【突撃!バイト体験レポート】 第1回 ホールスタッフを体験! ~イタリアンレストラン GINA 編~

  by ノジーマ  Tags :  

こんにちは!フリーランスでライターとかいろいろやってるノジーマです。

このたび、タウンワークマガジンの方で「いろいろな職業をバイト体験してレポートする企画」を始めることとなったのですが、フリーランスってことはまあフリーターみたいなものだろ、という流れで僕に白羽の矢が立ったようです。

実際のところぐうの音も出ないほどおっしゃる通りですので、現実を真摯に受け止め、いろんなお仕事に挑戦していきたいと思う次第であります!

さてさて、記念すべき第1回目のバイト体験をさせていただけることになったのは、西荻窪にあるイタリアンレストランの『GINA(ジーナ)』さん。
金曜日の昼間という休前日の忙しそうな時間に無理を言って協力してもらいました。なんていいお店!

そして外観からしてオシャレ!
オシャレ=美味しそう!

飲食店でのお仕事も楽しみですが、やはりいわゆる「まかないメシ」にも期待せざるを得ません!

まずはお店の中に入り、オーナーの小川さんからお仕事の説明を受けます。

ノジーマ「今日はキッチンとホール、どちらのお仕事をやる感じですか?」

小川さん「キッチンは難易度が高めなのでバイトを募集していないんです。なので今回はホールのお仕事を体験してもらおうかと思います」

ノジーマ「なるほど…。ホールのバイトでもまかないメシは食べられますか?

小川さん「もちろん大丈夫ですよ(笑)未経験の方が入った時にやっていただくことと同じことに挑戦していただきますね」

ノジーマ「わかりました!頑張ります!」

店長の一言に俄然やる気が出てきました!

まずは店内をきれいに掃除!

いよいよバイト体験がスタートしました!
飲食店のバイトでオープン前の時間帯にすることといえば、やはり仕込みと掃除は欠かせません。
今回はホールのスタッフということで、まずは丁寧に床掃除から始めます。

そしてテーブルの上もキレイに拭き上げます。
ちなみに飲食店では台拭きのことをダスターと呼ぶことが多いようですね。
覚えておいて損はないでしょう。
それにしても店内のインテリアもオシャレでいい雰囲気だなあー。

ぶっつけ本番でメニューを覚える!

飲食店のホールスタッフたるもの、お店のメニューを覚えなければお話になりません。
しかし、オープンを直前に控え、ぶっつけ本番でメニューを覚えきれるのか非常に不安なところ…。
すると、バイト歴3年のスタッフ・ゆかりさんがメニューについて丁寧に教えてくれました。

ゆかりさん「ランチのメニューはA、B、Cセットの3種類しかありません。どのセットもメインの料理を3種類のピザかパスタの中から選ぶことができますが、それだけ覚えれば大丈夫です」

ノジーマ「おおっ、すごくシンプルで覚えやすいんですね!」

ゆかりさん「初日なんで、片付け中心にやってもらうのでもいいかなと思うんですが、オーダーも受けてみますか?」

ノジーマ「せっかくなんで、やってみます!」

今回は初回だけに、レポートをあまりしょぼい内容にするわけにもいかず、勢いで返事をしてしまいました!どうなることやら!

メニューボードを書く!

GINAのランチはピザやパスタの内容が日替わりとなっているため、毎日メニューボードを書き直さなければなりません。

このボードを書くのもホールスタッフの仕事ということで、引き続きゆかりさんの指導のもと、挑戦させてもらうことになりました。

この日のメニューを確認したあと、ものすごい猫背の姿勢でボードにメニューを書き込みます。

これが簡単なように見えて、文字のバランスとかがすごく難しい!
前の日のを参考に1枚ずつ書けばよかったのですが、なぜか勢いで2枚とも全消ししてしまい、そのことを激しく後悔しました。

せっかくなので比較用としてゆかりさんに1枚書いてみてもらうと、その見やすさの差は歴然!
バランスよく文字が並べられ、ほとんど隙間がないのです。これは遠くからでも見やすい!
なんでもないような仕事にも経験の差って出るんですね!

