さて、すでに「月刊 焼肉はせ川」となりつつあるレポートですが、今月もやってくれました。
まず『焼肉はせ川』について軽く説明しておきますと、神奈川県相模原市の「小田急相模原駅」から徒歩20分ほどの、住宅街にある奇跡の焼肉屋さんです。
ちなみに「完全予約制」なので、いきなり訪れても100%入れないと思って下さい。
あと土日は99%常連さんで予約が埋まっているので、まず予約出来ません。
普通、予約と言うのはコチラの都合で指定するのが一般的ですが、常に予約で一杯な人気店の場合は、店に合わせるしかありません。
そんな敷居の高い『焼肉はせ川』の魅力とは一体なんなのでしょうか?
今回は、その謎に迫ってみましょう。
『厚切りミスジ』(1580円)
牛の肩部分にある「ミスジ」が『焼き肉はせ川』ではイチオシの部位です。
1頭の牛から少量しか取れない希少部位で非常に高価ですが、それを「厚切り」にして贅沢に頂きます。
とにかく『焼肉はせ川』の実力を知るなら、まずは『ミスジ』を食べてみて下さい。
『特選ヒレ』(1580円)
さらに『ヒレ』もオススメです。
本来『ヒレ』は脂が少ないのですが、実は『焼肉はせ川』の場合、この『ヒレ』は最高ランクのA5和牛を使う事が多いので、普通の『ヒレ』とは訳が違います。
そして、この盛り付けは一体…
日本一「前衛的な焼肉屋さん」と言っても、過言ではないでしょう。
『ザブトン』(1580円)
『ザブトン』は名称からして「お尻のお肉」と思われがちですが、実は肩ロースに近い部位です。
『ミスジ』や『カルビ』よりも脂は少ないのですが、肉質が柔らかく旨味があるので、脂が少ない分だけ「牛肉の旨味」が味わえます。
上タン(980円)
誰もが知っている「牛の舌」です。これも普通の焼肉屋さんと違い、かなり厚くスライスしているのですが、非常に柔らかくなっています。
とにかく「牛たんマニア」にはイチオシです。
ちなみに『焼肉はせ川』には『並タン』もありますが、サシが少ないだけで味は、ほぼ同じです。
『ハラミ』(650円)
『ハラミ』は牛の横隔膜で、実はホルモンの仲間になります。
サシ(脂)がほとんど無いのですが、柔らかく味も上品なので「焼肉マニア」に人気があるメニューです。
『焼肉はせ川』の肉は「上質のサシ」が入っていて美味しいのですが、あまりサシが入っている肉を連続で食べると、ちょっと有り難みが薄れるので、途中で『ハラミ』をワンクッション入れると良いでしょう。
ちなみに『焼肉はせ川』の写真は、すべてが「一人前」です。
このボリュームで、このお値段… 恐るべし『焼肉はせ川』
馬刺し(650円)
ここまでサシの入った上質な肉ばかり食べていると、流石にサッパリした肉を食べたくなります。
そんな時は、この『馬刺し』を食べましょう。
『馬刺し』と言うと臭みがありそうなイメージですが、実は癖がなくヘルシーな赤身肉なのです。
最近は『馬刺し』も高いので、普通の店ならこの値段でこのボリュームは有り得ません。
『焼肉はせ川』の圧倒的なコストパフォーマンスを知るなら、この『馬刺し』は良い指標になるでしょう。
ちなみに『焼肉はせ川』では、20歳未満の人には『馬刺し』を提供出来ないので、御了承下さい。
『乙女牛 赤身肉』(980円)
そして今回の目玉がコチラの『乙女牛 赤身肉』で御座います。筆者も名前くらいしか聞いた事がないのですが「限定」なので食べてみました。
赤身と書いてあるのに結構サシが多いですねぇ。これは嬉しい誤算です。
筆者が軽くググってみた所「那須高原」で育てている雌牛らしいです。
ここで「雌」である事に注目した人は、焼肉マニアですね。
ちなみに、あの『松阪牛』は雌牛のみで、雄牛の場合は「三重県産黒毛和牛」となってしまいます。
『フルーツトマトサラダ』(500円)
あと焼肉を食べるとバランス的に「野菜的な何か」を欲する人がいますが、それは罠です。『焼肉はせ川』では
「ちょっと、つまみたい」
「頼んでおけば誰か食べるだろ」
「とりあえず2人前づつオーダー」
などの軽はずみな行為は命取りです。自重して下さい。
本当に自分は野菜を食べたいのか? そんなに葉っぱが食べたいのか? どうしてもビタミンや食物繊維が欲しいのか? 一人でやっつける事が出来るのか?
