15歳といえばまだ少女と呼べる年頃だ。日本で言うとこの3月に中学を卒業する、そんな幼い15歳がアメリカのニュースで報道されている、しかも殺人事件である。ブルックリンに住んでいるこの少女は先月の12月、自宅で母親を銃で殺害し、母親のボーイフレンドをも銃で殺害し、更にボーイフレンドにはナイフを使って止めを刺している。
少女の住まいは集合体のアパート群で、自宅で発砲すれば近隣から警察に通報されてもよさそうなのに、先月起きた事件から年を越すまで発見されていなかったことになる。少女は15歳で殺人犯となり、しかし、その意識は低かったらしく大みそかには世界的に有名なタイムススクエアーのカウントダウンに繰り出しているのが驚きだ。
凶器の銃は友人から手に入れたとのことだが、わずか15歳で友人から銃を調達できるアメリカという国の底なし的な規制の緩さ。アメリカでの殺人事件で殺害方法は圧倒的に銃使用が多い。合法的に銃を手に入れたケースより、今回のこの違法で入手し、それが殺人事件に繋がることが多いだろう。
アメリカでも子供が親を殺す事件は起きているだろうが、日本の比率に比べれば低いと思う。だから15歳の少女が母親とそのボーイフレンドまで殺害した事件は衝撃的だった。ただ、日本人としてアメリカに生活している私の感覚は、その15歳の犯人少女の実名もまた顔写真のアップも報道されるアメリカの潔さに改めて驚かされているのである。
日本でこのような事件が起きたら、少年法の隠れ蓑で親殺しの殺人鬼はマスコミは仮名扱いで、当然写真などは発表しない。日本には日本の法律があり、それに則っているのなら、未成年の犯罪として殺人鬼のプライバシー保護を死守すればいい。しかし、加害者は守られて被害者は名を晒されおまけに写真は容赦なくテレビ、新聞、雑誌に出続ける、この矛盾はどう考えてもおかしい。
未成年の殺人鬼たちは、後に誰かに養子縁組され名前を変え、そして何事もなかったように社会に出てきて、職を得たり、結婚したりする。人間は過ちを犯す。殺人者にも更生の機会が与えられ、まともにこれからの人生を歩む人もいることだろう。
しかし、少年犯罪は増えていて、年を増すごとに残忍になってきている気がする。もうそろそろ悪たれ未成年たちの特に殺人鬼のプライバシー保護はやめにした方がいいのではないかと考える。アメリカでは15歳の少女が殺人事件を起こした場合『少年法で顔も出しません、実名も報道しません』というような生易しい日本的処置はしないのである。堂々の顔出し、堂々の実名報道。
それでも日本はアメリカに比べ殺人事件は圧倒的に少ない。しかし、少年法で殺人鬼をこれ以上守る必要はないと思うし、アメリカの厳しき報道のあり方を参考にする価値は十二分にあると思う。
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