消してやり直したかったところですが、オープンも近づいてきているのでそのまま使用されることに。
まさかバイト体験にきて辱めを受けることになるとは思いませんでした…。

仕込みのようすも見学!

ホールのスタッフとしてオープン前の準備を手伝ってきましたが、やはり飲食店なのでキッチンの仕込みのようすも気になりますよね!
メニューボードを書き終わると、ちょうど小川さんがピザ生地を作っているところだったので覗いてみました。

ノジーマ「ものすごくたくさん作るんですね!これは今日使う分ですか?」

小川さん「いえ、これは明日使う分の仕込みですね。うちでは1日発酵させたピザ生地を使っているんですよ」

ノジーマ「ということは、明日使う量を予想して作るんですね!すごい!もし余っちゃったらどうなるんですか?」

小川さん「そうですね。ピザとしては使えなくなっちゃうので、まかない用のピザにしたり、パンにしたり、無駄にはしないようにしています。ほかにキッチンの方でもずっと翌日分の仕込みをしているので、ちょっと中に入ってみましょうか!」

キッチンの中では店長の山田さんも仕込みをどんどん進めていました。

小川さん「彼はウチでは2年目なのですが、すごい腕の持ち主ですよ。今日のまかないメシも彼が作るので期待しててくださいね!」

なるほど、確かにかなり手際よく、いろいろな料理をいっぺんに作っています。
料理を食べなくても明らかにプロだというのが一目瞭然!これぞ職人!

小川さん「今、彼が煮込んでいるものも明日使用するメニューですね。ランチタイムではサラダとパスタ以外を作ることがないので、注文を受けながらずっと翌日の仕込みを続ける感じです」

ノジーマ「ええっ、仕込みだけでもこんなに慌ただしく動いてるのに、注文をこなしながらずっと仕込みだなんてメチャクチャ大変じゃないですか!」

小川さん「逆にそのくらい準備をしておかないと、週末はこなせないくらい忙しくなるんですよ。せっかくなので、彼にもいろいろ聞いてみてください」

ノジーマ「なるほど!わかりました!」

鍋を気にしながらも素早い手つきでタマネギを切り続ける山田店長に、ひとつ質問をぶつけてみました。

ノジーマ「えーっと、タマネギ切ってて涙は出てこないんですか?」

山田店長「だいぶ慣れましたね。10個くらい連続で切ったりしなければ大丈夫です」

質問を考えてみたものの、思いついたのは何の役にも立たない質問で申し訳ありませんでした。
でもタマネギを切るのも慣れちゃうものなんですね…!

ピザの試し焼き&カットに挑戦!

いよいよオープン数分前。
ピザ窯の中の炎が激しさを増し、いよいよいつでもピザが焼けるという状態になりました。

すると、なんと小川さんから「ピザの試し焼きをしてみますか?」という提案が!
どうやら焼きあがったピザをカッターで切るのはホールの仕事らしく、その練習をさせてもらえることになりました。

そして2分ほど待っていると、見事なマルゲリータ・ピザが焼き上がってきました!
こんがりと香ばしい匂いが漂い、チーズはジュージューと音を立てながらとろけています。
すぐにでもこのままかぶりつきたいところですが、カッターで切る練習をしなければなりません。

ノジーマ「そういえば、GINAではピザを何等分に切ればいいんですか?」

小川さん「決まりは特になく、お客さんの数によって切る枚数を決めてます。例えば5人で1枚のピザをシェアする場合などは、ピザを5等分にカットしたりもしますよ」

ノジーマ「えっ、5等分なんてメチャクチャ難しいんじゃないですか…!?」

小川さん「はい、確かに相当練習が必要になりますね。そしたら今回は8等分に切ってみましょうか」

ノジーマ「なるほど!わかりました!」

人数まで考えてカットをするということは、大きさにバラつぎがあってはケンカの火種となりかねません。

なのでかなり慎重にカットしてみた結果、それなりの感じにはできたのですが、いかんせん時間がかかりすぎました!
手際よくカットをするのはかなりの経験が必要そうですね…!

