小豆の遺伝子をほぼ解析 3年後に大豆より大きな小豆ができる?

  by 松沢直樹  Tags :  

菓子類などの原料として需要が高い小豆(あずき)。
身近な穀物ですが、豆類の中では粒が小さくて収穫が大変な上に、年によって出来不出来があるため、食品産業の需要を満たす生産が難しいとされてきました。
そんな小豆の問題を腐食する画期的な研究が発表されました。
去る11月30日、農業資源生物研究所と沖縄総合研究所は、小豆の遺伝子をほぼ完全に解析したと公表しました。

英国の科学雑誌「Scientific Reports」に11月30日に掲載された同研究によると、今回遺伝子解析に成功した小豆は、広く栽培されている「しゅまり」という品種。今回に研究を応用すると、耐寒性や耐熱性も改良できるため、日本中の様々な地域で小豆を栽培できるようになるとのこと。
それだけではありません。この研究でもっとお注目されているのは、大豆より大きな小豆の生産が、ほぼ可能になったということ。

農業資源生物研究所が他の豆類で確認していた、豆の大きさを制限する遺伝子が小豆にも存在することをつきとめたためです。小豆のこの遺伝子の機能を失わせれば、小豆の粒が大豆よりも大きくなるそう。同研究所では、この遺伝子を制御することで2~3年後には、大豆よりも大きな小豆を結実させたいとしています。

一般的に、粒が大きくなると大味になるといわれています。もし大豆より大きな小豆が従来の小豆と食味が変わらないとしたら、どちらかといえば高価なイメージがある和菓子が、もっと身近になるかもしれませんね。

※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2015/02/04-392482.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長