最近「町田のラーメンレベルが意外にキテるんじゃないのか?」と思い始めた筆者ですが、今ここに発表します。
「今、町田のラーメンが熱い!」
まあ、ラーメンは基本的に熱い食べ物ですが、ここ数年の町田の進化っぷりは目を見張るモノがあります。
と、言う訳で筆者が注目する町田の名店『辛麺 真空』を紹介してみましょう。
『辛麺 真空』
町田でナンバーワンのラーメン店を挙げろと言われると、多くの人が塩ラーメンで有名な『進化』の名を挙げますが、確実に数人は『辛麺 真空』を薦めると思います。
そのくらい好きな人には“ハマるラーメン”と言う事でしょうか? そんな個性的な『辛麺 真空』のラーメンは基本の三種類で構成されています。
豚一頭、色々な部位を使って出汁を取った、濃厚豚骨辛麺『山』
三重県産のアサリと昆布、サバ節を軸に海の幸で構成された『海』
『山』で使われるスープをベースに“混ぜ麺”に昇華させた『狼煙』(のろし)
この三強の個性的なラーメンを軸に、様々な“期間限定ラーメン”を提供している町田の名店です。
『狼煙』(大盛り)を食す!
そして、何気に暑い2015年の夏ですが、こういう時こそ「辛いモノを食べて元気を付けよう!」と思った次第です。気持ちも高らかにJR横浜線に乗って町田駅を目指します。
しかし!
あまりの暑さで駅から至近距離にある『辛麺 真空』に辿り着く頃には
「もう暑いし、涼しいラーメンでいいんじゃね?」
みたいな気分になっていました。まあ、こういう日の為にスープレスの“混ぜ麺”が世にあるのですから、ココはひとまず『狼煙』(950円)を食券機で購入。
ちょっと“お高い”気がしないでもありませんが、この『狼煙』を頼むと“麺大盛り”もしくは“ライス”がサービスされるので、総合的に考えると普通かなと思います。
結果、この『狼煙』が筆者の前に召喚されました。
『辛麺 真空』の店名でもお察しですが、この『辛麺 真空』のラーメンは基本的に“辛いラーメン”となっております。
なので、こうなる予感はしていたのですが、正直36度の猛暑日に食べるには、ちょいと辛すぎる予感なビジュアルですね……。
言うなれば極道映画の名作『仁義なき戦い』の豪華キャストで月9のドラマをやるようなモノで、この写真は暑苦し過ぎます……コッテコテです。
豚の角切りと呼べる極厚チャーシュー
その強烈なビジュアルに負けて、危うく写真を撮る前に混ぜてしまいそうになった筆者ですが、そこは一応プロなので冷静に丼の様子を見守ります。
まず、注目すべきはチャーシューで、いわゆるチャーシューと言うよりは“豚の角切り”的な何かです。
かなり柔らかく煮こまれていて、箸でも簡単に崩れそうな感じです。
しかし、そのゴロっとしたチャーシューの存在感は絶大で、あの任侠映画の歴史的傑作『仁義なき戦い』で言えば、山守組の若頭を演じた『松方弘樹』と言った感じです。
『狼煙』の世界を全て牛耳る極太の麺!
“混ぜ麺”の主役と言えば、なんと言っても麺でしょう。この麺の出来ひとつで”混ぜ麺”としての評価が決まります。
『狼煙』に使われる麺は極太麺で、その存在感は圧倒的…
製麺機から生まれた時には“四角い断面”の極太麺ですが、数日の熟成を経て、麺茹でされた姿はふっくらと丸くなっています。
しかし、その内側は国産小麦の力強さが芯にあり、食べる者を試すかのような弾力のある個性的な麺です。
のちにシリーズ化された『仁義なき戦い』で例えるなら、全ての黒幕となる山守組の組長を演じた『金子信雄』ばりの存在感です。
『狼煙』の味を決める超絶濃厚激辛スープ
豚骨スープの濃度をさらに上げた感じの『狼煙』のスープは、まさに『辛麺 真空』を代表する豚骨スープです。
このギットギトのコッテコテな濃厚スープは、ちょっとやそっとの辛さでは負けません。
一見、そのグラフィックから「辛いだけのラーメン」と思われがちな『辛麺 真空』ですが、実はスープの旨さはピカイチだったりします。
まさに「辛さの中に美味さがある」と言ったスープで、この味付けが熱烈なファンを生み出すのでしょう。
なんとなくノリで“激辛”と書いてみましたが、正直なところ辛さは控えめですので、辛いモノが好きな人は卓上調味料の“カイエンペパー”などを駆使するのも良いかと存じます。
『辛麺 真空』の極太麺の個性に対抗出来る唯一のスープ。あの史上最強の映画と言われる『仁義なき戦い』で言えば、土居組から山守組に寝返った『若杉寛』を演じた『梅宮辰夫』ばりの個性派スープです。
『狼煙』の全てに革命をもたらす生卵
それぞれが強烈な個性を持つ『狼煙』を、ひとつにまとめるのが生卵の存在です。いや、まとめると言うよりは関わると言った感じでしょうか?
