【セクマイエッセイ】百合嫁の日常16 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭へ行ってきました!

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭開催中!

昨日、東京・青山にあるスパイラルホールで開催中の「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」へ行ってきました。
観た映画は『スターライトの伝説』。
1962年。アメリカ・ブルックリン。
まだ同性愛者も黒人にも差別の嵐が吹き荒れる年代。
「スターライト・ラウンジ」というゲイ・バーをマッキー・ハリスが開きました。
白人のオーナーばかりの中、ゲイの黒人というダブルマイノリティであるハリスが作ったその<場所>は、黒人達の、そして性的少数者達の憩いの場所となったのでした。

それから50年経った今。

都市開発によって「スターライト・ラウンジ」は立ち退きを迫られ、バーの常連・地域住民は立ち上がります。

ドキュメンタリー映画であるこの作品は、常連達、関係者達のインタビューと、立ち退き撤回運動の二つが描かれていきます。
特に注目したいのが、50年前のアメリカには、黒人が開くゲイ・バーがなかった、というところ。
オバマ大統領が誕生した現在でも、まだ人種差別は残っているアメリカですが、50年前はもっと酷かったのです。
そしてゲイ差別の頂点ともいえる1980年代以降のエイズ騒動で客が途切れても「スターライト・ラウンジ」は生き残ります。

歴史を綴っていくマイノリティ向けバーが、立ち退きという大きな壁にぶつかります。

私はこの映画を、ビルが古くなっていく新宿二丁目に重ねて観ていました。
新宿二丁目にも古いビルに入った性的少数者向けバーがとても多いです。
今はいいでしょう。
でもあと10年、20年……。バーは生き残れるのでしょうか。
新宿二丁目のセクシャルマイノリティ文化はどうなるのでしょう。

そんな考えが頭を過ぎりました。

他人事ではない『スターライトの伝説』。
良いドキュメンタリー映画でした。

さて映画祭は20日まで続きます。

あなたはどの映画を観ますか?

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
開催期間 7/11~7/20
公式サイト http://tokyo-lgff.org/

fujimashion

コミックエッセイ『ゆりにん レズビアンカップル妊活奮闘記』(ぶんか社 藤間紫苑 江川広実)、PCゲーム『人形の匣~愛のディテール』、ドリンク擬人化『伊藤君と円先輩』執筆。得意分野セクシャルマイノリティー。百合・BL。

ウェブサイト: http://www.fujimashion.com/

Twitter: fujima77