筆者は富山県に住んでいますが、「富山ってどこだっけ?」なんて言われるのはまだいい方で、「えっと、金沢県富山市だっけ?」なんて声も稀にあったりなかったりですが、今回はそのお隣の金沢に行ってきました。
金沢カレー
最近あちこちのメディアで『金沢カレー』というジャンルが取り上げられ、世間の認知度も上がってきたようですね。
金沢カレーにはハッキリとした決まりはいようですが、
・カレールーの色が濃く、味も濃厚でドロっとしている
・ソースのかかったトンカツが乗っている
・フォーク、または先割れスプーンでいただく
・千切りキャベツが乗っている
・ステンレス皿に盛り付ける
というのが共通事項のようで、金沢ではいくつかの老舗のカレーチェーン店にこれらの特徴がみられます。
ということで、B級グルメとお酒をこよなく愛する軍団『チーム激安王』のメンバーが今回行ってみたお店はここ。
石川県金沢市藤江北にあるゴールドカレー本店です。
ゴールドカレーを選んだ理由
このお店にはチャレンジカレーというものがありまして、『2kgのカレーを15分で完食すると無料』など、大食い自慢が集まるお店でもあるのです。
4kgで永久無料。6kg以上だと賞金までつきます。
しかし10kgって……普通の人だと胃袋破裂しちゃいそうですね。
この頃、メンバーのT井氏が『ゴーゴーカレー』のワールドチャンピオンカレーに挑戦するなど、あちこちで大食いにチャレンジしていて、「どうせならタダになったほうが得だよね」というノリで、じゃあゴールドカレーに挑戦してみようじゃないかという話になったのでした。
参考画像『ゴーゴーカレー』ワ-ルドチャンピオンクラス総重量2.5kg
ゴールドカレー チャレンジ編
事前にT井氏がお店に電話を入れてまして、6人で行くので席の予約をしたことと、そして2kgというのはご飯とカレーを含んだ重さであることに間違いないかということを確認していたのでした。さすが、T井氏は出来る男ですよ。
待ち合わせ場所から車で5分。
店の入り口にはカレーのサンプルが飾ってありました。
でかっ!!まるで巨大な古墳のよう……
これで2kgのようです。
今回一緒に店に訪れた6人の中で、実に半分の3人がチャレンジカレーに挑戦する予定でしたが、残念ながら同時には2人までしかチャレンジできないとのことでした。特別な大きさのステンレス皿を使うということなので、そのお皿が2枚しかないとのことです。なので、今回の挑戦は2kgが2人ということに。
チャレンジメンバー紹介
Mr.駆け出しフードファイター T井
威勢のよさナンバーワン。『ゴーゴーカレー』の総重量2.5kgもあるワ-ルドチャンピオンクラスに過去3度も果敢に挑むなど、我々の中では一番のやる気勢。
なお、ワ-ルドチャンピオンクラスを完食したことは一度もない模様。
Mr.デビルリバース こーう2号
まったくカタギに見えません。
「街中で見かけたら目線を逸らしつつ、ごく自然に大きく避ける自信がありますね」とは筆者談。
デビルリバースとは、自分の意思でいつでもリバース可能という特異体質によるもの。※お食事中の方すいません
チャレンジカレー到着
目の前ではカレーを作っているところが全部見えます。量りの上にやたらでかいステンレス皿を乗せて、ステンレス皿の上にご飯を敷きカレーを乗せ綿密に重さを調整する工程を見ますと、自分が食べるわけじゃないのに緊張感が増してきます。周囲のお客さんのスプーンも思わず止まろうというものです。店内一同の視線がそこへ集中していました。
さあさあ、いよいよカレーがやってきましたよ。
この色の濃さ!!この濃さはまるで、こーう2号氏の車のガラスの色を彷彿とさせます。
そして何よりこの量!!
両側2kgに挟まれた普通サイズのカレーが、まるでアリエッティの食べるカレーのようです。
そして、出てきたカレーを見るなりT井氏の「これなら全然いける!ワールドチャンピオンより少なめだし、全然いけますよ!」という果てしなく頼もしいお言葉。さすがやる気勢、もう惚れちゃってもいいですか?
そしてこーう2号氏ですが、直前に「さすがにデビルリバースは反則だよね」という空気もあり、飛車角落ちでの戦いを余儀なくされたこーう2号氏でしたが、なぜか開始直前にトッピングの生卵を追加しました。
「金沢カレーは味濃くて元々苦手なので、卵でマイルドにすればなんとか食べられるんですよ」と、わかったようなわからんような理屈で物理的な質量を増やしてしまったこーう2号氏に勝機はあるのでしょうか。
ではスタート!
お店が用意した15分のタイマーを目の前に置き、いざ開始!