もう一度、良く考えてから「サラダ系」をオーダーしましょう。
とにかく大量のキャベツの千切りの上に、レタスやら生ハムなとが色々とONする勢いです。
写真の反対側には「マカロニサラダ」もあり、大皿に山盛りのボリューム満点サラダです。
ボリュームだけではなく、写真左手の「カボチャ」は滑らかに裏漉しされ、実に手間暇掛けた素晴らしい一品に仕上がっております。
ちなみに写真の『フルーツトマトサラダ』をオーダーした本人は、その圧倒的ビジュアルを前に
「もう、お腹いっぱい…」
を宣言した後、フルーツトマト数個と葉っぱを少々食べてギブアップしました。
完全にギルティです。
っていうか、フルーツトマトってそこそこ高価だったような気がしますが、この値段で大丈夫なのでしょうか?
味は確かに「フルーツ級の甘さ」があり、超美味しいトマトだったと言っておきましょう。
『キャベツサラダ』(100円)
それでも「サラダ的な何か」が食べたい人は、こちらの『キャベツサラダ』がオススメです。
まあ、コレでも一人前としては、如何なものかと思いますが、コレが一番軽いサラダですので御了承下さい。
『ポテトサラダ』(100円)
筆者のマストアイテム『ポテトサラダ』です。あまりサラダ系とは言えませんが、主に「箸休め」として優秀な働きをします。
焼肉屋であれば普通は「キムチ」が箸休めになるのですが、筆者はさしてキムチを欲していないので、ポテトサラダに安らぎを求めます。
『チーズとサラミの盛り合わせ』(600円)
そして酒のツマミに「チーズ的な何か」が食べたいとの事でオーダーしてみました。
これだけ見ると『焼肉はせ川』が、焼肉屋である事を忘れてしまいそうですね。
本格的な盛り合わせで、チーズもサラミも絶品です。これは比較的ボリュームが少ないので、お酒を楽しみたい人にはオススメです。
『自家製ジンジャーエール』(300円)
そして『焼肉はせ川』でハセラーが愛飲するのが『自家製ジンジャーエール』で御座います。
この激しい生姜感が肉でダメージを受けた胃に優しい、漢方的な薬膳的な何かです。
これを飲んでおくと翌日が楽なので、お酒を飲まれる方にもオススメです。
ちなみに『焼肉はせ川』の烏龍茶は『黒烏龍茶』なので、そちらも合わせて飲めば最強のポーションとなります。
『焼肉はせ川』の世界にようこそ
ここからが『焼肉はせ川』の本気です。その狂気に一度でも身を委ねると二度と他の店に行けなくなる、諸刃の剣…
素人にはオススメ出来ない。
基本、オダサガのラスボスと呼ばれる『焼肉はせ川』に来て
「美味しい焼肉だけ食べて帰る」
と言うのは有り得ません。ギルティです。
そもそも「焼肉屋」で肉食って帰る事の何が罪なのかを説明すると、そこそこ長くなるのですが大事な事なので割愛しません。
とにかく店内のメニューと言うか、壁一面の手書きメニューを見て頂ければ分かるのですが、店主の料理のかける情熱は並々ならぬモノがあります。
これらのメニューを朝から一人で仕込んでいるのです。
その熱い想いに答えるのが、ハセラーの義務と言えるでしょう。
もしも店主が料理に対しての情熱が失われた時、このネヴァーランドは消えてしまうのです…
つまり、最低でも1品くらいはサイドメニューを食べるのが、我らの夢の国を存続させる為の手段である事を、忘れては行けません。
ピーターパンが永遠の子供で在り続ける為に、是非「サイドメニュー」に挑んで下さい。
あと、一応は警告しておきますが「御飯系」は危険です。4合くらい来ちゃう可能性が高いので、屈強な戦士でパーティーを組んでなければ即死です。
「※のお料理は2人前位あります」
と店のメニューにも書いてありますが、あれは嘘です。いや、厳密には嘘では無いかもしれません。
「何を言っているのか、わからねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった…」
逆に「※印」がついていないメニューは2人前ではない。つまり4人前、6人前である可能性もあると言う事実…
まさに、恐るべし『焼肉はせ川』ワールドですね。
『つけ麺』(800円)
そしてコチラが比較的、難易度の低いサイドメニュー『つけ麺』です。
「このチャーシューはステーキなのか?」
とにかくサービス精神旺盛な店主なので、予想の遥か斜め上を行く展開に目が離せません。
