UPSが、3D印刷サービス・センターの運用をテストする。

  by iikura  Tags :  

 UPSは、新しい3D印刷技術が、同社のビジネスを支援できるかどうかを知りたいという。2015年9月18日

 By Lindsay EllisとLaura Stevens、WSJ

 Louisville、Kyのハブにおいて、United Parcel Service(UPS)は、iPhoneのギズモから、飛行機のパーツまで作成できる、業界グレードの3D印刷プリンタを100台展開し、3D印刷サービスを開始した。

 UPSは、3D印刷サービス・センターを運営することで、サプライ・チェーンを短縮でき、運送ビジネスを、1年に580億ドルにカットできるかどうかを検証しようとしている。

 アトランタを拠点とする、UPSは、ビジネスを混乱させてまで、3D印刷サービスを展開したいとは思っていない。

 ちなみに、インターネットは、10年以上前に、電子ドキュメントを配布するための、重要な手段に成っている。

 UPSの3D印刷サービス・センターのプロジェクトは、2014年に、UPSが投資した、Atlantaを拠点とする、CloudDDMと呼ばれる、3D印刷ソリューションのプロバイダにより進められた。

 UPSとCloudDDMの2社は、2016年に、900台の業界グレードの3D印刷プリンタを展開する計画であり、米国外にも、同様の3D印刷サービスを提供するセンターを開設することを検討している。

 CloudDDMの3D印刷技術は、オブジェクトのデジタルな画像を、数千のレイアにスライスし、3D印刷プリンタで、プラスチック、メタル、あるいは、他の素材を使用して、オブジェクトを作成する。

 CloudDDMの3D印刷技術は、ジェットエンジン・メーカのGeneral Electricや、アプライアンス大手のWhirlpoolといった企業からの投資を受けている。

 3D印刷産業は、遅い3D印刷速度、使用できる素材、および、急速な技術変化により、制約された、まだ完成されていない、成長段階の産業である。

 3D印刷産業の売上は、過去3年間に、1年間で、約34%向上している。

 Dealogicによると、3D印刷業界における買収金額は、過去5年間で、合計で4億6800万ドル以上になったという。

 UPSは、3D印刷ビジネスを模索している、唯一の運送会社ではない。

 2015年初旬に、3D印刷会社と提携し、ドイツのいくつかの都市で、3D印刷サービスを開始した、ドイツの小包運送会社、TNT Express NVは、最大手運送会社、FedExに買収されるという。

 FedExも、この3D印刷サービス・ビジネスの分野を検証しているという。

 Amazon.comは、オブジェクトを3D印刷する、オンデマンドのシステム3D印刷システムに関連した、3D印刷トラックの特許を申請した。

 Deutsche Post AGのDHLの最近の調査によると、アジアからヨーロッパに出荷されている、あらゆる製品の2%から4%だけが、3D印刷で生産できるという。

 DHLは、これまでの経験や実績に基づき、アジアからヨーロッパに出荷されている、あらゆる製品の10%しか複製できないと判断している。

 DHLの3D印刷サービスを担当する、Markus Kuckelhaus氏によると、3D印刷による、オブジェクトの生産には、大量生産とは異なったリスクがあるという。

 DHLのMarkus Kuckelhaus氏によると、3D印刷は、多品種、少量生産に向いており、予備の部品を生産するのに適しているが、3D印刷には、生産速度、使用できる素材、製品の品質レベルの保証、著作権の保護といった問題があるが、特に、3D印刷技術を敬遠する必要もないという。

 UPSのRimas Kapeskas氏によると、より多くの企業が、いくつかの製品の生産を、従来の製造方法から、3D印刷での生産へ移行させると予測しているという。

 UPSは、業界グレードの高価な3D印刷プリンタを、手頃な価格で利用できる、3D印刷サービスを提供することで、工業デザイナーがプロトタイプを作成したり、消費者がカスタム商品を作成したりできるようにする。

 例えば、工業デザイナーは、作成し、編集した、3D印刷データを、UPSの3D印刷サービス・センターのクラウドに、オンライン送信し、3D印刷を依頼し、出来上がったプロトタイプを、UPSの運送サービスを使用して、オフィスに配達して貰うことができる。

 また、消費者は、欲しい商品の3D印刷データを、オンラインで購入し、素材、色、柄などを選択して、UPSの3D印刷サービス・センターのクラウドに、オンラインで注文し、3D印刷を依頼し、出来上がった商品を、UPSの運送サービスを使用して、自宅に配達して貰うことができる。

 SOHOは、高価な3D印刷プリンタ・システムを購入することなく、商品の3D印刷データを作成、編集し、商品を生産することなく、顧客に、3D印刷データで、商品を販売することができる。

 SOHOは、顧客が注文した商品を、UPSの3D印刷サービス・センターで、3D印刷して貰い、UPSの運送サービスを使用して、顧客に配達して貰うことができる。

 顧客は、商品の色、柄、素材などを選択し、カスタマイズできる。

 SOHOは、商品が売れなくても、在庫を抱える必要がなくなり、倉庫が不要になる。

 また、SOHOは、3D印刷データを作成することにより、商品の注文を受け、3D印刷プリンタで生産し、電子決済し、出来上がった商品を顧客に配達することまで、UPSに任せることができ、マーケティング、顧客サービス、あるいは、新商品の開発などに専念できるようになる。

 UPSは、倉庫に、SOHOの商品を保管することなく、顧客の注文に応じ、カスタマイズした商品を、3D印刷プリンタで生産し、顧客に配達することができる。

 2014年に、UPSは、3D印刷サービス・センターを、ケンタッキー州、Louisvilleのハブに展開するために、Atlantaベースの、3D印刷プリンタや3D印刷ソリューションのプロバイダ、CloudDDMに投資している。

 UPSによると、現在、MaytagとKitchenAidといったベンダが、UPSの3D印刷サービスを使用して、商品のプロトタイプを作成しているという。

IT関連のプレスリリースや記事を抄訳し、ブログで提供しています。

ウェブサイト: http://iikurakoichi.cocolog-nifty.com/blog/