Googleは、プライバシーに重点を置く、エンタープライズ・プライバシー・プラットフォームを提供する、スマートフォン・ベンダ、Silent Circleと提携する。 2015年7月30日
By Elizabeth Dwoskin、WSJ
現在、より多くの従業員が、スマートフォンかタブレットを使用して、企業の情報や個人的な情報をアクセスしているので、企業は、自分たちのデータを安全にする方法を見つけるために、プライバシーに重点を置き、セキュリティを強化する作業に取り組んでいる。
ジュネーブを拠点とする、プライバシーに重点を置く、暗号通信技術やエンタープライズ・プライバシー・プラットフォームを提供する、Silent Circleは、Googleと提携し、企業や政府のセキュリティに関する要件に対応し、プライバシーに重点を置いた、同社のスマートフォン、BlackphoneとBlackphone 2で、Android for Workをサポートする。
電話、テキスト、および、データを暗号化する、Silent CircleのSilent Phone、Silent Text、Blackphoneといった、エンタープライズ・プライバシー・プラットフォームは、米国政府の情報収集について、Edward Snowden氏が暴露したことにより、関心が持たれた、プライバシー・ツールの一つになっている。
Silent Circleのエンタープライズ・プライバシー・プラットフォームは、企業や従業員や顧客やパートナーが、ビジネスを安全でセキュアに維持できるようにするための、デバイス、ソフトウェア、および、サービスを提供する。
・Silent CircleのSilent Phoneは、ZRTP暗号プロトコルを使用して、3G/4GやWi-Fiネットワークで、安全に会話できるようにする、セキュアなモバイル音声とビデオ電話ソリューションである。
・Silent CircleのSilent Textは、ユーザが、セキュアなテキスト・メッセージ、音声メッセージ、および、デジタル・ファイルを、他の契約者に送信できるようにする、セキュアなインスタント・メッセージング・サービスとモバイル・アプリケーションである。
Silent Circleは、Googleと提携し、Blackphoneの次世代版である、Blackphone 2で、GoogleのAndroid for Workソフトウェアをサポートするという。
2015年の初めに、リリースされた、Android for Workは、ユーザが、パーソナルとプロフェッショナルな使用を区別できるようにする、ビジネス・アプリのスイートである。
Android for Workは、Gmail、コンタクト管理、カレンダ、ドキュメント、および、スライドを含む、Googleのビジネス・アプリと共に、企業情報への、従業員のアクセスを、セキュアに管理するためのエンタープライズ・セキュリティ機能を提供する。
Googleにとって、Silent Circleとのパートナーシップは、職場における、Androidモバイル・オペレーティング・システムの採用を妨げていた、スマートフォンのセキュリティの問題に対応し、エンタープライズ・セキュリティ・ソリューションを確立するための機会である。
企業のIT管理者は、しばしば、さまざまなベンダの、Androidベースのモバイル・デバイスを、iPhoneやBlackberryといった、単一メーカにより開発され、制御される、モバイル・デバイスよりも、あまりセキュアではないと見なしている。
Android for Workは、World Bank、U.S. Army、および、Guardian Life Insurance Companyを含む、1万社以上の企業や政府機関に展開され、テストされた。
Silent Circleによると、プライバシーに重点を置いた、エンタープライズ・プライバシー・プラットフォームを開発し、提供する、Silent Circleが、世界最大のデータ収集会社、Googleと提携した理由は、同社のマーケティング・パワーにあるという。
Silent CircleのBlackphoneや、他の暗号通信ソリューションの、ユーザの殆どは、ヨーロッパの企業であり、Silent Circleは、世界の企業に、同社のエンタープライズ・プライバシー・プラットフォームを提供するために、Googleのマーケティング・パワーに期待している。
Blackphoneは、消費者ではなく、主に、企業や政府機関のユーザにより、使用されている。
Blackphoneが、仕事と個人的な使用の両方で、セキュアに利用できる、より魅力的なスマートフォンであることが認識されれば、世界の企業や政府機関での採用が増えるだろう。
さまざまなベンダが、スマートフォンを販売する地域ごとに、安さ、ディスプレイの見やすさや、プロセッサやグラフィクスの性能、セキュリティの強化、ビジネス・アプリ、コンテンツ、クラウド・サービスなどで、差別化を図っており、ハイエンドとエントリ・マシンの棲み分けが進むようだ。