もし、秋の声が聞こえるとしたら、きっと切ない声で語り掛けるのだろう。
ボクは旅をしている。あての無い人生という旅を・・・。
という気障な台詞はさておき、荒涼としたすっかり切り取られた田園風景を見て切なさを感じたのは確かだ。祭りの後の空虚感に通じる感慨深い気持ちは何なのだろう。
日を受けて見方によっては黄金色にも見える。にもかかわらず、淋しさはひとしおである。
秋は暮れゆく、列車に乗って、私は北へ向かいます。冬を追い越しその先の、春を求めて向かいます。
暮れゆく夕日は、ココロの秋か、闇を恐れて怯えて震える。冬の寒さも斯くありき、ココロの声も斯くありき。
なるほど、この感情、この切なさや淋しさは人類のDNAが持っている来るべき冬への恐れかも知れないと妙に納得したものである。