”デカ盛り”メニューの定番と言えばカツカレーが王道ですが、チャーハンもなかなかの盛りで提供してくれる店がチョイチョイあります。
しかし!
ここ数年で”デカ盛りチャーハン”は絶滅の危機に貧していると、筆者は感じています。
例えば横浜にある『横浜市中央卸売市場』にあった伝説の店『市場食堂 秋葉屋』もデカ盛りメニューを全て廃止、その後は”おにぎり屋さん”と迷走した挙句、現在は営業していません。
かつては『鶏肉チャーハン大盛り』で名を馳せた、井土ヶ谷の『チャイナ飯店』は
「大盛りは一切しません!」
と言う張り紙で”大盛り完全拒否”で御座います。このままでは、22世紀を迎える前に”デカ盛りチャーハン”は絶滅すると思われます。
絶滅危惧種”デカ盛りチャーハン”を探せ!
ここは神奈川県相模原市の平静な住宅街にある、とある焼肉屋さん。しかし、その店は”焼肉”だけにとどまらず
「大人のファミリーレストラン」
と呼ばれる程に、多くのサイドメニューを揃える謎の店でもあります。
しかも、ちょいちょい大盛り、むしろデカ盛り系の店でもあり、ソッチ方面の玄人達にもマークされています。
と、言う訳で筆者もアレやらコレやら食べて来たのですが、基本的にこの店の”御飯系”は危険なので避けていました。
しかし!
そろそろチャーハンにも行っておかないと”ネタ切れ”の可能性も否めないので、常にタイミングを狙っていました。
幸いにもこの日は6人でパーティーを組んだので、千載一遇のチャンス到来かと存じます。
「ぶっ込むなら今しかない!」
と、言う訳でついに筆者にも”チャーハン”をオーダーする日が訪れたのです。
まずは焼肉を堪能すべし!
そんな感じで、確実に本日のターゲットは”デカ盛りチャーハン”なのですが、一応は焼肉屋さんなので焼肉をエンジョイしましょう。
この日は凄い肉が沢山あったので、ざっくりと
「全種類食べたいです」
みたいな大雑把なオーダーにしてみました。これが大人の焼肉で御座います。
この店の肉について語ると、それまた長くなるので割愛しますがハッキリ言って焼肉は異次元の美味しさです。
『五目チャーハン』(600円)を所望する!
基本的にはハセラーの中でもランクが高い”ハセリスト”がオーダーの最終決定をするのですが、筆者が
「五目チャーハンをお願いします」
と言った時の、同じテーブルに着いていたパーティーの
「マジっすか!!」
みたいな反応が新鮮でした。最近は無理な戦いを避けて”比較的安定したメニュー”ばかりだったので、ちょっと油断していたようですね。
そして厨房が見える位置にいたメンバーは
「アレ、ヤヴァイって!」
を連呼し、テーブルは一気に”お通夜”ムード満開で御座います……。
ここでいかにモチベーションを高めるかが肝なのですが、この状況では何を言っても無駄なので、静かにチャーハンの完成を待ちます。
そして、我々のテーブルに件のチャーハンが運ばれて来た次第です。
大きな皿に山盛りなチャーハンは、目測で1300グラム、皿を持った感じでもそのくらいの重さですね。
あえて”チャーハン大盛り”とは言っていないのですが、この店の御飯系は常にこんなビジュアルばっかりなので注意して下さい。
600円デカ盛りチャーハン=史上最強のコストパフォーマンス
とにかく色々とヤヴァイですね。
こうなる事は分かっていたので筆者的には問題ないのですが、仲間は絶望ムード全開です。
しかし!
一口食べてみると意外にも美味しいチャーハンだったりするのです。
この見た目のギャップと言うか、やたらボリュームがある割には、料理自体は繊細で美味しいのが、この『焼肉はせ川』の特徴とも言えるでしょうか?
