今から20年以上前の1980年代、『女子大生ブーム』というものがあった。
『オールナイトフジ』をはじめとするバラエティ番組に女子大生が多数出演し、人気を博したのだ。
当時、女性の大学進学率は30%台、そんな状況の中で“テレビに出る女子大生”というのが珍しくもあり、またその華やかさがまぶしくもあった。
現在、大学進学率は50%を越え、芸能人が大学に行くのも、それほど珍しいことではなくなっている。
しかし、そんな今でもなお、知的で特別なイメージをもって存在感を示しているのが『東大生タレント』である。
その系譜をたどっていくと、音楽家、葉加瀬太郎さんの奥様でもあり、現在もタレントとして活躍する髙田万由子さんをはじめとして、グラビアモデルでデビュー後、女優として多くのドラマ・映画に出演している菊川怜さん、日本テレビ『ラジかるッ』のアシスタントを務め、現在も東京大学大学院に在籍している八田亜矢子さんなど、まさに“才色兼備”の人たちが名を連ねている。
そんな彼女たちの魅力のひとつは、その高い教養とは対照的な“親しみやすさ”を持っていることだと思う。
一般的に、会社でもプライベートでも、『東大卒』の肩書を持っていると、どこか庶民とは違うような接しにくさを感じてしまう。しかし、彼女たちはそんな一方的な思い込みを消し去ってくれるかのように、屈託なく笑い、庶民的な一面を見せ、心を潤してくれる。そのギャップが大きければ大きいほど、親近感が湧いてくるのだ。
そして今、その正統な流れを受け継いでいるのが、東京大学文学部に在籍中の『たっきーな』こと、瀧口友里奈さんだ。
瀧口さんはフジテレビで放送された『キャンパスナイトフジ』に『キャンパスナイターズ』のメンバーとして出演。上品でありながらも泣き虫なキャラで人気を集め、番組終了後もクイズ番組などで活躍、今年の3月からはNHK教育の『100分de名著』でアシスタントMCを担当している。
『100分de名著』は、ニーチェの『ツァラトゥストラ』やマキャベリの『君主論』など、“有名ではあるが、なかなか読みこなすことのできないような作品”を取り上げ、分かりやすく解説していく番組。
瀧口さんは、司会の堀尾正明さんとともに、専門家から解説を受け、その解釈や作品の背景などを探っていく。作品を理解するだけの教養と、それをテレビを見る人の目線に立って伝えていく技術が必要で、まさに瀧口さんははまり役と言っていいだろう。
また、番組ホームページ内のコラム『ユリナ ノ 目』では、番組で取り上げた作品について、自身の言葉で率直な感想をつづっており、こちらも彼女の知性と文才がうかがえる興味深い内容となっている。
そんな瀧口さんが、10月7日にファースト写真集『YURINA』を、10月21日にはファーストDVD『Prism』を相次いで発売した。
グアムで撮影されたというDVDでは、テニスルックやタンクトップ、ビキニ姿などを披露。海岸で無邪気にはしゃいだり、お料理をしたりと、彼女の素の部分に近いシーンもあり、ちょっとした恋人気分が味わえる一枚となっている。
現在彼女が持っている『東大生』と『タレント』、一見大きくかけ離れたもののように思われる二つの肩書き。彼女の中でそれは決して相反するものではないと思う。
今、彼女と同じキャンパスで学んでいる人の中には、将来政治家になる人もいるだろう。官僚になって国を動かしたり、企業の幹部になって、日本経済の中枢に行く人もいると思う。皆それぞれのフィールドでこの国の、人々の幸せを作っていくことになるはずだ。
彼女が今後、どのような活動をしていくかは分からない。ただ、人が幸せになる方法が何百通りもあるように、人を幸せにする方法も数限りなくある。
今、彼女がその知性と美しさを持ってタレント活動をすることによって、私たちの心に希望の光を灯していることも、またまぎれもない事実なのだ。
※画像は瀧口友里奈公式ブログ『たっきーな♪ハッピーな☆DAYS』より http://ameblo.jp/takiguchi-yurina/