いかに濃度の高いスープと言えども、普通は極太の麺には絡みきれません。
しかし!
この生卵を仲介する事で、それぞれの具材とスープが良く絡み、ひとつの“混ぜ麺”として完成するのです。
この生卵が加わる事でスープや麺にコクが加わると同時に、極悪な辛さがマイルドになります。
日本映画史上最高の傑作と言われる『仁義なき戦い』で言えば、まさに主役ばりの存在と呼べる『広能昌三』を演じてブレークした『菅原文太』が該当します。
『狼煙』で唯一の癒しアイテム茹でキャベツ
全てが「辛い、ぶっ濃い、極太極厚」で構成される『狼煙』で唯一の癒し系アイテムが“茹でキャベツ”です。
口の中が辛くなり過ぎた時に水を飲むのは素人で、通はこの“茹でキャベツ”をタイミング良く含む事で、自分の中の“辛さメーター”を限界一歩手前に保ちます。
全米が涙した『仁義なき戦い』で例えるなら、次から次へと男を乗り換える『新庄秋子』を演じた『渚まゆみ』になります。
まさかの隠れキャラ、スライスチーズの存在感
全ての具材が強烈で、ぱっと見た感じは存在感の薄いスライスチーズですが、その役割は重大です。
香ばしくバーナーで炙られたチーズは、麺の余熱で液状化します。
しかし完全に溶け込まず、丼のあちこちに隠れた存在として極太麺に絡み、時に辛さを和らげる癒しキャラとして、時にチーズのコクが主張する個性的なキャラとして活躍します。
任侠スペクタクル超大作『仁義なき戦い』に例え(略
とにかく混ぜろ! 話はそれからだ
麺が熱いうちに素早く混ぜましょう。麺の余熱で生卵が半熟状になり、より絡みやすくなります。
この時の混ぜ方ですが、この『狼煙』の美味しさを100%引き出す為には、混ぜ方にも掟があります。
「極太麺を上下に返す!」
上下に返す事を繰り返し、重力の力を借りてスープを麺に絡めていきます。
あと素人はどうしても混ぜ過ぎる傾向がありますが、あまり完全に混ぜてしまうと、味の変化が乏しくなるので、適度な混ぜ加減で和えるのが正解かと存じます。
『狼煙』 総評
とにかく強烈な印象の『狼煙』ですが、その味わいは意外とマイルドで、スープの旨みが強く出ています。
ただただ辛いだけではない『辛麺 真空』の『狼煙』は、その個性の裏に隠された”ラーメンとしての旨さ”が芯にある事を強調したいですね。
そして力強い極太麺と濃厚スープをまとめる生卵、隠れたチーズの役割も大きいです。
これらが一体となって町田を代表する“混ぜ麺”の『狼煙』となります。
若干、分かりやすく『仁義なき戦い』に例えた結果、逆に分かりにくくなった感は否めませんが、そのくらい個性のある具材がひとつになった時、この『狼煙』となるのです。
辛いモノ好きな人には勿論、ぶっ濃い目の濃厚”混ぜ麺”を欲する人には、まさに至高の『狼煙』で御座います。
是非、みなさんも町田に来て『狼煙』を食べてみて下さい。その美味しさは病みつきになると思いますよ。
『辛麺 真空』
東京都町田市 原町田4-1-5 ハイストーンⅡ
営業時間 11:30~15:00 18:00~22:30
土日祝日 11:30~21:00定休日:水曜日(祝日の場合は翌木曜日休み)