人工知能(AI)は、靴を売ることができるだろうか?2015年11月17日
By Elizabeth Dwoskin、WSJ
小さなスマートフォンの画面で、オンライン店舗において、膨大な数の商品の写真を参考にして、自分に最も適した商品を探すことは、ユーザにとって、気の遠くなるような経験になるだろう。
人工知能(AI)技術を使用した、ソリューションを提供できると信じている、靴の小売業者がいる。
靴をオンライン販売する、Shoes.comは、AI専門家のSentient Technologies Holdingsと提携して、Canadianドメイン(www.shoeme.ca)で、靴を探すための、新たな方法を提供するようだ。
近く開店する、新たなShoes.comサイトは、標準のフィルタ検索に加え、「ビジュアルなフィルタ」オプションを提供する。
このオプションを提供する、ソフトウェアは、ユーザの振舞いを検証することにより、ユーザの好みを学習することを試みるようだ。
Shoes.comによると、AI技術を採用した、ビジュアルなフィルタは、ユーザの好みに基づいて、靴の一連の画像を提供し、ユーザが検索しているものに、最も似ている写真をクリックするよう誘うという。
このソフトウェアは、ユーザの好みの理解を深めるために、継続的に、新たなオプションを提案する。
Shoes.comによると、例えば、このソフトウェアは、ユーザが、紫色の雨靴をクリックすると、さまざまな濃さや色合いの紫で、柄やデザインが異なった、いくつかの雨靴を表示するという。
ユーザは、このソフトウェアで、靴に付ける、レースのデザインのオプションを選択することもできる。
人工知能(AI)は、シリコンバレーにおいても、比較的、ホットな技術になっている。
ユーザの好みに合った、微妙なパターンを見つけることができる、AI技術を採用した、このソフトウェアは、ユーザが、尋ねる前に、ユーザの欲しいものを供給するために使用される。
Shoes.comのCIO、PJ Worsfold氏によると、新たなオプションで、ユーザが、より迅速に、望んでいたものを見つけるのを助けることにより、ショッピング経験を効率化するのを支援できるようになるという。
Worsfold氏によると、ときどき、ユーザは、オンライン・ショッピングにおいて、選択オプションが多いことで、自分に最適な商品を決定する上で、泥沼にはまることもあるという。
Worsfold氏は、AI技術を使用した、この新たなソフトウェアが、ユーザの好みを広げ、流通を拡大させることを期待していると述べた。
Worsfold氏によると、視覚的な発見方法が、現在のオンライン・ショッピングの機能よりも、より多くのクリック、より多くの対話、より多くの購入を促すかどうかを学ぶことを計画しているという。
視覚的なフィルタの利点は、shoes.comが、既に、サイズ、幅、ブランド、価格、および、タイプといった、多くのフィルタリング・オプションを提供しているので、あまり明確ではなかった。
AI技術を使用した、新たなソフトウェアで、消費者は、自然言語を使用して、自分に最も合った商品の検索を、かなり、リファインできるようになるという。
このソフトウェアの、新たな方式は、e-コマースが、小売のパイを大きく拡大させるのを支援するだろ。
U.S. Census Bureauが、2015年8月にリリースした調査レポートによると、2015年2Qにおける、米国の小売業者の、e-コマースによる売上は、前年同期から、14.1%増加したが、成長はフラットになりつつあるという。
ちなみに、2015年2Qにおける、米国の小売業者の、e-コマースによる売上は、米国の小売販売全体の、7.2%を占めている。
Forrester Researchのアナリスト、Sucharita Mulpuru氏によると、視覚的な検索は、e-コマース会社の、長年の挑戦であるという。
Amazon.comは、2010年に、ビジュアルな検索機能と、「これに似ている商品(Items That Look Like This)」機能を、製品の詳細ページにおいて提供を発表している。
その時のプレスリリースで、Amazonのソフトウェアは、商品の形状、外観、よく似ている商品の分類で、製品の画像を分析していると紹介されていた。
Amazonでは、現在、「この商品を見た人は、こんな商品も見ています。(Customers Who Viewed This Item Also Viewed.)」という、タブで、他の商品を推奨している。
AlphabetとYahooは、技術は、完全でなないが、写真でオブジェクトを選ぶことを試みるツールの提供を開始している。
Pinterestは、ユーザが、同社のSNSサイトで、商品の写真を見つけ、ショッピングするのを支援するための、ツールの提供を開始した。
写真のマーケットプレイス、EyeEmでは、パブリッシャーが、視聴者に、最もアピールする、写真を見つけるのを支援する、ビジュアルな発見エンジンを使用している。
Sentientは、同社の創設者、Antoine Blondeau氏が、Appleの人工知能パーソナル・アシスタント、Siriの背後にある技術を開発するのを支援したので、この分野における重鎮であると考えられている。
このスタートアップ、Sentientは、金融取引のために、AIを使用することを提起し、1億ドル以上の資金を集めた。
Antoine Blondeau氏は、AI分野のコンピュータ科学技術者の多くが望んでいる、ヘルスケア、医療リサーチ、マルウェアの検出、および、公共の安全などの分野に、ビジネスを広げることを望んでいると述べた。