とりあえず2人ともすごい勢いで食べていきます。
しかし15分という時間はあまりにも儚く短く、タイマーの時間がみるみる減っていきます。あれだけ自信満々だったT井氏ですが、時間が半分になってもまだ3分の1程しか減っていません。こーう2号氏も同じくらいのペースです。
「おかしいな……おかしいな……」と汗だくで1人静かにつぶやくT井氏を見て、「もしかしたら体調がよくなかったのかな?」と心配になったのですが、その直後にT井氏が店員さんに言い放ちました。
T井「あの、これご飯の量多くないですか?」
あれだけ自信に満ち溢れていたT井氏が、まさか人を疑ってかかっていたとは我々には思いも寄らなかっただけに、このセリフは最高に痺れました。
T井「これ、ご飯とカレーで2kgなんですよね?」
店員さん「いえ、ご飯だけで2kgです」
一同「えっ!?……」
思考もスプーンも止まってしまった我々に、別の店員さんが「すいません、ご飯とカレーで2kgです」と訂正しにきてくれたのですが、2人はもう何を信じればいいのかわからない状態で、完全に疑心暗鬼に陥ってしまったのでした。
もはや戦意を喪失してしまった2人。時間のともし火は無情にも消え去ってしまったのでした。
ということで結果は惨敗。
2人とも3分の1は残っていました。
この一件があってからというもの、T井氏のことを影で『ビッグマウスT井』と呼ぶようになったのはここだけのお話です。
ちなみに改めてお店に確認してみたところ、チャレンジ2kgは『ご飯』『カレー』『キャベツ』『トンカツ』を全て含めた総重量が2kgとのことです。
ゴールドカレー リベンジ編
このまま我々が惨敗したままでいいのか!?
いや、このままで終われるはずはない!!
あれから3ヶ月、今回は更なるツワモノを2人連れて来る事が出来ました。
えっ!?T井のリベンジ?そんな人いたっけ?
チャレンジメンバー紹介
Mr.ガロン ガッつ
彼はとにかくよく食べます。店を何軒かハシゴしてもケロっとしてるし、皆が腹いっぱいで動けなくても「あ、俺ちょっとラーメン食ってきます」とトンコツの匂いのする暗闇へと消えていくガッつ氏。ガッつ氏と知り合って数年経ちますが、まだ彼の限界を見たことがありません。そしてガチフードファイターに理想的なこの細身の長身っぷり。このチーム激安王の中では彼が最強なのではないかと筆者は睨んでいます。
そしてもう1人は、はるばる横浜からの参戦者。
北の前最高指導者とほのかに一致するMr.将軍 カキフライ
まずこの将軍の日常の食事風景をご覧下さい。
さすが将軍様、貴重な野菜や穀物を独占している様子が伺えます。
画像に写っているこれらの野菜や穀物は全部平らげたとのことで、フードファイターとしての期待値も高いと言えましょう。
ちょうせん…?
恐らく将軍のモチベもすこぶる高まっているに違いありません。
カレー到着
先に筆者の注文したMサイズのカレーがきました。トンカツとウインナーをトッピングです。
このサイズだと味が濃い目でも程々の量なので、実に美味しくいただけます。
筆者はこの中では最年長。辛くて苦しいことは若いモンに押し付けときゃーいいんですよ!
そして程なくしてチャレンジカレーも登場。
もう皿がカウンターからはみ出しちゃってます。
そして前回同様、他のお客さんの視線が激アツです。
相も変わらず凄まじい大きさですが、この絵面はまるで広大な日本海に浮かぶ一艘のイカダ。
「脱北者は許さない!」とばかりに将軍の顔も険しくなっていきます。
日本海を飲み込み、イカダを食いつくし、見事亡命を阻止できるのか。
それともイカダを取り逃してしまい、石川県の能登半島に漂着されてしまうのか。
我々は戦いの行方を静かに見守りたいと思います。
タイマーもセットされました。
ではスタート!
ガッ氏も将軍も凄まじい勢いで食べて行きます。
こ、これは早い!このままいけば2人ともマジでいけそうなペースです。
しかし時間が半分を切ると、やはりペースがガタっと落ちてきました。
ガッつ氏めっちゃいい感じなんですが、さすがにペースダウンが著しいですね。
そして将軍はイカダ全残し作戦の模様。果たしてこれで大丈夫なのでしょうか。
能登半島(キャベツ)はもう目の前だというのに。
そして残り時間が3分を切ったあたりで、ほぼスプーンが止まってしまいました。
このまま終わってしまうのか。
何か、何かいい方法は……
ここで筆者、妙案を思いつきました。
筆者のトッピングウインナーをちょちょいと将軍の皿へ……
日本海に打ち込まれたテポドンを見れば将軍様に高揚していただけるかなと思ったんですが、やったことを後悔するほどに嫌な顔をされてしまいました。ジョークに反応する余裕など、もはや1ミリも残されていないということなのでしょう。もう粛清される前に撤去しときます。
タイムアップ!
うん、まあ残念ながら失敗にはなりましたが、チャレンジ編に比べるとかなり惜しい感じにはなってたと思いますね。特にガッつ氏は相当いいセンいってたと思いますので、ちゃんと対策たてたり特訓っぽいことをしたりとかすればいけそうな手応えを感じました。
ここでふと、どんな人が成功してるのかなと気になってお店のブログを見てみましたら、女性で4kgを時間内に完食された方がいまして、その方が写っている記念写真があるのですがものすごく細い方で驚きました。量がまず普通の人には無理ですが、スピードの方もまず追いつかないですね。普通に噛んで味わってたらまず間に合わないでしょう。
『カレーは飲み物』という格言は多分この辺に由来の秘密がある気がしますが、まあ気のせいでしょうね。
ゴールドカレー本店
住所:石川県金沢市藤江北1-393
時間: 月~土AM11:00~PM23:00 日AM11:00~PM22:00
電話:076-267-7705
休日:無休
http://www.gold-curry-honten.com/
画像は1~3、5、8、10~11、13~21は筆者撮影のもの
4、6、7、9はチーム激安王提供
12はカキフライ氏提供