これをぶっつけ本番でやるのはさすがに迷惑をかけちゃいそうなので、スタッフのみなさんにお任せすることにしました。

せっかくなのでカットをしたピザは大慌てで試食させてもらいました。
うひゃあっ!めっちゃウマいぃぃっ!!
シンプルな味付けだからこそ、ピザ生地の食感と味、そしてチーズの風味をしっかり感じられます。

実はこのマルゲリータ・ピザがGINAで一番のオススメメニューとのこと。
一口食べれば納得です。ご来店の際にはぜひご賞味いただきたい!

いよいよオープンの時間に!

そうこうしているうちに、いよいよ時刻は11時半。
オープンの時間となりました!
実際にお客さんが入ってくると思うと、緊張を隠せません!

すると間もなくして最初のお客さんがいらっしゃいました!
うしろで小川店長とゆかりさんが見守る中、まずはお茶を提供します。

そして店長が注文を伺い、そのあとはセットのメニューであるサラダを提供。
左手に3皿、右手に1皿と、いきなりたくさんのサラダをまとめて運んじゃいました。案外どうにかなるもんだ!

時刻は12時前。次から次へとお客さんがやってきます。さすが人気店!
人数が少ないテーブルを中心にオーダーを受けてみたり(やはりメニューがシンプルなので簡単!)、用意されたサラダを持っていったり、いろいろ考えるヒマなくどんどん動きます!

そしてピザやパスタができあがるまでの待ち時間などを使い、隙あらば食器洗いをします。
食器洗い機があるので楽チンですね!

その間にもどんどんピザが焼きあがるので、できたらすぐに持っていきます。

ピザ自体は2分弱で焼き上がるのですが、お客さんのテーブルをしっかり観察し、ちょうどいいタイミングで提供できるように焼くタイミングの指示をだすのもホールの仕事とのこと。

GINAには2階席もあるので、くまなくようすを見るのはかなり大変なのですが、それでもタイミングはいつも完璧!
こんなところにもプロの技術を感じました。

食後のお客さんにコーヒー&デザートを運ぶタイミングもホール次第。
こっそりとコーヒーとデザートの手作りケーキも試食させていただきましたが、どっちもめっちゃウマいですよ!

お食事が終わったテーブルはすみやかに片付けます。

ちょうど2階席のお客さんがいなくなったので、こっそりひと休み。
気がつけばもうすぐランチ終了の時間に。あっという間すぎてビビります!

そしてこの日のランチ最後のお料理を運んで、ついに任務完了!
約5時間のバイト体験が終わりました!やり切った充実感がありますね!

待ちに待ったまかないタイム!

ランチタイムの営業が終了すると、キッチンの山田さんがまかないメシを作り始めてくれました!
余りそうな食材を使って、毎日全然違うメニューを作ってくれるそうです。

この日作ってくれたのはこちらのパスタ!
キノコ、たらこ、鶏肉などなど、細かい食材がものすごくたくさん入ってます。めっちゃ贅沢!

そしてさらに、ピザの生地を使ったハムカツサンドまで!
めっちゃウマそうなんですけど…!そしてものすごいボリューム!

全員が揃ったところで、一緒に「いただきます」をしてからまかないメシを食べるというのがGINAのルール。

まかないメシを食べるタイミングはランチとディナーの間の時間しかなく、ほかの時間はずっと仕事をしているので、全員で顔を合わせながら話ができる貴重な時間とのこと。
たしかに、スタッフのみなさんがこの時間を楽しみにしている感じがすごく伝わってきました。

早速パスタの方から食べてみましたが、これはすごく贅沢な味わい!
なんせ、この日のランチメニューよりも具がたっぷり入っちゃってますからね!
なんだかお客さんに申し訳ない気持ちすら感じてしまいます。本当にウマい!

