5月19日、明治・愛知県蒲郡市・愛知学院大学の共同研究チームは、チョコレートを摂取することで脳由来神経栄養因子(BDNF)が有意に上昇することを公表しました。
BDNFは、血液中や脳、特に記憶や学習能力を司る海馬という部位に多く存在することがわかっています。神経細胞の発生や再生などを促進するたんぱく質で、アルツハイマー型認知症やうつ病と関連があるとされています。
愛知学院大学科学部栄養健康学科の大沢俊彦教授らは、チョコレートを食べることによって、体内でBNDFがどのように変化するか調べる実証実験を、昨年6~7月に実施。実験には愛知県蒲郡市の市民約350人が参加しました。
実験は、347人(男性123人 女性224人)に、カカオ成分72パーセントの高カカオポリフェノールチョコレートを4週間にわたって毎日25グラム(総ポリフェノール量650ミリグラム)を食べてもらい、摂取前後の体重や血圧、脂質や糖の代謝やBDNFの変化を調べました。
分析の結果、高カカオチョコレートを摂取する前に比べてBDNFが6.07から7.39へ有意に上昇したことを確認。高カカオチョコレートを摂取することで、うつ病の改善やアルツハイマー型認知症を予防できる可能性があると結論づけました。
今回の実験結果をもって、チョコレートを定期的に摂取することで、すべての人が認知症の予防や、うつ病の改善といった効果が確実に得られると結論づけるのは難しいと思います。ですが、将来的には、チョコレート由来の成分でで認知症予防が図れたり、うつ病の改善が可能になることはありえると思います。今後の研究の結果を期待したいですね。
※写真は足成 http://www.ashinari.com/2009/03/23-015601.php より