すると途端にパーティーの面々は歓喜し、あっと言う間に大皿に盛られたチャーハンは無くなりました。
これは、もしかしたら当たりメニューかも知れないですね。
チャーハン自体の味付けは、まさにチャーハンそのもので、特に突出したモノはないのですが文句なしの美味しさです。
あと、600円と言う激安設定にもかかわらず、具が多いのでチャーハンとして優秀です。流石は『五目チャーハン』と名乗るだけの事はありますね。
「量が多いと作るの大変なんだよね」
と語る店主ですが、その笑顔の裏側に見え隠れする”ドヤ感”を筆者は見逃しませんでした。
筆者もチャーハンを作っている所を目撃した事があるのですが、大きな中華鍋でも炒めきれないので二度に分けて炒めていました。
本業は焼肉屋さんなのですが、サイドメニューにも手を抜かない姿勢はリスペクトです。
『真空しゃぶしゃぶすき焼き地大吟醸麺』
そして!
思いの他”美味しかったチャーハン”でモチベーションが上がった筆者達は、怒涛の攻めを始めます。
まずは、この店の”お約束”と言えるラーメンは食べておかないとです。
と、なると前回食べて美味しかった『真空しゃぶしゃぶすき焼き地大吟醸麺』(900円)がベストでしょうか?
約1名”重度の酔っ払い”が居たので”絵”を抑える前に手を出されてしまいましたが、相変わらずの安定したビジュアルで御座います。
丼を鍋で受けるスタイルは、恐らくこの店だけではないでしょうか?
イベリコ豚のチャーシューも抜群の美味しさですね。
さらに!
製麺屋さんに特注して作らせた『大吟醸麺』は、ラーメンマニアなら必食かと存じます。
「今までの麺はなんだったのか?」
コストを度外視して素材から作り方まで吟味すると、麺はここまで美味しくなると言うのが実感出来ます。
あと、例によって例のごとく、何故かラーメンを頼んだらラーメン&ラーメンが出て来た次第です。
こうなるであろうと予測していたので、さしてサプライズ感はないのですが、こんな感じの店なので初めて訪れた人は
「控えめなオーダーに徹する!」
のがベストかと存じます。サイドは一品くらいで最後のデザートで腹具合を調整して下さい。
デザートは『ベリーモンブラン』(350円)で締める!
最後はデザートでフィニッシュです。
この日は6人だったので余裕と言えば余裕だったのですが、約1名が
「肉しか食べない」
と言う、人として微妙な立ち位置のメンズが入っていて、他1名は泥酔していたので残り4名が頑張った結果と言えるでしょうか?
「焼肉→サイドメニュー→ラーメン→デザート」
この理想的な流れを作れるか作れないかが、この店では非常に大事なのです。
今までの凶悪なグラフィックから一変、やたらと乙女チックな絵に変わりましたが、それは孔明の罠です。
良く見てみると、縮尺がおかしいと思いませんか?
この店はチャーハンだけではなく、色々なモノが”デカ盛り”なので初心者は自分の腹具合を常に意識して、料理を残さないように努力しましょう。
ちなみに味はイイ感じで、あまりデザートを欲しない筆者でもペロリと食べられました。
ベリー系の甘酸っぱさが、ラーメンの後には丁度良いですね。
構成としてはストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、スポンジ生地、ベリー風味のクリーム、ベリー風味のアイス、ミントの葉となっております。
『五目チャーハン』 総評
とにかく”デカ盛りチャーハン”としては、恐らく地域一番のコストパフォーマンスを誇る『焼肉はせ川』のチャーハンですが、特筆すべきはボリュームではなく味の方でしょう。
その見た目と裏腹に繊細な味付けは、タダの焼肉屋さんの範疇を越えていますね。唯一の難点は、あくまでも焼肉屋さんなので
「肉を食べなければならない」
とか、店が完全予約制なので飛び込みで入っても食べられない事でしょうか?
もっとも、このチャーハンの化け物は毎日食べるモノではなく、数人でたまに食べるから有り難いメニューなのかも知れません。
若干、そのボリュームやコスパが注目されがちですが、何気にチャーハンとしての完成度も高いので、人数を揃えて食べて欲しいメニューのひとつで御座います。
それでは、是非みなさんも『焼肉はせ川』の『五目チャーハン』を食べに予約して訪れてみて下さい。
何度も言いますが”超絶完全予約制”なので、予約無しで訪れても100%入店出来ないので、そこら辺はよろしくお願いします。