横浜の野毛周辺を彷徨っていると、嫌でも目につく看板があります。なんでしょう、この感覚は? 一言で言うなら
「看板がうるさい」
みたいな感じです。確かに人目についてナンボの看板ですが、流石にこれは如何なものかと存じます。もう少し自重しても良いのでは?
野毛の名物!中華料理『三陽』(さんよう)
看板に沿って道を辿ると、野毛の名物、もとい名所である『三陽』が現れます。その暖簾の上には「毛沢東語録」なるモノがずらりと書いてあります。
「毛沢東もビックリの三陽の餃子」
「周恩来も驚くラーメン」
「楊貴妃も腰抜かすギャルのアイドル チンチン麺」
「歌はチューブの歌が良い 又、クレイジーケンバンドの横山剣の歌も非常に良い!」
まさに、どうでも良い事のオンパレード。一体、これは何を誰に向けてアピールしているのでしょうか?
その真意を確かめる為に、さして腹も減っていないにも関わらず、筆者は責任感から『三陽』に入店してみました。
中身は普通?の中華屋さんだった件
どんだけ『横山剣』を推しているのか確認する為に入店したものの、店の中に『クレイジーケンバンド』を彷彿させるモノは何ひとつなく、むしろ普通の中華屋さんと言った雰囲気…
「おのれ孔明! 図ったな!!」
あの意味不明な「毛沢東語録」やら、やたらと煩い看板は客を誘き寄せる為の罠でした。
また、普通の中華屋と表現しましたが、それは嘘です。どちらかと言うと看板以上に煩い感じの中華屋さんです。まず、店員が異常に多いのが気になります…
「そんなにスタッフ必要か?」
と言うのが第一印象です。もっとも、店内もそれなりに、いや、ほぼ満席に近い状態なので、確かに厨房も忙しいのかもしれません。
『チンチンラーメン』を下さい!
そして突如、背後からオーダーを聞かれます。さして腹も減っていなければ、さして酒を飲みたくも無い、むしろ『横山剣』に惹かれて入っただけの筆者に何を頼めと?
メニュー表を渡される訳でもなく、壁に書かれているメニューは180度真後ろ。この状態でメニューを目視するのは自殺行為。
そして何より、すでに女性店員はボールペンを片手にオーダー待ち… 忙しいから早う注文せぇや的なオーラも感じられます。まさに絶対絶命!
「チンチンラーメンを下さい!」
正直、他には餃子くらいしかメニューを覚えていない筆者。餃子にはビールが必須なので、さして麦芽を欲していない今、その選択肢は有り得ない。そうなると覚えているのは『チンチンラーメン』しかありません。
若干、若い女性店員に
「チンチンラーメンを下さい!!」
と言うのは、如何なものかと存じますが、コレはこういうメニューなので、自分に落ち度はなく、セクハラには該当しないケースと思われます。
「チンチンラーメンですね。餃子はいかがですか?」
「いえ、チンチンラーメンだけで結構です」
「チンチンラーメンですね。かしこまりました」
いっそ「ラーメン」と言う単語を省いてみては?とも思ったのですが、あまりそういうプレイには興味がないので、このくらいで勘弁しておきましょう。
そもそもが、さんざんチンチンを連呼していますが、中国人の多い店なので「陳さん」のチンである確率も2%くらいはあるはずです。恥ずかしがらずに、大きな声でオーダーしましょう。
『チンチンラーメン』を食す!
そして『チンチンラーメン』の降臨です。とりあえず写真を見て頂ければ分かりますが、あえて言おう!
「レンゲ、デカ過ぎんだろ!!!」
一体コレは何用のレンゲだよってレベルの大きさで、写真を撮るのに邪魔である事この上ない…
とりあえずレンゲをどかしてラーメンを見てみると… まあ、普通にタンメンですかね? 野菜炒めたっぷりの塩ラーメンです。
ニラと葉ニンニクが沢山入った、ただのタンメンと言った風情ですが、ココから何か起こるのでしょうか?
とりあえず無意味に巨大なレンゲを使ってスープを飲んでみます。
おっ!
ちょっと美味しい気がするような?
いや、ちょっと塩っぽいけど、これはコレで悪くはないです。若干、味としては中華調味料の王様『味覇』(ウェイパー)を彷彿させる、むしろ『味覇』を使ってんじゃないのか的な衝動に駆られますが、大量に入れられた野菜が大量に入れられた化学調味料を緩和している気がします。
麺はなかなか美味しいですね。加水率高めでツルっとした感じで、スープに良く合います。
『三陽 チンチンラーメン』 総評
とりあえず誌面でチンチンを連呼出来る以外のメリットは、さして感じられませんでしたが、普通にタンメンと思って食べれば美味しいラーメンかと思われます。
ただし、お値段が「700円」と若干、高めなのに肉類がほぼゼロ(最後にスープの中に小さな豚肉の切れ端を発見)なのは、ちょっとマイナスポイントですね。
むしろ、普通に『横浜野毛ラーメン』(500円)でチャーシュー乗ってる方が得なんじゃないでしょうか?
そもそも、この『チンチンラーメン』を真面目にレビューする方が、どうかしている可能性も否めません。あくまでもネタ要素のひとつとして捉えるのが正しい『チンチンラーメン』の楽しみ方かと思います。
なお餃子の方は定評があるらしいので、お腹に余裕のある人は餃子も頼まれると良いと思われます。
それでは、みなさんも横浜にお越しの際には、是非『三陽』に訪れてみて下さい。
『三陽』
住所 神奈川県 横浜市中区 野毛 1-36
営業時間 11:00~24:00
定休日 不定休(月曜日は夕方頃から営業)