ラーメンに体を売り、カレーに魂を売った筆者ですが、なんとなく”餃子”も始めました。
個人的には、もっとライトで健康的な料理をターゲッティングすべきかとは思うのですが
「餃子って美味しいよね?」
みたいな誘惑には勝てません。我慢するのも健康的にはマイナスな面もあるので、ココは本能の赴くままに進むべきかと存じます。
というわけで、『スイートポーヅ』の餃子に迫ってみようと思います。
1955年創業!『スイートポーヅ』
昭和30年に神保町の”すずらん通り”にオープンした『スイートポーヅ』ですが、その原点は第二次世界大戦中の満州にまで遡る事が出来ます。
満州から帰国後の昭和11年に『満州食堂』をオープン。大陸から引き揚げた人達を相手に餃子などを提供していました。
そしてついに餃子専門店となり、今の場所に餃子専門店『スイートポーヅ』が生まれたのです。
その歴史は、まさに日本の餃子の歴史そのもので、この『スイートポーヅ』が日本の餃子の原点のひとつである事は、間違いないでしょう。
つまり!
筆者が餃子を極めんとするならば、まずは『スイートポーヅ』の餃子を食べるのが筋なのです。
『餃子』以外のメニューは13時以降
ちなみに『スイートポーヅ』は13時まで餃子や餃子定食のみで、『水餃子』や『天津包子』がオーダー出来るのは13時以降となるようです。
餃子には小皿(8個)中皿(12個)大皿(16個)があり、さらに定食スタイルにする事も可能になっています。
ちなみに中国では餃子の場合、縁起を担いで”八個”にする事が多いので、この『スイートポーヅ』の餃子が8個なのも納得です。
筆者はこの日も連食なので単品にしておきましたが、ほとんどの人は定食を食べていました。
『餃子 中皿』を食す!
というわけで、筆者の前に『餃子 中皿』(750円)が現れました。
「ん~ 素晴らしい餃子ですね~」
この香ばしそうな焼き目こそ、焼き餃子の醍醐味ではないでしょうか?
卓上には各種調味料があり、好みに応じてタレと言うか醤油に味付けをする事が出来ます。
ちなみに一番右の白い器には”ラー油”ではなく”和からし”が入っていました。
餃子の常識を覆す『スイートポーヅ』の餃子
まず、この『スイートポーヅ』の餃子は豚肉主体で、白菜以外の野菜はほとんど入っていません。なので”ニラ”とか”ニンニク”などの餃子のセオリーは通用しません。
しかも!
餃子の皮を閉じていないと言うスタイルで御座います。
あえて餃子の皮の端を閉じない事で、肉汁と一緒に餃子の皮を焼き上げるのが美味しさの秘訣らしいです。
そう言えば、筆者が台湾で食べた棒餃子的な鍋貼餃子も、端っこはオープンされていましたね。
ちなみに本場中国の餃子も、餃子自体にはニンニクは入っておらず、調味料的なタレにニンニクやパクチーなどの薬味を入れたりします。
あと、流石に中国でも”ニンニクをかじりながら餃子を食べる猛者”とか見た事ないので、もしも中国に行ってもそういうワイルドな食べ方はしない方が無難ですよ。
閉じなくても肉汁感あふれる餃子に感動!
とはいえ、餃子の皮が完全に閉じられていないと、多少の不安は残ります……
本当は肉汁なんか餃子の中に残っていないんじゃないでしょうか?
「安心してください、入ってますよ」
豚肉主体の餃子なので、ちょっとやそっと肉汁が流れたところで、まだまだ餃子の中には肉汁が残っています。
また流れ出た肉汁と多めの油で焼き上げる為に、この『スイートポーヅ』の餃子の皮は独特の美味しさがありますね。
『スイートポーヅ』 総評
まさに日本の餃子の原点とも言える歴史を誇る『スイートポーヅ』は、ある意味”餃子マニアの聖地”と呼べるんじゃないでしょうか?
まあ、厳密には”前日の残りの茹で餃子を焼いた説”が日本の焼き餃子の元になったとも言われていて、この端っこを閉じないスタイルは
「鍋貼」(グオティエ)
と呼ばれる鍋貼餃子的なモノに近いと思われます。これは元から細長い棒状の形をしていて焼く事を前提にしているので、前日の残りの餃子を焼いたのとはちょっと違うかもですね。
しかし!
そんな餃子の起源とか元祖とか抜きにして、この『スイートポーヅ』の餃子は注目すべき一品である事は間違いありません。
またニンニクを使っていないので、仕事の合間のランチとしても優秀な餃子かと存じます。
それでは、是非みなさんも神保町に寄った時は、餃子の美味しい『スイートポーヅ』に訪れてみて下さい。
『スイートポーヅ』
東京都千代田区神田神保町1-13-2
営業時間 火~金 11:30~15:00 16:30~20:00
土曜日 11:30~19:30
定休日:月曜、日曜(日曜日は営業する日もあり)