Dellは、データ・ストレージのプロバイダ、EMCを、クラウド市場への対応を強化することを狙って、670億ドルで大型買収する計画である。 2015年10月12日
By Greg RoumeliotisとJim Finkle、Reuters
コンピュータ・メーカのDellは、企業データを保存し、管理する、クラウド市場へのシフトを試みるために、データ・ストレージ会社のEMCを、670億ドルで、大型買収する計画である。
この買収は、世界のあらゆる分野における、2015年の3番目に大きな買収になる可能性がある。
買収取引は、世界でNo.3のコンピュータ・メーカ、Dellが、クラウド・ベースのデータ・サービスのビジネスを強化し、現在、停滞している、消費者向けPC市場から、多角化するのを助ける意向のようだ。
Dellのライバルで、世界でNo.2のPCメーカでもある、HPは、2015年に、コンピュータとプリンタの部門を分社化し、エンタープライズのデータ・ビジネスに焦点を合わせる。
IBMは、10年ぐらい前に、PC部門を、Lenovoに売却している。
Dellのサーバ部門と、EMCのストレージと仮想化ソフトウェア資産(VMWare)を結合することにより、Dellは、クラウド・コンピューティング、モバイル、および、サイバー・セキュリティの分野で、Cisco Systems、IBM、および、HPに挑戦するための、広範な製品やサービスを提供するようになる。
Dellは、消費者向けの製品に強く、EMCは、エンタープライズ製品を持っているが、完全なパッケージを持っていない。
Dellは、EMCの株を、1株当り24.05ドルを支払い、EMCの株主に、Dellの特別な株を与えるようだ。
クラウド・ベースの仮想化ソフトウェア・ベンダ、VMWareは、公募会社のまま残る見込みである。
しかし、FBR Capital Marketのアナリスト、Daniel Ives氏によると、VMwareは、同社の有能な従業員が、Dellに移籍してしまい、同社の技術力が低下することについて、株主が心配しているという。
EMCの役員会は、Dellとの合併を承認し、株主も、この合併を承認することを推奨するだろう。
この合併に合意することには、EMCが、他の会社から、入札を請求する、60日間のGo-Shop条項(M&A契約において、本契約締結「後」に、当事者双方が合意した一定期間、売主が他の買主候補を積極的に探し、交渉することを認める条項)が含まれるという。
買収や合併に詳しい人によると、IBM、Cisco、Oracle、HPは、潜在的に、EMCに対する提訴人に成り得るが、Dellに挑戦するチャンスは、あまりないという。
Michael Dell氏は、Silver Lakeの支援を得て、PCメーカであるDellを、2年前に、250億ドルの取引で、個人の非公開企業にした。
DellとEMCが合併した会社は、320億ドルの新たな取引、および、不特定の量の再融資されたEMC負債と関係し、約500億ドルの負債を持つようになるだろう。
EMCは、情報が公開されていなかったときに、名前を出さないように依頼した。
Dellの所有者は、新しい株として、30億ドル以上を投資するだろう。
Dellは、最初に、2014年10月に、HPとEMC間の取引の状況を見て、EMCに接近した。
Michael Dell氏は、2015年1月に、ダラスで開催された、World Economic Forum Annual Meeting 2015で、EMCのCEO、Joe Tucci氏に会い、買収交渉が開始された。
DellとEMC間の交渉は、最近の2ヶ月間に、激化している。