筆者はカツ丼を食べに大阪の『まる栄』まで行くくらいの、カツ丼マニアですが、日本で一番美味しいと言われているカツ丼を、みなさんは御存じでしょうか?
と、言う訳で今回は日本一の呼び声も高い、渋谷の『瑞兆』に今更ながら行って参りました。
筆者、渋谷の大地に降り立つ!
多くの人を感動させると言う『瑞兆』は渋谷にあります。正直、筆者の活動範囲外ですが一度はその味を確かめたいものです。
そんな筆者にも産まれて初めて渋谷に行く用事が出来たので、噂の『瑞兆』に行かざるを得ない! むしろ今行かなければ永遠に行かない可能性も否めない今、行くのか行かないのかと言ったら行く一択で御座います。
たった2種類のメニューだと?
非常に分かりにくい場所に『瑞兆』はありますが、そこはスマホとかタブレットとかを駆使して、訪れる方向で頑張って下さい。
そして地図が示す店の前まで来たものの、そこから店を発見するのが微妙に難しいのですが、謎なビルの中にある通路みたいな隠れ家的な場所に『瑞兆』はあります。
御世辞にも広いとは言い難い店内はカウンター席のみ。しかもメニューは”瓶ビール”と”カツ丼”のみと言う潔さ!
硬派な店構えからして、これはかなり期待出来るんじゃないでしょうか?
『瑞兆』のカツ丼を食す!
この後の仕事で飲むので、ここはひとまずビール抜きで、カツ丼だけ頂く事にしましょう。
注文を受けるとトンカツを揚げ始め、その他諸々の準備をします。
まあ、ここまでカツ丼に特化した店で”揚げ置き”とか有り得ないので、ここまでは普通ですね。
先に”おしんこ”と”お吸い物”が提供されます。ちょっと上品な感じの”お吸い物”に驚きですが、驚く間も無くカツ丼がやってきました。
カツ丼界のニューウェーブ『瑞兆』
そして丼の蓋を取って念願の『瑞兆』のカツ丼とご対面で御座います。
まあ、筆者は知ってて訪れているので、特にインパクトはありませんが、なんと『瑞兆』のカツ丼は卵でとじられていません!
「卵の上にオンTHEカツ」
みたいな感じです。なるほど、こう来ましたか。
薄焼き卵的な何かにトンカツを乗せて、その上からタレをちょいとかけた感じですね。このスタイルだと
「トンカツがサクサクのまま!」
なので従来よりもトンカツの美味しさが強調され、美味しいらしいです。
食べてみると、確かにトンカツのクリスピー度は高いかなぁと思う筆者ですが、正直何かが物足りないような?
卵の火加減もタレも申し分ないのですが、筆者のテンションが上がる気配が微塵もありません。
しかし、美味いか不味いかと言われたら、確実に美味しい食べ物だとは思いますが、このモヤモヤ感はなんでしょう?
御飯も美味しい『瑞兆』のカツ丼
スッキリしない感は否めないものの、個々に見てみると美味しいんですよね。
揚げたてでサクっとした食感のトンカツ、ちょっと甘めなタレ、半熟加減も素晴らしい卵、美味しい御飯。何が不満なのかと言われたら、まあ
「自分がイメージするカツ丼と違う」
みたいな、ある意味筆者のワガママに他ならないのですが、コレじゃなかった感を最後まで拭えない筆者でした。
あえて言おう! コレじゃない!!
日本一の呼び声高い『瑞兆』のカツ丼ですが、これは賛否が分かれるカツ丼だと思いました。
まあ、筆者もメディア的に”右へ習え”で美味しいを連呼するつもりだったのですが、残念ながらそこまでのテンションに達しませんでした。
確かに個々のパーツは美味しいと思うのですが、それをカツ丼として見た場合に一体感が無いと言うか、カツ丼のイメージを覆すつもりが、逆にカツ丼じゃなくなっちゃった感は否めないでしょう。
そもそもが、そこまで”トンカツとしての美味しさ”を重視するなら、丼に蓋をしない方が衣も湿気ないし、いっそ卵に乗せない方が、トンカツとしては美味しい状態を保てるでしょう。
「だったらトンカツ喰えよ!」
みたいな突っ込みが入ると思いますが、要するにそういう事なのです。
『瑞兆』のカツ丼には玉葱が入っていませんが、これは卵とトンカツを純粋に味わって欲しいからと言う事でしょう。
そこまで追い求めるモノが明確で、メニューもカツ丼に絞っているのに、演出重視で蓋をしちゃうのが、いまいち解せない筆者です。
親子丼の場合は、蓋をする事で卵の半熟加減を調整すると言う目的がありますが、この『瑞兆』の蓋は開けた瞬間のインパクトを狙っての演出かと思われます。
せっかく美味しいトンカツにこだわったメニュー作り、卵でとじない斬新なスタイルを確立し、カツ丼の美味しさを追求する姿勢を明確にしているのに、最後の最後で「見た目のインパクト」みたいな方向に走っちゃうのはどうでしょう?
あと、やはり”コレじゃない感”が半端ないのは玉葱の存在でしょうか?
筆者的にそれは抜いちゃ駄目だろってポイントでして、牛丼から玉葱を抜いてしまうくらいのギルティです。
『瑞兆』 総評
世間一般の評価も高く、誰もが美味しいと言う『瑞兆』のカツ丼ですが、筆者的には受け入れ難いカツ丼でした。
いや、トンカツ料理としては確実に美味しいんですけどね。
渋谷で美味しい御飯を食べたいって言われたら、この『瑞兆』をオススメしますが、美味しいカツ丼を食べたいと言われたら微妙です。
人それぞれカツ丼に求めるモノは違うと思うのですが、果たしてタレの染みた玉葱、卵でトンカツをとじる事で生まれる一体感、それら”カツ丼の醍醐味”を捨ててまで、トンカツのサクサク感は必要なのでしょうか?
筆者も最初に食べた時は『瑞兆』のカツ丼に惚れましたが、改めて振り返ってみると普通のカツ丼が恋しくなります。
と、言う訳で書くだけ書いて微妙にディスってる感はありますが、この『瑞兆』はカツ丼好きなら必食のカツ丼だと思います。
『瑞兆』のカツ丼が最高と言う人が居るのも、分からなくはありません。個々のパーツで見てみれば、文句の付け所は一切ないのです。
是非、みなさんも自分で食べて判断してみて下さい。もしかしたら『瑞兆』の斬新なカツ丼にハマるかもしれませんよ。
『瑞兆』
東京都渋谷区宇田川町41-26 パピエビル
営業時間 11:30~20:00
定休日:日曜日