横浜の老舗洋食 センターグリルで 特製ふわとろオムライスを食す

横浜といえば、みなとみらいや中華街といった地域が、観光では有名かもしれません。
東急東横線からみなと未来線が直接乗り入れているので、埼玉・東京方面から来訪しやすいというのもあるでしょうね。

そのこともあってか、横浜といえば中華料理というイメージを抱く方が圧倒的に多いようです。
実は、昭和の香りがする洋食から本格フレンチや粋な和食まで楽しめる地域があります。それが、日の出町・長者町地域や野毛(のげ)です。

京浜急行日ノ出町から、徒歩5分ほどの場所ですが、かつては風俗店などが乱立するなどといった理由で、女性の方が一人で出かけるには、ちょっと抵抗があるといわれていました。
最近は、再開発と区画整理が進み、食を楽しみたい方は、女性の方一人でも入れる雰囲気の良いお店が増えています。
ちなみに、京浜急行さんが、日の出町や野毛の洋食を楽しむイベントをやってらっしゃいます。ひょっとすると、京浜急行線を利用される方は、野毛地区の洋食店をフィーチャーしたイベントのポスターをご覧になったことがあるかもしれません。

日の出町・野毛の洋食とういうと、「すいれん」ほか、昭和の洋食が楽しめる名店も少なくありません。
迷うところですが、本日うかがったのは、センターグリル。

花咲町の提灯が下がった門の隣のお店なので、見つけやすいと思います。

看板左下の「ナポリタン」にお気づきでしょうか? 実は、茹でたパスタをケチャップで炒めるスタイルの「ナポリタン」を最初に提供したのは、このお店だといわれています。1946年創業だそうですから、今年で69年目なんですね。

1階は、席数が少ないので、大体2階席に通されることが多いですね。写真をとるのは忍びなかったので、お外から撮影させていただきました。

2階のお席は、採光がしっかりした硝子窓が全面に張ってあるので実にいい雰囲気です。お冷やをいただくグラスも、テーブルにあらかじめセットしてあって、備え付けのポットでお茶を楽しむスタイル。小洒落た昭和の食堂のようなイメージで、御年47歳の僕は、子供のころ両親にデパートの屋上の食堂に連れてきてもらったことを思い出して、少々感激してました。

さて、何をオーダーするか。ハンバーグや、上ランチも捨てがたいですが、今回は特製オムライスをオーダーすることに。
卵料理、特にオムライスは、技術力で味にはっきり差が出るので、オムライスがおいしいなら、他の揚げ物系メニューも美味しいだろうとふんだわけです。

特製オムライス(850円/サラダ付き1070円)

ウエイトレスさんが、スプーンにナプキンを巻いて運んで来てくれるのが、昭和テイストで素敵ですね。
それとこの、ステンレスのプレート。昭和の洋食の雰囲気MAX!

結構なボリューム。

では早速いただきます。ふわとろ卵で包まれたライスは、ケチャップで炒めてあるのですが、ほんのりバターの香りが利いていて、酸味がきつくないケチャップライスなんですね。昭和のオムライスといえば、ケチャップライスをオムレツで巻くのがスタンダードなスタイルでしたが、こちらは、ケチャップライスの上に、流行のふわとろオムレツを上からかぶせるスタイル。
トラディショナルなスタイルに、最近の流行をうまくマッチさせています。いや脱帽ですね。

デミグラスソースも、非常によく煮込まれていて、トマトなどの野菜の酸味のきつさが全く感じられません。かといって、味が濃すぎるというわけでもありません。後味がしつこく残らない濃厚な風味という、相反する味の要素が共存しているという、なんとも不思議なバランスの味でした。

女性クルーと同行して取材しましたが、彼女もしっかり完食していました。二階の席は、ノスタルジックで落ち着いた雰囲気なので、彼女さんデートに誘った時は、特製オムライスを勧めてみると喜ばれるかもしれませんよ。

米国風洋食センターグリル
〒231-0063
神奈川県横浜市花咲町1-9
TEL(045)-214-7327
http://www.center-grill.com/menu.html

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長