人生は決断の連続です。一生を左右するような重大なものから小さなものまで、無数の選択肢の中から、人は何かを選びながら生きています。
特にサラリーマンには、「決断力」が求められる機会が多いですよね。決断力は大勢の人を率いて指示を出す管理職や経営者に必要な資質とも言われています。身につけられれば、輝かしい出世の道が開く……なんてことがあるしれません。
しかし、そうは言ってもなかなか身につかないのが、決断力。「身につけたいなー」なんて思っている会社員の方も多いんじゃないでしょうか。
今回は、決断力を身につけるためのトレーニングが、毎日のお昼ごはんのメニュー選びの時にできてしまう方法を紹介します。
前置き1>決断力に必要なのは、「えいやっ」という思い切り。ただそれだけ。
みなさんは決断力と聞いて、どんな能力だと思いますか?「常に正しい判断をする力」?「後悔しない決断をする力」?いいえ、そんなの神様でないと無理です。決断力というのは、ともかく「物事を前に進める力」のことを言います。「お昼ごはんは精力が付くステーキがいいかな…それとも昨日食べたいと思った塩ラーメンがいいかな…いや、健康的に鯖煮定食かな…」と各選択肢を比較するのはいいことですが、比較しすぎて決められないのが「決断力の無い人」です。
そんな状態では、いつまでたってもご飯が食べられませんよね。
なにはともあれ、目をつぶって「ハンバーグにしよ」と決めて注文する。これができる人が、「決断力のある人」なわけです。
前置き2>間違ってもいい、決めることが大切
「え、それじゃあ間違った判断をするかもしれないじゃないか」そのとおりです!決断力の高さは、結果とは関係ありません。いつまでもウジウジ悩んで何も決められないよりも、スパッと決めて前に進むことを良とするのが、決断力のあるサラリーマンなのです。
そもそも、あなたの決断が正しかったのか、間違っていたのか、誰が判断しますか?小泉純一郎氏は「決断力のある総理大臣だった」と今だに人気があります。しかし、彼の決断の正否は、いまだに判断が分かれるところですよね。100人が見て全員が「あの決断は失敗だったよね」と認めるような判断の方が、実は難しかったりするわけです。
前置き3>徐々に重い決断もできるようになる
昔、ある会社の社長と話していた時に「俺は、自分の席から会議室に歩く間(おおよそ20秒ぐらい)に、経営のことは全部決めるんだ」と仰ってました。「そんな適当な判断で大丈夫か?」って思われるかもしれませんが、その会社は先日無事に上場を果たしてましたよ。人間のする決断なんて、重いものも、軽いものも、本質は意外と同じなのかもしれません。
まずは、「お昼ごはん何にするか?」という軽微な決断トレーニングを毎日行うことで、次第に重要な決断を素早くできるようになりましょう。
それでは、いよいよ「お昼ごはんを何にするか」を決めることで決断力を高めるトレーニングのご紹介です。
お昼ごはんの時にできる「決断力を高める」トレーニング
(1)10秒以内に決めるお店の席について、メニュー表を見たら10秒で決める。10秒で決められない場合は一番上のメニューに決める。これを繰り返すことで、とにかく「すぐに決める」訓練になります。
(2)ルールを決める「必ず日替わりランチにする」「必ずファーストインプレッションで決める」「ラーメンは塩に決めておく」などルールを決めておけば、10秒さえ必要なくなります。
(3)意外な落とし穴「消去法」「ニンニクが嫌いだから、それ以外のものにしよう」など、消去法で決めようとすると、結局複数の候補から絞り込むことが難しくなります。消去法で物事を選択するのは避けましょう。
(4)後悔をどんどんする「ここの野菜炒め定食、美味しくなかった…」と後悔したら、次回は選ばないようにすればいいだけですよね。
(5)10年後の自分を想像するどうしても「塩ラーメンか、つけ麺か」を選べないあなたは、10年後の自分を想像しましょう。どちらを選んでも、10年後の自分にはなんの影響もありませんよね。そう考えれば、決められる気がしてくるでしょ?
おわりに>決断は怖いことではありません
この「昼飯を素早く決める」訓練は、「決断する恐怖」を取り除くための訓練と言い換えることもできます。
あなたが仕事で「Aが良いか…Bが良いか…」と悩んでいることは、本当に大切なことなんでしょうか?もし、あなたがどうでもいいことで悩んでいるとしたら、それは「慎重」なのではなく、単に決断して決めてしまうのが「怖い」、後悔するのが「怖い」ってだけかもしれませんよ?
決断することは、怖いことではありません。
まずは決断への恐怖心を無くすためにも、お昼ごはんを素早く決断する訓練からはじめてみてはいかがでしょう?ポンポンと決断していくことの快感を覚えると、次第に大きな決断も、テンポ良くできるようになりますよー。
・画像は『足成』より引用http://www.ashinari.com/
・著者ブログ(http://d.hatena.ne.jp/shanaineet/)