い改めれば再び芽を吹き出し生き残る術はある、と。
悔い改めよさらば与えられんの精神ということでしょうか。
ダニエルの書が滅亡するかもと言っています。滅亡はするけどもチャンスはありますいつだってとも言っていますね、解釈的には。だって今までそのチャンスをちゃんとモノにして、地球も人類も滅亡してはいないわけですから。驕り高ぶってはいけないという警告を神がしているのでしょうか。だけど私の知っているいろいろな国においでの神様はみな寛大でしょっちゅう人間を許します。間違っていたと懺悔する愚かな人間を何度も許しているみたいですよ。許されたことを恥じなければならない生き方だけはしたくないものですね。
【ザル王のそれから】
ダニエルによる『警告の報告』ののち、ザル王は徐々に頭がおかしくなり狂死します。ザルJr.が王となりバビロンを治めるようになると、モラルは低下し人々の生活は乱れ拝金主義と、虚飾にまみれた国家は堕落の限りを尽くします。 親の金で遊ぶボンボンたちはパーティーが好きですがザルJr.もご多分に漏れず好きだったようで、ある日、配下の大臣やその愛人たちなどと一緒に盛大な酒宴を思いつき『ベルシャザルの1000人宴会』なる聞くだに呆れる宴を開きました。ベルシャザルというのがザルJr.の名前です。
贅沢に揃えたありとあらゆる美酒や料理、低俗な娯楽と淫らなショー。大勢の男女が入り乱れての大乱交が始まったその瞬間、突然、空中に白い手だけがスーッと現れて指で壁に血文字を描きました。ここでもイケメンダニエルは大活躍。壁に描かれた謎の文字の意味を解きます。
「現れた手は、バビロンに下された裁きの手です。文字は“メネメネ・テケル・ウパルシン”。メネメネは「数える」の意。神があなたの悪業を数えた。テケルは「測る」の意。神があなたの中身を測ったところ人間としての量が足りなかった。ウパルシンは「分ける」の意。この都もあなたも滅ぼされ分割されてしまうだろう。つまり神からの終わりの宣告です」
ダニエルの予言通りその夜のうちにバビロンはペルシャに滅ぼされ、ベルシャザルも殺害されました。予言者なのでしょうか、ダニエルは。
イケメン予言者ダニエルじつに胡散臭いですね。
ダニエルは相当に信じられていた存在だったのでしょう。信じ切っていると、その人の言葉の暗示にかかりやすいものです。催眠術師でしょうか、ダニエル。イケメン催眠術師ダニエル世が世なら持て囃される時代もあるのですが、残念ながら2016年現在、そのブームが終わってしまっているのは周知の事実です。
【結局ダニエルのポジションは暫定でイケメン予言者ダニエルになりました】
こんなにダニエルを語ってきたのに私は、いまいちダニエルのポジションがわかりません。ダニエルの持つ不思議な力とはこういうところかもしれませんね。何者なのか?の答えがハッキリとはわからないところ。洗脳に近い状態を生み出す言葉巧みな誘導者だったということが、彼の才能だということでしょう。不思議な力を持つイケメン予言者ダニエルが、とうとう人類の未来に関わる予言をしているのではないか、と言われている内容が以下の言です。
「エルサレムを建て直せという命令が出てから、メシアなるひとりの君が来るまで、7週と62週あることを知り、かつ悟りなさい。その間に、しかも不安な時代に、エルサレムは広場と街路とをもって、建て直されるでしょう」
これは人類の未来に関わる予言でしょうか。私には人間の知恵を総動員させてエルサレムを立て直せという意味に読めますが。疑問に思わなかったのでしょうか、イケメン予言者ダニエルはなぜにメシアなるひとりの君が来るまで7週と62週あるという言い方をしたのかを。
ユダヤ密教では神の1週間を1年と象徴することがあり、そうすると週を年と換算し69年ということになるそうな。つまりエルサレムの回復1948年5月15日+69年=2017年5月15日と考えられ、メシア(救世主)は終わりの日から救うために来るのだからそのとき同時に、何か人類に破局的な出来事が起こる可能性があるのでは、という解釈があるとされているのです。
足して69週だとの解釈でいいのでしょうか。それならイケメン予言者ダニエルだって最初から69週と言ったはずです。区切りがあるから7週と62週に分けていると解釈出来る可能性があると仮定しましょう。そうすると話が違ってきますよね、つまりメシアは2回来るのです。
【2017年の滅亡を阻止するのはアナタかもしれません】
7週は7年後の1955年5月15日。
この日に救世者がやって来て何かのきっかけをくれたようですね。
さて、何が起こったのでしょう。
1955年5月15日のこの日、オーストリアと米英仏ソがウィーンのベルヴェデーレ宮殿で「オーストリア国家条約」に調印。オーストリアは完全な独立を取り戻しました。この時の調印の儀を行った人々がメシアだったのかもしれないですね。ソ連のモロトフ外相、アメリカのダレス国務長官、イギリスのマクミラン外相、フランスのピネー外相、オーストリアのフィーグル外相、これらの人物が隠れメシアだった可能性が高いと勝手に踏んでおきます。
さて残るは62週のほうですね、62年後ですから2017年5月15日となります。
大きな志をお持ちの、政治家の皆様、外交官の皆様、はたまたジャーナリストの皆様、次回のメシアはアナタかもしれません。世界を突き動かすような、民を思う賢くてイケメンに満ち溢れた誘導を、何卒よろしくお願い致します。
※全作画:山田課長