ちなみにコチラで「麺4玉」で、普通の店の2倍のボリュームはあります。
特徴としては「つけ汁」と言うかスープが7種類ある事です(写真に入りきりませんでした)
『つけ麺』に、そこまでの多様性を求めているのかって話ですが、色々な味で楽しめるようにと言う店主の粋な計らいとして、有り難く頂戴致しましょう。
ちなみにチャーシューも激ウマでした。
『つけ麺』(値段は同じ)
そしてコチラが比較的、難易度が高いサイドメニュー『つけ麺』です。
この差は一体…
恐らく、この日は「メンズ4名」で約1名ガタいの良い「喰えそうな奴」が居たので、店主に厨房からロックオンされたのかと思われます。
写真の奥には「太麺」が大皿に山盛りで鎮座しています…
とりあえず…
何から説明したら良いのか、訳が分からないですねw
TOP画像を見れば分かりますが「大皿2枚分の麺」でテーブルの上を絨毯爆撃されています。
「最初に運ばれて来た時は、頭がどうにかなりそうだった… 催眠術とか超スピードとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ…」
まさに「地獄の釜の蓋を開けた」状態のテーブルに、黙祷を捧げる勢いです。
『つけ麺』のスープは全部で7種類でした。
しかし、途中で「豚骨スープ」が加わったので、計8種類のスープです。(これも写真に入りきりません)
一見、写真だと同じに見えますが、全部の味が違うと言う狂気の沙汰です。
『つけ麺』の麺は、全部で7種類です。さらに冷蔵庫には何種類かの麺があるとの事。
言うまでもありませんが、麺が7種類と言う事は、少なくとも「麺7玉」で御座います。
そして、太麺に関してはボリューム増しな感じだったので、それ以上である事は間違いありません…
なんでしょう?
麺のひとつひとつを解説するエネルギーが無いと言うか、思い出すだけで目眩がするのですが… ちなみに麺が大量だった為に
「これ、味変アイテムね!」
と言って「魚粉」の調味量ボトルを店主が置いて行ってくれたのですが、多分、事の是非はソコじゃない予感です。
さらに『焼肉はせ川』の良くあるサービスですが
「味に飽きたでしょ? これサービス!」
と言って「味噌漬け味玉」と「味噌漬けチャーシュー」を運んで来てくれました。
「味噌漬け味玉」は麹も入っているのでしょうか?
とりあえず美味しいんですけど、色々な意味で胸一杯です。有難う御座います。
(すでに意識が朦朧としていたので写真を撮り忘れました)
『焼肉はせ川』 総評
今回は不覚を取りました…
最後の『つけ麺』が予想外のボリュームだったのが敗因で、最後に1玉半くらい残してしまいました。誠に申し訳ないです。
今回の件で分かったのは
『焼肉はせ川』では指揮官が絶対に必要である事です。常にパーティーのHPに気を配り
「果たしてコイツはどんだけ食べられるのか?」
を把握している必要があります。そしてオーダーを全てコントロールして食べ残しが出ないように采配するのです。
まあ、いちいちオーダーにフィルターを掛けて、アレ駄目コレ駄目は参加メンバー的に、非常に面白くないと思うので、今回は比較的「フリースタイル」にしましたが、結果としては残念なエンディングを迎えました。
一番レベルの高い『焼肉はせ川』経験者が、オーダーを選別して独裁的に振る舞うのがベストです。
その「ちょっと食べたい」を許したが為に、ラスボスの『つけ麺』でパーティーが全滅する悲劇を繰り返してはなりません。
もっとも、どんだけ完璧な指揮を採っても、今回の『つけ麺』を倒せたかどうかは微妙な所ですけどね。
あまりにメニューが豊富過ぎるので、ついついアレコレ食べたくなりますが、レベルが低い4名パーティーなら
「焼肉4品+サイドメニュー1品」
で様子を見て、デザートで締めるのが良いでしょう。一度で『焼肉はせ川』を堪能する事は絶対に無理なので、数回に分けて徐々にスキルを磨くのがベストです。
それでは、みなさんも『焼肉はせ川』に訪れて、美味しい焼肉を堪能してみて下さい。
ちなみに2015年6月現在、店主の体調が良くなく「診断結果待ち」で予約は取っていません。
6月16日に健康診断の結果が出るそうなので、良い結果が出る事を祈るのみです。
『焼肉はせ川』(完全予約制)
住所:神奈川県 相模原市南区 相模台4-11-6
営業時間 17:00~22:00
定休日:水曜日