公開中の映画『ヒミズ』で話題の女優、二階堂ふみさんが、1月20日にファーストフォトブック『進級できるかな。』を発売した。
昨年、映画『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』で、女子高生棋士という役を演じ、鮮烈な印象を残した彼女。『ヒミズ』では、染谷将太さんとともに主演を務め、ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げた。
彼女の魅力は、全てを破壊するような力強い美しさだ。『ロックンロールは鳴り止まないっ』では、伝統に縛られた将棋の世界を、『ヒミズ』では、絶望にとらわれた少年の心を、彼女はものの見事に破壊してみせる。その姿は痛快で感動的だ。
特に『ヒミズ』は、昨年の大震災を受けて、脚本が大幅に書き変えられたという。元々のストーリーに加え、震災で傷ついた人の心を励ますようなエピソードが加えられたのだ。二階堂さん演じる茶沢景子は、その震災によって傷ついた人たちの悲しみをも破壊する。
絶望に打ちひしがれた時、その心を立ち直らせるのは、温かく包みこむ人だけではない。その絶望を自分のものとして対峙(たいじ)し、爆発するような強さを持ってそれを破壊するのもまたひとつの方法なのだ。
今回発売したフォトブックでも、そのスタンスに変わりはない。そもそも『進級できるかな。』というタイトルからしてすでにただ者ではない。
高円寺を中心とした東京の街中、二階堂さんはさまざまなポーズでフレームに収まり、その写真にどこか鋭さを持った言葉たちが重なる。それにより、どんな場所、どんな衣装であっても“二階堂ふみ”の色に変えてしまう力がある。
オビに書かれたコピーは“青春こじらせ系”。
中盤にある、“謎の親友『藤下』さん”との対談や、その後のロングインタビューを読めばその言葉が納得できる。ある意味で、映画やドラマで見ている限りの“二階堂ふみ像”を思いきりぶち壊してくれるだろう。
どんなメディアでも、どんな枠をはめられようとも、自分自身の生き方を変えたりしない。まっすぐに先に進んでいるかどうかなんてわからない。でも、横でも上でも斜めでも、自分の色をもって進化していけばいい。この一冊を読んでいるだけで、彼女のそんな生き方が伝わってくる。
とにかく見てもらいたい、この娘、かなりの大物である。
※画像はSony Music Aartists 二階堂ふみ公式ホームページより http://www.sma.co.jp/artist/profile/index/62
