今回は「八王子ラーメン」でも、ちょいとマニアックな『トモエ』を紹介してみましょう。
そして、毎度の事で恐縮ですが「八王子ラーメンとは、なんぞや?」を簡単に説明しますと
「ラーメンに玉葱がONしてる」
みたいなラーメンが「八王子ラーメン」となります。普通はラーメンに長ネギを使うのが一般的ですが、八王子は生の微塵切りにした「玉葱」が入っています。
筆者も最初は「コレじゃない感」みたいな違和感がありましたが、慣れてくると
「ラーメンに玉葱の微塵切りは必須!」
となり、気がつくと家でもラーメンを作る時は「玉葱の微塵切り」を入れるようになります。
所在地からしてマニアックな『トモエ』
「八王子ラーメン」の店は意外と住宅街の中にあったりもしますが、多くの店が八王子駅と西八王子駅の周辺に集中しています。
なので「八王子ラーメン食べ歩き」の場合は電車だけでも行けるので、車が無くても意外と余裕だったりもします。
しかし、一部の「八王子ラーメン」の名店は住宅街の中に溶け込んでいて、なかなか遠征しにくい場所にあるのです。
そんなマニアックな店の中でも、よりマニアックと言うか地味なのが1976年創業の老舗『トモエ』で御座います。
まず外観からしてシブいですよね…
本当に、この店で大丈夫なのか不安になってしまいます。
しかし!
何気にコアな「八王子ラーメン」マニアの中では、なかなか高評価の名店なのです。
『トモエ』でラーメンを食す!
全体的に地味な感じなので、速攻で実食レポに突入です。
他の「八王子ラーメン」の店が、少なからぬ遠征組の異邦人が居る中、この『トモエ』は限りなく地元の人で占められている感じです。
「この限りないアウェー感…」
そう言った意味での「落ち着かない感」は否めませんが、店内は落ち着いた昭和のラーメン屋さんと言った様相で、懐かしさを感じます。
スープはあっさり淡麗系
あまりラーメンで「淡麗系」とか表現したくない筆者ですが、この『トモエ』のスープは「八王子ラーメン」の中でも、あっさり味かと思われます。
なんでも鰹節や鯖節などの乾物をふんだんに使ったスープで、出汁にはあまり動物系の出汁を使っていないとの事。
しかし、決して弱いスープでは無く、ボディのある芯の通ったスープで「あっさり」と感じるのは、余計な雑味が無いと言う意味です。
総じて「八王子ラーメン」は、どの店もスープのレベルが高いのですが、その中でも筆者は『トモエ』のスープが好きなんですよね。
麺は極細麺だがコシがある!
そして『トモエ』のラーメンで一番特徴的なのが、この極細麺と呼べるほどの「細麺」でしょうか?
麺の細さだけで言えば「九州ラーメン」に匹敵する細さです。しかし博多の「九州ラーメン」と違うのは、やはり「加水率」と「かんすい」でしょう。
極細麺なのに噛むと押し返すような弾力があり、実に力強い麺に仕上がっています。
筆者も趣味で製麺しますが、この太さでこのコシと弾力はなかなか難しいですね…
そして、何気にこれだけの細麺をジャストな茹で加減で上げる店主の腕がヤヴァィですね。
ここまで細いと10秒違っても「あれ?」ってなる可能性があり、30秒違ったら別物になってしまいます。
言うなればカリカリにチューンした、レース用のマシーンみたいな物で、誰にでも操縦出来る訳ではありません。
ラーメンでも「細麺派」の人なら、絶対に『トモエ』のラーメンは食べるべき一品です。
ちなみに『トモエ』は極細麺ですが、麺量はあるので物足りない感は皆無でした。
チャーシューも旨い『トモエ』
そしてチャーシューも良い感じです。これは「腿肉」かと思われますが、煮込み加減も丁度良く「豚肉の旨さ」が十分に残っています。
希に「柔らかさ」ばかりに目が行ってしまい、肉の旨みがタレに行き過ぎているチャーシューがありますが、本当に美味いチャーシューは「柔らかさ」よりも「チャーシュー自体の旨み」を重視します。
もっとも、筆者が食べた「八王子ラーメン」でチャーシューがイマイチだった店は皆無です。
割と「腿肉」を使ったチャーシューを出す店も少なくありませんが、ちゃんと仕上げて来ますね。
他にも「メンマ」なども美味しいです。戻しが甘かったりするラーメン屋がある中、やはり「八王子ラーメン」の安定度は抜群です。
やはり狭い地域にラーメン屋さんが密集したので、お互いを高め合うみたいな風土から生まれた相乗効果なのでしょう。
相模原もラーメン屋さんは多いのですが、恐らく八王子に出店したら「秒殺」されるレベルの店も少なくありません。
そのくらい「八王子ラーメン」はヤヴァイって事です。
『トモエ』 総評
結構、筆者も「八王子ラーメン」を食べて来ましたが、この『トモエ』のラーメンは好きですね。
やはり一番感動するのは「麺」でしょうか?
筆者はラーメン的には「太麺派」なのですが、この『トモエ』の細麺だったら、今からでも「細麺派」に転んでもいいですね。
それに繊細なスープと「玉葱の微塵切り」が合わさり、至極の「八王子ラーメン」となります。
いや、本当に『トモエ』のラーメンは、もっとフィーチャーされるべきだと思います。
と、言う訳で、みなさんも是非『トモエ』のラーメンを食べてみて下さい。
特に「麺」はイケてると思うので、食べ比べると言う意味で「八王子ラーメン巡り」に加えて欲しいお店です。
『トモエ』
住所:東京都八王子市 散田町 5-18-13
営業時間 11:00~19:30
定休日:月曜日