そしてさらに衝撃だったのがハムカツサンド。
生地はパリッパリで香ばしく、中のハムカツも分厚くてジューシー!
これは絶品!超絶品です!

ノジーマ「これ、めちゃくちゃウマいです!でもこれ、メニューにはないんですよね?」

小川さん「ないですね。メニューにない料理もよく作ってるんですよ。この前はカツカレー作ったりとか…

ノジーマ「もはや全然イタリアンじゃないですね!これは商品化したら絶対めっちゃ売れますよ!」

どうやらジャンルにはまったくこだわらず、スタッフが食べたいものも考慮しながらまかないメシを決めているとのこと。
これはみんな楽しみにするのも当然ですね!

たしかに、このハムカツサンドに使うとんかつソースがちゃんと用意されている時点でおかしいですもの。
どう考えたってイタリアンにとんかつソースは使わないですからね!

この日のまかないメシを食べながらの会話は、バイトを体験した僕に感想を求めるような話題が多くなりました。

小川さん「半日働いてみて、いかがでしたか?大変でしたか?」

ノジーマ「いや…そうですね、忙しかったけどすごく楽しかったです。お客さんがみんないい人で、料理を運んでてなんだか気持ちよかったですね」

小川さん「それはよかった!私達も、やはりお客様に喜んでいただけたり、美味しかったといっていただけるのが一番嬉しいんですよね。ホールでもキッチンでも、これこそが飲食業の醍醐味なのかなと思います」

ノジーマ「スタッフもお客さんもいい気持ちになれるわけですね!それは確かにやりがいがありますね!」

そんな具合に会話を弾ませながら、GINAのことや、飲食店でのバイトのことについてもいろいろ伺ってみました。

現在GINAではアルバイトの募集は行っていないそうなのですが、飲食店でのお仕事はだいたいこのような流れになるんじゃないかとのこと。
大手チェーン店などではわかりませんが、イタリアン系ではGINAのような感じでまかないメシを作っているお店も多いみたいですね。

GINAでのバイト体験を終えて…

こうして無事にGINAでのアルバイト体験が終わりました。

実際にホールスタッフとして働いてみて感じたのは、お客さんとのコミュニケーションが気持ちいい!ということですかね。

慣れるまでは緊張しちゃうかと思いますが、料理を運んだり、注文を聞いたりしてお客さんとコミュニケーションをとった際に、お客さんが嬉しそうにしてくれると、こちらもなんだか嬉しい気分になれました。
小川さんも言っていたとおり、これこそが飲食業の醍醐味なのでしょう。

まかないメシも最高の魅力ですが、人に喜んでもらうことが好きな人にはうってつけのお仕事かもしれません。

また、今回はまったく携われませんでしたが、キッチンのお仕事は料理が間違いなく上手になるでしょう。
GINAのキッチンはものすごく大変そうでしたが、キッチンのバイトも得るものが大きそうですね。

それにしても気がかりなのは、こんなにもボリューム満点のまかないメシを食べたあと、スタッフのみなさんはディナータイムでまともに動けるのでしょうか。

少なくとも僕はお腹いっぱいで、帰ってからは何もする気になれませんでした。
飲食店で働くと胃袋も鍛えられるのかもしれませんね!

取材協力店
GINA(ジーナ)
東京都杉並区西荻北2-26-3
TEL:03-3394-0012
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30) 18:00~23:00(L.O.22:30)
年中無休
http://www.tasca.biz

ノジーマ

B級フード研究家。漫画を描いたりライターをしたり。変な料理をいろいろ考えます。週刊プレイボーイで『野島慎一郎の激ウマ!!バカレシピ研究所』連載中。最近は撮影をしていると猫が寄ってくるので、そのまま記事でも使っています。 ★レシピ本発売中!★世界一美味しい「どん二郎」の作り方 誰も思いつかなかった激ウマ!B級フードレシピ http://amzn.asia/8N2jTuz

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